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 過剰に日当たりの良い我が家の室内は、真夏ともなればまさに灼熱地獄。エアコンなしではとても暮らせない。そんな家で僕は、3匹の猫たちと暮らしている。

 梅雨が明けるころから、エアコンはほぼ一日中入れっぱなし。留守中も猫たちのために、エアコンを切るわけにはいかない。猫の生命に比べれば電気代なんて安い物である。

 夏が本格化するにしたがって、そんなエアコン環境に不安を抱くことも多くなってくる。台風シーズンの到来である。激しい雷雨により停電が発生すれば、エアコンは停止してしまう。そんな状況に対応するために「自動復帰機能」を備えたエアコンもあるらしいが、我が家のエアコンはそんな先進的な機能は搭載していない。

 これまでに、三度ほど留守中に雷による停電でエアコンが停止したことがあった。幸いにいずれのケースでも終日大気が不安定な状況で、気温が上がらず大事には至らなかったが大いに不安を感じた。

 2018年頃になると、IoT技術が進化して「スマートリモコン」なる製品が市場に出回るようになり、我が家のエアコン環境も少し改善された。屋外からスマホを使って、室内の気温を調べたりエアコンを(リモコン経由で)操作できるので心理的にはかなり安心感が向上した。季節の変わり目には、日中は冷房、夜間は暖房を稼働させるような運用もできるようになった。しかし、スマートリモコンを導入しても「停電問題」は解決することは出来なかった。WiFiルーターは停電後の電源復帰でプロバイダーからIPアドレスを取得し直すため、スマホが覚えているIPアドレスとWiFiルーターやスマートリモコンの実際のIPアドレスに不整合が生じることなどが原因と考えられる。

 WiFiルーターとスマートリモコンさえ生きていれば、屋外からのコントロールが切断されることはない(はず)… そこで今度はUPS(無停電電源システム)を導入してみた。UPSは内部にバッテリーを持ち、停電になるとバッテリーに蓄えられた電気から(一定時間)AC電源を供給することができる機器である。このUPSにWiFiルーターとスマートリモコンの電源を接続した。災害レベルの停電は別として、これで常識的な範囲の停電時間はカバーできるはずだ。

 UPSの導入により「停電問題」は解決することができた。しかし今度は、停電でもないのにWiFiルーターがつながらなくなるという問題が顕在化してきた。これは多分にプロバイダー側の問題と思われるのだが、月に数回、無視できないほどの頻度で発生する。いずれは(猫が熱中症を発症するなど)大変なことが起きそうだ。

 このような問題が発生したとき、人力で復旧するには、いったんWiFiルーターとスマートリモコンの電源を切って、1分弱程度の時間をおいて(リセットが確実に働くためのおまじない的な操作)WiFiルーターの電源を入れる。WiFiルーターが立ち上がるのをLEDの点滅などで確認してから、スマートリモコンの電源を投入。さらにスマホのスマートリモコンアプリを再起動する。それでもだめなら、スマホを再起動したり … これをパソコンやマイコンで自動化するのは、かなり複雑そうだ。

 そこでネットワークに依存しないスタンドアロンのバックアップシステムを構築することにした。

① 暑くなったら冷房を入れる
② 寒くなったら暖房を入れる
③ 適正な温度になったらエアコンを切る

 最低限のこ機能を実現できれば、猫の健康に危険が及ぶことはないだろう。