wiredFish トップ ⧫ その他の記事 ⧫ u-con Port pata-pata ⧫ 留守番ねこのための空調制御 ⧫ 基礎検討:リモコン
エアコンの自動制御を実現するにあたって、温度計測とリモコンはどうしても外せない必須の機能です。温度計測については前回の検討で温度センサー「LM35」を使用する方向で開発を進めることにしました。今回はリモコン機能の実現方法について考えてみたいと思います。まず何よりも猫たちの安全が第一。設計の美しさや外観の美しさは考えず、最短の時間で実現できる方法を採用したいと思います。
まず最初に思いついたのは、マイコンのGPIOからリモコンのボタンを操作する方法。これならリモコン通信部はノータッチでエアコン制御を実現できます。
リモコンは純正のリモコンを使うのが確実なのですが、今使っているリモコンを改造する気にはなれません(再起不能のリスクは犯せない)。かといって、(高価な)純正のリモコンを買う気にもなれません。そこで安価な学習リモコンを探してみることにしました。エアコンのリモコン通信は、他の機器のリモコンに比べて特殊な場合が多く、エアコンに対応していない学習リモコンも少なくないので注意が必要です。
エアコン対応の学習リモコンを探していたところ、各メーカーのエアコンのリモコンデータをプリセット済みのリモコンがあることを知りました。たとえば、CHUNGHOPの「エアコン用ユニバーサルマルチリモコン K-1028E」はAmazonで600円強で売っています。この価格なら、改造に失敗して壊してしまってもさほど苦になりません。試しに買ってみることにしました。
実際に「エアコン用ユニバーサルマルチリモコン K-1028E」を使ってみました。
K-1028Eを使うには、まず設定でリモコンに制御対象のエアコンを教えてやる必要があります。制御対象のエアコンはPanasonicのCS-J283CなのでPanasonicのメーカーコード選択すると、エアコン(CS-J283C)操作ができるようになりました。
K-1028EにはタイマーON/OFF、風向きなどの設定機能もありますが、それらの機能は無視して最低限必要と思われる冷房、暖房、停止、温度設定の機能のみをテストしました。一応問題なく動作しました。
リモコンをマイコンから操作することを考えた場合、K-1028Eのボタン構成には問題もあります。純正リモコンが「冷房」「暖房」「停止」のボタンから構成されるのに対して、K-1028Eは「MODE」「POWER」のボタンから構成されています。「MODE」ボタンは押すたびに、自動→冷房→除湿→送風→暖房→自動 と運転モードが循環しますのでマイコンからはリモコンが現在どの運転モードにあるのか知ることができません。同様に「POWER」ボタンは押すたびに運転と停止がトグルします。これもマイコン側はボタンを押したことが「運転」として働くのか「停止」として働くのか知ることができません。
「MODE」ボタンの問題については、マイコンから「MODE」ボタンを触らないとすることで対応したいと思います。「POWER」ボタンの問題については、一定時間後に室温に一定の変化が見られなければ「停止」として働いたと判断することで対応したいと思います。いずれも、かなり無理がある方法なので出来るだけ早い時期に根本的に解決したいと思いますが、今はとにかく動くものを出来るだけ早く作ることを優先させたいと思います。
マイコンからの制御方法については、単純に'H' 'L'の信号を出力することでリモコンのボタンを制御できればいいのですが、リモコン側のボタンはキーマトリクスになっているはずなので、単純にGPIOを直結というわけにもいきません。あれこれ考えている時間もないので、とりあえずはリレーを使うという原始的な方法で対応したいと思います。
まだマイコン側は白紙の状態ですが、先にリモコンをバラシて電池ホルダーと必要なボタンに外付けのプッシュスイッチを取り付けました。スイッチ基板にリレーを繋いでマイコンのGPIOに接続すればマイコンからの制御が可能となります。