





【天竜川水系 支流マップ】辰野町の横川川から阿智村の横川川まで、上伊那・下伊那エリアの主要な釣り場を網羅。ダム湖の大物狙いや源流部イワナのポイント選びにご活用ください。
天竜川水系を象徴する二つの渓流魚
天竜川水系の渓流釣りを語るうえで、ぜひ知っておきたい二つの存在があります。それが、源流域に生きる「ヤマトイワナ」と、天竜川本流から支流へ遡上する「天竜差しアマゴ」です。同じ水系に暮らす渓流魚でありながら、その生き方は対照的です。
山の最奥部に残る「ヤマトイワナ」
ヤマトイワナは、天竜川水系に古くから生息してきたイワナです。冷たい水が流れる山深い源流域を生息場所とし、現在も一部の支流の最上流部にその姿を残しています。白い斑点が少なく、朱色や橙色の斑点が目立つ個体が多いのも特徴です。
ただし、天竜川水系にはニッコウイワナなどの放流も行われてきたため、そこで釣れるイワナがすべて在来のヤマトイワナというわけではありません。源流域に残る在来個体群は、天竜川水系本来の自然を今に伝える貴重な存在でもあります。
大河から支流へ差してくる「天竜差しアマゴ」
そのヤマトイワナとは対照的な生き方をするのが「天竜差し」です。アマゴの一部は冬の間を天竜川本流で過ごし、豊富な餌を食べて大きく成長します。そして水温が上昇する初夏から梅雨期になると、冷たい水を求めて支流へ遡上してきます。特に梅雨時の増水や濁りは魚が動くきっかけとなり、本流から支流へ差してくる大型アマゴとの出会いが期待できる時期となります。
伊那谷では魚が川を遡ることを「差す」と表現することから、こうしたアマゴは「天竜差し」と呼ばれてきました。中には全長40cmを超える個体も確認されており、支流の下流部では、この天竜川から差してくる大型アマゴとの出会いも期待できます。
源流へ向かえばヤマトイワナ、本流との出合いへ向かえば天竜差し。山の最奥部と天竜川本流という正反対の環境を利用する二つの魚が同じ水系に存在することは、天竜川水系の渓流釣りが持つ大きな魅力のひとつです。
横川川(辰野町)
中央アルプス最北端、標高2,296.8mの経ヶ岳を水源とする横川川(よこかわかわ)は、横川渓谷から辰野町を流れ、町の市街地で天竜川本流に合流する支流です。天竜川水系には阿智村にも同名の横川川がありますが、ここでは辰野町を流れる横川川を紹介します。
横川川は、下流から中流ではアマゴ、上流ではイワナ、さらに横川ダムでは大型のトラウトも狙えるなど、流域によって異なる釣りを楽しめるのが魅力です。途中には小横川と小野川という2つの支流が合流し、いずれも渓流釣りの対象となります。
横川川でアマゴを狙うなら、まず釣ってみたいのが宮所の赤い橋から上流のJRの鉄橋までの区間です。赤い橋は天竜川本流との合流地点から約1.9km上流にあり、このあたりからアマゴの魚影が安定してきます。
なかでも有望なのが、赤い橋から上流の堰堤までの区間です。良型のアマゴが出ることもあり、横川川を訪れたら一度は竿を出してみたいエリアです。堰堤は辰野町道60号線沿いにあり、すぐ近くにある「徳本水」(湧き水)が目印になります。






【天竜川支流・横川川(辰野町)の宮所で釣れた良型のアマゴ】
徳本水横の堰堤を越えると流れは次第に穏やかになりますが、この区間も時期によってはアマゴの魚影が濃くなります。さらに上流のJR鉄橋下にある小堰堤も魚が溜まりやすく、見逃せないポイントです。
JRの鉄橋より上流では魚影がいったん薄くなります。小野川との合流地点より上流にもアマゴはいますが、小型が中心となり、数もそれほど多くありません。
そのまま上流へ進み、横川ダム下流の集落付近まで来ると、再び魚影が見られるようになります。このあたりでは小型のアマゴが中心ですが、ときには良型のアマゴやイワナが姿を見せることもあり、下流部とは少し違った渓流釣りが楽しめます。






【横川ダム下流の集落付近で釣れた27cmの良型アマゴ】
さらに上流には横川ダム(よこかわ湖)があります。横川ダムには大型化したトラウト、いわゆる「スーパートラウト」も生息しており、渓流とはまったく性格の異なる釣り場になります。川を釣り上がってきた先に、大型トラウトを狙えるダム湖が現れるのも横川川の面白さのひとつです。
横川ダムより上流は、清流と深い森に囲まれた横川渓谷へと入っていきます。ここからはイワナが主なターゲットとなり、場所によっては30cmを超える尺イワナも狙える、横川川でも特に魅力のある渓流域です。下流のアマゴ釣りとは趣が大きく変わり、深い山あいを流れる渓流で良型のイワナを探す釣りが楽しめます。






横川ダム上流の横川川。樹林に囲まれた自然豊かな渓流が続き、イワナを狙えるエリアです。
また、この一帯には国の天然記念物に指定されている「横川の蛇石」があり、白い縞模様を持つ岩脈が川床を大蛇のように延びる、横川川を象徴する景観を見ることができます。
一方で、横川ダム上流はツキノワグマの生息域でもあります。蛇石周辺でも熊の目撃情報があるため、上流域へ入渓する際は熊鈴などを携行し、周囲の状況に十分注意してください。特に人の少ない早朝や山深い区間へ入る場合は、熊との遭遇を想定した対策が必要です。
小野川
辰野町北部の山地に源を発する小野川(おのがわ)は、歴史ある小野の町を流れ、JR信濃川島駅付近で横川川に合流する支流です。川に沿って延びるのは、現在の国道153号線と、かつて塩尻から飯田方面を結んだ三州街道(伊那街道)。その途中にある小野宿は、江戸時代初期には「初期中山道」の宿場としても使われた、古くから交通の要衝として栄えた場所です。現在も小野宿問屋をはじめ、旧街道の面影を伝える建物が残っています。
そんな歴史ある街道筋を流れる小野川は、流程の多くが道路や集落、田畑に沿った里川で、いわゆる山岳渓流のような派手な渓相ではありません。しかし、見た目の印象に反してアマゴの魚影は少なくなく、釣り人の姿も比較的少ないため、思いがけず良型に出会えることもある穴場的な支流です。
小野水処理センター付近では、浅く穏やかなチャラ瀬が続き、小型のアマゴが中心となります。周囲には畑が広がり、雨後のエサ釣りではミミズへの反応が良いことがあります。一方、川沿いには樹木の枝が張り出している場所もあり、竿を振れる場所を選びながら釣る必要があります。
畑の広がる区間を過ぎると、小野川は国道153号線へ近づき、川幅を狭めながら水深を増していきます。ここから上流の橋までは護岸が高く、川岸も藪に覆われるため入渓しにくくなりますが、左岸側の道路から川へ降りずに狙うことができます。一見すると何気ない道路脇の流れですが、こうした場所から良型のアマゴが出ることもあり、小野川らしい意外性を感じられる区間です。
小横川
横川川へ注ぐ小横川(こよこかわ)は、その名を集落にも残す小さな支流です。集落の中では水路のような細い流れとなりますが、その源をたどれば経ヶ岳山塊周辺の山地へ入り、上流には滝も現れる山深い渓流へと姿を変えていきます。アマゴを主体にイワナも生息し、小さな川ながら思いがけない良型が潜んでいるのが小横川の面白さです。
さらに上流の山あいには、ニジマス釣りを楽しめる「小横川ます池」もあります。天然の渓流釣りとは趣が異なりますが、小横川とマス類との関わりを感じさせるスポットのひとつです。
横川川との合流地点付近は、渓流釣り場として見ればやや単調で、一見するとそれほど魚がいそうには見えません。しかし、実際には見た目以上にアマゴの魚影が濃く、イワナが混じることもある、侮れない支流です。
下流域でまず狙いたいのが、国道153号線が小横川を横切る橋の上流にある落ち込みです。流れに変化が生まれて魚が付きやすく、良型のアマゴが期待できるポイントです。アマゴに混じってイワナが出る可能性もあります。






天竜川支流・小横川の丸山公園付近で釣れたアマゴ。






丸山公園付近の小横川。このエリアは深い緑に囲まれた細い流れが続きます。
橋からさらに上流へたどっていくと、川は集落の中を流れる細い里川へと姿を変えていきます。場所によっては水路のように川幅が狭まり、速い流れとなるほか、両岸から藪が迫って竿を出しにくい区間もあります。それでも流れの中には良型のアマゴが潜んでおり、狭い川ならではの意外な釣果に出会えることがあります。






辰野町の集落を流れる小横川。下流域では道路や民家に沿って細い流れが続く、里川らしい渓相となっています。
魚影はさらに上流まで続き、少なくとも名称不明の沢との合流地点から約500m上流までは良型魚を狙うことができます。小さな支流だからと通り過ぎず、落ち込みや深みなど、わずかな流れの変化を丁寧に探ってみたい川です。
沢川
沢川(さわがわ)は伊那・諏訪境にそびえる守屋山を源とし、箕輪町を西へ流れて天竜川に合流する支流です。中流には箕輪ダムがあり、ダム湖は「もみじ湖」の愛称で親しまれています。ダム下流では里に近い川となる一方、上流へ向かうにつれて山深い渓流へと変わっていきます。
渓流釣りではアマゴが中心となり、天竜川漁協による放流も行われています。川の規模はそれほど大きくありませんが、箕輪町周辺では身近に楽しめる渓流釣り場のひとつです。また、過去にはイワナが放流された実績もあります。
箕輪ダムより下流はアマゴの釣果実績が多く、沢川で手堅く渓流釣りを楽しむなら、まず狙ってみたい区間です。里に近く比較的入りやすい川なので、放流されたアマゴを中心にポイントを探っていく釣りが楽しめます。
一方、箕輪ダムより上流は次第に山深くなり、渓流魚が棲んでいても不思議ではない環境が続きます。ただし、この上流域については釣果情報が少なく、アマゴやイワナがどの程度生息しているのかはよく分かっていません。特にイワナについては放流実績こそあるものの、どの区間に定着しているのか、上流部で安定して狙えるほど魚影があるのかは不明です。
三峰川本流
三峰川は数多くの支流を抱えるだけでなく、本流そのものもアマゴやイワナを狙える渓流です。長谷から南アルプスの奥へ向かうにつれて山岳渓流の色合いが濃くなり、上流へ進むにつれてイワナの生息域となっていきます。特に黒川との合流点より上流は、三峰川本流の渓流釣りを代表するエリアとなります。
上流部は比較的開けた渓相を持つ区間もあり、新緑の頃からは瀬にもアマゴやイワナが姿を見せます。エサ釣りだけでなく、ルアーやフライで広い流れを探る釣りも楽しめる川です。一方、さらに奥へ進めば人里から遠く離れた本格的な山岳渓流となり、大型のイワナが期待できる源流釣りのフィールドへと変わっていきます。
三峰川の源流域で特筆されるのが、ヤマトイワナの存在です。三峰川上流では古くからヤマトイワナが知られ、荒川合流点から小横川合流点にかけての本流約9kmと支流の荒川では、在来イワナと放流イワナの分布を調べる学術調査も行われています。一方、この上流域では過去にイワナの放流も行われているため、三峰川で釣れるイワナのすべてを在来のヤマトイワナとみなすことはできません。源流域に生息するヤマトイワナや地域固有の個体群は、この水系が長い時間をかけて育んできた魚として大切に残していきたいものです。
ただし、三峰川の最源流部は気軽に入れる釣り場ではありません。上流へ続く林道には一般車両が入れない区間があり、奥を目指すほど長時間の徒歩によるアプローチが必要になります。最源流まで入るとなれば日帰りの渓流釣りとは性格が大きく異なり、登山や沢歩きの経験、十分な装備と余裕を持った行動計画が必要です。
アクセスの不便さはありますが、それだけに三峰川本流の上流には、支流とはまた違ったスケールの大きな渓流釣りが残されています。里に近いアマゴの流れから、イワナを狙う山岳渓流、そしてヤマトイワナが生息する南アルプス最奥の源流へ――上流へたどるほど川の表情と釣りの性格が変わっていくことが、三峰川本流の大きな魅力です。
藤沢川
藤沢川は、茅野市と伊那市の境にある杖突峠付近を源とし、高遠の藤沢地区を南へ流れて三峰川に注ぐ支流です。上流から中流にかけては中央構造線に沿うように流れ、長藤などの集落を抜けたのち西へ向きを変え、高遠ダムの下流で三峰川に合流します。
流域には集落や田畑、道路などが多く、山深い渓流というよりは里川の趣が強い川です。そのため一見すると釣り場として目立つ存在ではありませんが、釣り人の姿は比較的少なく、場所を選べば良型のアマゴに出会えるのが藤沢川の面白さです。
アマゴを狙うなら、中流の長藤周辺が中心となります。浅い瀬や護岸沿いの流れにも魚が付き、見た目以上の良型が潜んでいることがあります。一方、さらに上流へ進むと開けた堰堤の続く区間となり、この辺りでは魚影が薄く、釣り場としてはあまり期待できません。






天竜川支流・藤沢川の中流域(長藤周辺)で釣れた良型のアマゴ。
ところが、その堰堤地帯を越えて守屋神社付近まで上ると、川の表情は再び変わります。周囲の山が迫り、次第に渓流らしい流れとなって、小型ながらイワナの姿も見られるようになります。里川のアマゴ釣りから山間部のイワナ釣りへ、上流へたどるにつれて釣りの性格が変わっていくのも藤沢川の特徴です。






守屋神社付近の藤沢川上流部。中流の里川的な流れから一変して岩の多い渓流らしい姿となり、この辺りからはイワナも見られるようになります。
山室川
芝平峠周辺の山地を源とする山室川は、山あいの集落を抜けて三峰川へ注ぐ支流です。川沿いには民家や田畑が点在し、昔ながらの静かな山村の趣を残した風景の中を流れています。渓流釣りの対象としても知られ、シーズン中は釣り人の姿も比較的多いため、そのぶん魚が抜かれて釣果にむらが出やすい傾向があります。
川を上流へたどっていくと、やがて芝平(しびら)と呼ばれる山深い地域へ入ります。かつて芝平には、林業や石灰に関わる仕事を営む人々が暮らし、山室川の最上流部にまで集落が形成されていました。その後は過疎化が進み、1978年(昭和53年)には最後まで残った37戸が集団移転しています。現在の静かな山あいの風景からは想像しにくいものの、かつてはこの谷の奥深くまで人々の暮らしが続いていました。
山室川で釣れる魚はアマゴが主体です。現在も天竜川漁協によるアマゴの放流が行われており、上流までアマゴを狙うことができます。下流から上流へ進むにつれて、山村を流れる里川から次第に山深い渓流へと姿を変えていくのが山室川の特徴です。
基本的なアクセスは、高遠から山室川沿いの道を上流へたどるルートです。かつては茅野方面から林道を越えて芝平峠へ入ることもできましたが、山間部の林道は通行止めやゲートによる規制が行われることがあります。茅野方面から源流部へ向かう場合は、事前に最新の道路状況を確認する必要があります。
下流部は川幅が狭いうえに流れが速く、護岸や急な斜面によって川へ降りにくい場所もあるため、やや釣りにくい区間です。山室川らしい落ち着いた渓相を楽しみながら釣るのであれば、中流から上流にかけてじっくり探ってみたい川です。
小黒川
入笠山を水源とする小黒川は、入笠山と戸台を結ぶ林道に沿って、山間をほぼ直線的に流れ下る三峰川水系の渓流です。戸台まで下ると、甲斐駒ヶ岳を源とする戸台川と合流し、そこから下流は「黒川」となって、さらに三峰川へと注ぎます。
小黒川の大きな魅力は、手つかずに近い自然の中で渓流釣りを楽しめることです。川沿いの林道は基本的に一般車両の乗り入れができず、流域には民家もほとんどありません。人工物の少ない山深い谷に澄んだ流れが続き、静かな渓流を歩きながらイワナを探る釣りを楽しめます。
上流へ進むにつれて川幅は次第に狭まり、水量も少なくなっていきます。それでもイワナの生息域はかなり上流まで続き、入笠山の牧場付近でも小型のイワナを狙うことができます。こうした源流部の魚は限られた環境の中で世代をつないでいる可能性があるため、必要以上に持ち帰らず、できるだけリリースして魚を残していきたい場所です。






テイ沢が合流する付近の小黒川上流部。苔むした岩と深い緑に囲まれた澄んだ流れが続き、イワナを狙える山深い渓流となっています。






天竜川水系・小黒川の上流部(テイ沢合流地点付近)で釣れたイワナ。この付近まで来ると川幅は狭くなり、小型のイワナが主体となります。
戸台から源流部まで小黒川沿いに遡る場合は、歩くだけでも半日ほどを要します。釣りながら遡行すればさらに時間がかかるため、十分な時間と装備を確保して入りたい渓流です。そのぶん奥へ進むほど人の気配は遠ざかり、入笠山の懐でじっくり渓流釣りを楽しめるのが、小黒川ならではの魅力です。
一方、源流部だけを釣るのであれば、大阿原湿原から登山道をたどって小黒川へ入るルートもあります。大阿原湿原の木道を進み、そこからテイ沢沿いの登山道を下って小黒川へ向かうルートで、所要時間は30分ほどです。大阿原湿原を潤した水もテイ沢となって流れ下り、やがて小黒川へと合流します。険しい道ではありませんが、朝には湿原の草木が露に濡れ、沢沿いの山道を歩く区間もあるため、気軽な遊歩道というわけではありません。源流部だけを狙う場合には戸台から遡るより大幅に時間を短縮できますが、山歩きのできる服装と足元で入るのが安心です。






初秋の朝を迎えた大阿原湿原。湿原から流れ出した水はテイ沢に集まり、やがて小黒川へと合流します。また、大阿原湿原からテイ沢沿いの登山道をたどれば、小黒川の源流部へ入ることもできます。
小黒川を下流へたどると、戸台で「戸台川」と合流し、ここから「黒川」となります。入笠山から流れてきた小黒川と、甲斐駒ヶ岳から流れ下る戸台川がひとつになるため、小黒川上流とは川の規模も大きく変わります。黒川はそのまま山間を流れ、やがて三峰川へと合流します。
黒川、戸台川、小黒川の一帯は三峰川水系県立公園の一部にもなっています。周辺には中央構造線をはじめとする複数の構造線が走り、変化に富んだ地質や山岳景観を見ることができるのも、この地域の特徴です。入笠山の源流から小黒川を下り、戸台川との合流を経て黒川、そして三峰川へ――ひとつの水の流れとしてたどってみると、この水系のスケールの大きさを実感できます。
戸台川
戸台川は甲斐駒ヶ岳を源とし、戸台で小黒川と合流して黒川となる三峰川水系の渓流です。下流から中流にかけては大規模な砂防堰堤が連続し、その上流側には大量の砂礫が堆積しています。広い河原に浅く単調な流れが続き、場所によっては水が砂礫の中へ潜って伏流することもあります。釣果情報も非常に少なく、戸台川への明確な放流情報も確認できないことから、この砂防堰堤地帯は釣り場としてほとんど期待できない区間と考えた方がよいでしょう。
藪沢合流地点付近まで遡ると渓相は源流らしくなり、過去には上流域でイワナが釣れた記録もあります。ただし、戸台からここまで徒歩で向かうには数時間を要するうえ、その先の戸台川本流は流程が短く、藪沢などの源流部も決して規模の大きな沢ではありません。南アルプス林道を利用して上流側からアプローチする方法も考えられますが、長い流程を釣り上がれる川ではないため、アクセスにかける労力に見合うだけの釣果が期待できるかは不明です。
戸台川は、積極的に釣行先として選ぶというより、南アルプスの山岳地帯を流れる特殊な渓流のひとつとして捉えた方がよさそうです。源流域のイワナには興味を引かれるものの、釣果を目的に遠くから訪れるのであれば、ほかの三峰川水系の支流を選ぶ方が現実的でしょう。
大田切川
大田切川(おおたぎりがわ)は中央アルプスの木曽駒ヶ岳周辺を源流域とし、駒ヶ根市と宮田村の境を流れて天竜川に合流する支流です。上流は黒川、北御所谷、中御所谷、本谷などの山岳渓流からなり、中央アルプスから運ばれた大量の砂礫によって山麓に大きな扇状地をつくり、その扇状地を深く侵食して伊那谷を代表する「田切地形」を形成しています。
大田切川の中流にあたる駒ヶ根高原周辺は、川幅が比較的広く、開けた流れが続くため、ルアーやフライフィッシングにも向いた区間です。かつては発電所放水口から中央自動車道付近までの約4kmがキャッチ&リリース区間に指定され、イワナなどの放流も行われていました。現在はキャッチ&リリース区間ではありませんが、開けた渓相はフライロッドを振りやすく、フライフィッシングのフィールドとしても楽しめます。
渓流釣りではアマゴやイワナが対象となります。川幅が広く、花崗岩の大きな石が点在する豪快な渓相が特徴で、小さな里川とはひと味違った釣りを楽しめる川です。大田切川本流でもイワナの釣果実績があります。
上流へ向かうほど中央アルプスの山岳渓流らしさが濃くなり、特に上流を構成する黒川はイワナを狙える川として知られています。黒川は川幅こそ小さくなりますが、巨石の間を流れる変化に富んだ渓相となり、実際にイワナの釣果も確認されています。本流だけでなく、こうした上流域まで含めて楽しめることが大田切川水系の魅力です。
一方、大田切川は中央アルプスの急峻な山地から流れ下る急流です。上流域では谷も深くなるため、入渓点と退渓点をあらかじめ確認し、大雨による増水や天候の変化に十分注意して釣行したい川です。
中田切川
中田切川(なかたぎりがわ)は中央アルプスの空木岳を源とし、駒ヶ根市と飯島町の境を流れて天竜川へ注ぐ支流です。川幅はそれほど広くありませんが、大岩や落ち込みが次々と現れる渓流らしい流れが続きます。
釣りの対象となるのはアマゴとイワナです。面白いのは、イワナが山深い源流部だけの魚ではなく、かなり下流から姿を見せることです。過去の実績でも中央自動車道より下流でアマゴとともにイワナが釣られており、大岩の脇や落ち込みを一つずつ探りながら両魚種を狙えるのが中田切川の魅力です。川幅もそれほど広くないためポイントを絞りやすく、ルアーで釣り上がるにも面白い川です。
中央自動車道を越えて養命酒工場周辺まで遡ると、さらに渓流らしい雰囲気が濃くなります。この辺りから上流にもアマゴとイワナが生息し、背後には標高2,864mの空木岳へと続く中央アルプスの山々が迫ります。市街地からそれほど離れていない下流域から、次第に山岳渓流へと姿を変えていくのも中田切川の面白さです。
さらに上流へ進めば道路もなくなり、本格的な沢登りの世界となります。源流域にはイワナが生息するとされていますが、釣果情報は少なく、魚影の濃さもよく分かっていません。険しい源流まで無理に入り込まなくても、その手前までの区間でアマゴとイワナの両方を狙えるため、中田切川は中央アルプス山麓の渓流釣りを手軽に味わえる川といえるでしょう。
与田切川
与田切川(よだぎりがわ)は中央アルプスを源とし、飯島町を流れて天竜川へ注ぐ急流です。中央アルプスから流れ出す水と大量の砂礫が深い谷を刻み、大岩の転がる荒々しい渓相をつくり出しています。天竜川との出合いから山深い上流まで、川を遡るにつれて釣り場の性格が大きく変わっていくのも、この川の面白さです。
渓流釣りではアマゴとイワナが対象となり、天竜川漁協によるアマゴの放流も行われています。与田切川ではイワナが比較的下流から姿を見せており、アマゴとイワナの生息域が重なる区間もあります。
天竜川との合流点に近い最下流部には、上流とはまったく違った面白さがあります。ここで狙いたいのが、天竜川本流で大きく育ち、初夏から梅雨期を中心に支流へ遡上する「天竜差し」と呼ばれる大型アマゴです。特に本流の水温が上昇する時期は魚が冷たい支流へ動きやすく、梅雨時の増水や濁りも魚が動くきっかけとなります。与田切川でも天竜川から差してくる良型が期待でき、本流の状況を見ながら一発の大型を狙う面白さがあります。
下流部の橋(与田切大橋)から500mほど上流へ進むと堰堤が現れます。この付近は天竜差しを狙う合流点周辺とは釣り場の性格が変わりますが、良型のアマゴやイワナの実績があります。魚影が常に濃い区間というわけではありませんが、堰堤下に形成された深みや大岩の脇、落ち込みなどは見逃せないポイントです。数を追うというより、変化のある場所を丁寧に探りながら良型を狙いたい区間です。
さらに上流に進むと砂防堰堤が次々と現れ、与田切公園付近から御座松キャンプ場付近にかけては短い間隔で堰堤が連続するようになります。一見すると釣り場として期待しにくい場所に思えますが、与田切川では堰堤の間が単調な砂礫の河原になっているわけではありません。大小の石や大岩が転がり、河畔には緑も残るなど、渓流魚が身を寄せられる変化のある流れが続いています。堰堤下には深みや落ち込みも形成されており、アマゴやイワナの実績があります。堰堤下の大場所を一つずつ探りながら釣り上がるのも、与田切川の面白さのひとつです。
御座松キャンプ場周辺から上流は谷は次第に深くなり、中央アルプスの山岳渓流らしい雰囲気が濃くなり、イワナの生息域が続きます。ただし、上流部は場所によってはゴルジュ状となり、川通しで遡行できない区間もあります。
与田切川は中央アルプスから大量の土砂を運ぶ暴れ川でもあり、大雨や増水によって渓相が大きく変化することがあります。特に増水時は天竜差しが動く条件になる一方、与田切川そのものが増水しているときの入渓は危険です。入渓点と退渓点を確認し、その日の水量や天候を見ながら安全に楽しみたい川です。
小渋川
深い山々に囲まれた大鹿村へ入ると、それまで山に遮られていた視界が突然開け、深い山中にぽっかりと広い空間が現れます。どこか隠れ里を思わせる、不思議な風景です。この地には古い歴史があり、南北朝時代には後醍醐天皇の皇子・宗良親王がこの地に迎えられ、大河原を30余年にわたる活動の拠点としたと伝えられています。かつての秋葉街道(現在の国道152号とほぼ同じ道筋)もこの山間を通り、大鹿村は単なる山奥の集落ではなく、人や物が行き交う歴史の舞台でもありました。
その大鹿村を流れる小渋川(こしぶがわ)は、南アルプスの赤石岳を源とし、小渋ダムを経て天竜川へ注ぐ大きな支流です。南アルプスから大量の土砂が流れ込むため、本流には砂礫が広く堆積し、瀬や淵の変化に乏しい単調な流れに見える場所も少なくありません。しかし、そんな流れにもアマゴやイワナは生息しており、過去には良型の釣果実績もあります。
流域には鹿塩川や青木川など数多くの支流があり、本流とともにアマゴやイワナを狙える釣り場となっています。
小渋川本流
小渋川本流でまず目を引くのは、南アルプスの山中を流れる渓流とは思えないほど広い河原です。上流域には大規模な崩壊地が点在し、南アルプスから大量の土砂が供給され続けています。そのため河床には砂礫が広く堆積し、場所によっては浅い瀬が続く単調な流れとなっています。現在の渓相だけを見れば、アマゴやイワナの好釣り場とは思えない区間も少なくありません。
それでも本流ではアマゴやイワナの釣果があり、大鹿村中心部などで良型が姿を見せることもあります。広い川を漫然と探るより、流れが集まって水深が出る場所、大石の周囲、岸際の掘れ込み、支流との合流点など、魚が付きそうな変化を絞って探る釣り場と考えた方がよさそうです。
興味深いのは、昔の小渋川本流が現在とは少し違った釣り場だったらしいことです。1990年代末から2000年代前半ごろには、本流でイワナが非常によく釣れ、尺クラスも姿を見せたという当時の釣り人の記録が残っています。その後も小渋川では大型魚の実績があり、2010年代には尺を超えるアマゴやイワナが繰り返し記録され、40cmを超えるアマゴや40cm近いイワナも釣られています。少なくとも過去の小渋川が、大型のアマゴやイワナを育てるだけの力を持った川だったことは確かです。
一方、小渋川は出水のたびに大量の土砂が移動し、河床や流れが大きく変化する川でもあります。昔からこの川を知る釣り人からは、かつて釣れていた本流が砂礫で埋まってしまったという記録もあります。現在見られる広い砂礫河原と昔の豊富な釣果を考えると、長年の河床変化によって魚の付き場が少なくなった可能性も考えられます。過去の大型魚の実績をそのまま現在の魚影に結び付けず、条件のよい場所を拾っていく川と考えた方がよいでしょう。
さらに流れを遡れば、小渋川は南アルプスの核心部へと入り込んでいきます。しかし、上流へ行けば魚影が濃くなるとは限らず、砂礫の堆積した区間も長く続きます。かつては湯折から小渋川を何度も渡渉し、広河原から大聖寺平を経て赤石岳へ登る「小渋川ルート」が利用されていました。大鹿村の広大な砂礫河原から標高3,000mを超える赤石岳へと一本の流れが続いている――釣果とは別に、そのスケールの大きさも小渋川本流の魅力です。
鹿塩川
鹿塩川(かしおがわ)は、大鹿村北部から南へ流れ、小渋湖の上流約4kmの地点で小渋川へ合流する代表的な支流です。小渋川本流ほどではありませんが土砂の供給が多く、河床には砂礫が広く堆積し、流れを横切る堰堤も数多く設けられています。一方で、本流に比べると大小の石や岩が多く残り、大石の周囲や落ち込み、堰堤下の深みなど、渓流魚の付き場となる変化も随所に見られます。
鹿塩川ではアマゴとイワナの両方が狙えます。過去の実釣記録でも両魚種が確認されており、堰堤が連続する区間でも落ち込みごとに魚が釣れた記録があります。砂礫の多い川だからといって釣り場として期待できないわけではなく、むしろ堰堤下のプールや石裏、流れのぶつかる場所など、はっきりした変化を一つずつ探っていくのが鹿塩川の面白さです。
上流へ進むにつれて谷は次第に狭くなりますが、砂礫の堆積や堰堤は上流にも見られます。単純に上流へ行くほど魚影が濃くなる川とは言えず、その日の水量や河床の状態を見ながら、石の多い瀬や落ち込み、堰堤下など変化のある場所を選んで釣るのがよいでしょう。広い砂礫河原の中からわずかな変化を探す小渋川本流に対し、鹿塩川は砂礫の多い流れの中にも石や落ち込みが残り、狙う場所が比較的分かりやすい支流です。
コラム:鹿塩川と中央構造線
鹿塩川は、地質学的にも非常に興味深い場所を流れています。川に沿うように、日本列島を代表する大断層である中央構造線が延びているためです。中央構造線を境に性質の異なる岩石が分布し、鹿塩川はその地質境界と深く関わりながら谷を刻んでいます。
その様子を実際に観察できるのが、鹿塩川沿いにある「中央構造線北川露頭」です。ここでは中央構造線を境に異なる地質帯の岩石が接する様子を見ることができ、「大鹿村の中央構造線(北川露頭・安康露頭)」として国の天然記念物に指定されています。
また、大鹿村周辺では、地下深くで岩石が強い力を受けて変形した「鹿塩マイロナイト」と呼ばれる岩石も見られます。「マイロナイト」という名称自体は岩石の種類を表す一般名ですが、この地域のものは鹿塩の地名を冠して呼ばれ、中央構造線周辺の地質を知るうえで重要な岩石となっています。
渓流釣りをしていると何気なく目にする河原の石や切り立った谷も、こうした長い地殻変動と侵食の積み重ねによってつくられてきました。鹿塩川は、釣りだけでなく、川を歩きながら伊那谷を形づくった大地の歴史にも触れられる渓流です。
塩川
塩川(しおかわ)は、鹿塩川と小渋川の合流地点から約1.5km上流で鹿塩川へ注ぐ支流です。岩や落ち込み、深みなど変化のある流れが続き、アマゴとイワナの両方が生息しています。また、雨が降っても比較的濁りにくいのもこの川の特徴で、意外な良型が潜んでいることもあります。
鹿塩川との合流点からしばらくは堰堤が連続し、釣り場としてはあまり面白みのない区間が続きます。塩川らしい渓流釣りが楽しめるのはその上流で、「高橋」付近からは岩や瀬、落ち込みなど変化のある流れが続きます。アマゴとイワナが混棲し、良型のイワナやアマゴが狙えます。
塩川では下伊那漁協によるアマゴの放流も行われており、近年は自然産卵を促すための親魚放流も実施されています。






堰堤が連続する区間より上流の塩川で釣れた良型のイワナ。塩川ではアマゴとイワナが混棲し、上流部では良型のイワナも狙えます。






堰堤が連続する区間より上流の塩川。大小の岩や落ち込みが続く渓流らしい流れとなり、アマゴやイワナを狙えるポイントが点在しています。
青木川
青木川(あおきがわ)は、小渋川水系を代表するイワナ釣り場のひとつです。小渋川水系の主要な支流の中では堰堤が比較的少なく、自然な流れが長く残っているのも特徴です。鹿塩川と並んで昔から釣り人によく知られた川で、下流ではアマゴも混じりますが、主役はイワナ。比較的下流からイワナが姿を見せ、上流まで長い区間にわたって狙うことができます。
上青木より下流は河原が開け、場所によっては浅く単調な流れが続きます。一見すると魚の付き場が少ないように見えますが、この区間でもイワナやアマゴの釣果があります。漫然と広い瀬を探るより、岩の周囲にできる反転流や深み、落ち込みなど、平坦な流れの中に残されたわずかな変化を拾っていくのがポイントです。
上青木付近から上流へ進むにつれて谷は次第に狭まり、岩や落ち込みの目立つ渓流らしい流れへと変わっていきます。青木川はイワナ主体の川として知られ、過去の実釣記録でも岩陰や反転流、落ち込みなどからイワナが釣られています。さらに奥までイワナの生息域が続き、下流の開けた流れとは違った山深い渓流釣りを楽しめます。
昔から人気のある川だけに釣り人も多く、先行者の影響を受けやすいのも青木川の特徴です。過去には放流も盛んに行われており、アクセスのしやすさとイワナの実績から、小渋川水系では定番の釣り場として知られてきました。魚影だけを頼りにするより、流れの変化を丁寧に探りながら一尾ずつ拾っていくのが面白い川です。
なお、青木川沿いでは現在、リニア中央新幹線の伊那山地トンネル工事が進められており、上青木には青木川非常口が設けられています。工事車両の通行や工事ヤードなどの影響があるため、釣行前には大鹿村が公開している最新の道路・工事情報を確認しておきましょう。
片桐松川
片桐松川(かたぎりまつかわ)は、中央アルプスの念丈岳を源とし、松川町を東へ流れて天竜川へ注ぐ支流です。中央アルプスから運ばれた土砂によって形成された伊那谷西側の扇状地を流れ、上流域には風化した花崗岩が広く分布しています。土砂の流出も多いことから、古くから砂防事業が行われてきた川でもあります。釣りの対象となるのはアマゴとイワナで、下伊那漁協による放流も行われており、近年は自然産卵を促すためのアマゴ親魚放流も実施されています。
下流域
天竜川との合流点から続く下流域は、住宅地や田畑の間を流れる開けた里川です。大田切川、中田切川、与田切川などと同じように砂防施設が数多く設けられていますが、この区間で目立つのは落差の大きな堰堤というより床固工です。河床には下流から大小の石が多く、瀬や落ち込み、石裏のヨレなど変化のある流れが続きます。河畔の緑も多く、里川でありながら渓流らしい雰囲気を十分に残した好渓相です。
下流域ではアマゴが主なターゲットで、過去から釣果実績があります。床固工下の深みだけでなく、大石の周囲や流れが絞られる場所、瀬の中のわずかな深みなどにもポイントがあり、変化を一つずつ拾いながらアマゴを探っていける区間です。床固工が主体で魚が移動しやすい流れが続いていることも、片桐松川下流の面白いところです。
また、片桐松川は天竜川へ直接注いでいるため、本流で成長したアマゴが支流へ遡上する「天竜差し」も気になる存在です。片桐松川で天竜差しを直接確認した記録は見つかっていませんが、天竜川との合流点から魚が遡上しやすい流れが続くことを考えると、特に水量の増える時期には大型のアマゴを意識して狙ってみたい区間です。
中流域
さらに遡り、清流苑周辺から上流へ進むと、川は次第に山地の渓流らしい姿へ変わっていきます。岩や落ち込み、深みなどの変化が増え、アマゴに混じってイワナの割合も高くなります。過去の実釣記録でも、下流ではアマゴ主体だった釣果が、この辺りから上流ではイワナ主体へと変化しています。
上流域
清流苑周辺から上流へ進むと、片桐松川はイワナ主体の釣り場へと変わっていきます。過去の実釣記録では、清流苑から片桐ダムまでの区間ではアマゴよりイワナの釣果が多く、下流の里川区間とは魚種構成が大きく変化しています。岩や落ち込みなど狙い所も増え、片桐松川でイワナを狙うなら、まず注目したい区間です。
片桐ダムより上流にもイワナが生息していますが、ここから先は道路から離れ、次第に入渓や遡行の難しい釣り場となります。過去には魚影がそれほど濃くなく、小型が中心だったという実釣記録もありますが、源流へ向かえば岩壁やゴルジュ状の区間も現れ、釣り人の遡行技術によって到達できる範囲そのものが変わってきます。簡単に入れる場所だけを見て上流全体の魚影を判断することは難しく、その先にどんな流れとイワナが待っているのかは、片桐松川に残された未知の部分でもあります。
松川
松川(まつかわ)は、中央アルプスの念丈岳をはじめとする山々を源とし、飯田市を流れて天竜川へ注ぐ支流です。片桐松川と同じ念丈岳周辺に源を持ちますが、こちらは飯田市街を流れる川で、「飯田松川」と呼ばれることもあります。上流域は地形が険しく土砂の流出も多いため、中流には洪水調節などを目的とした松川ダムが築かれています。
天竜川との合流点から飯田市街を流れる下流部は、床固工や堰堤などの河川横断構造物が多く、場所によっては浅く単調な流れが続きます。しかし、この区間もアマゴの釣り場となっており、JR飯田線の鉄橋付近、その下流の新久米路橋付近、さらに久米路橋付近には渓流魚の放流場所が設けられています。2025年にも「飯田松川下流」としてアマゴの親魚が放流されており、渓相の見た目だけで釣り場としての期待度を判断できない区間です。
そこから上流の妙琴公園付近まで来ると、松川は次第に渓流らしい姿を見せるようになります。妙琴公園周辺は昔から知られた釣り場で、現在もアマゴとイワナの実績があります。2026年の解禁日にも両魚種が釣られており、飯田市街から近い場所で本格的な渓流釣りを楽しめる区間です。
妙琴公園から松川ダムへ向かうと次第に大石や巨岩が増え、瀬や落ち込み、岩周りの深みなどポイントの変化も豊富になります。アマゴを主体にイワナも混じり、下流の人工的な流れとは違って、岩の一つひとつを探りながら釣り上がる渓流釣りらしい区間です。増水すると川通しの遡行が難しくなる場所もあるため、水量には注意が必要です。
その上流にある松川ダムの上下には禁漁区が設定されており、ダムから上流200m、下流150mの区間では釣りができません。松川ダム上流域は地形が険しく、洪水時には大量の土砂が流れ込む水系でもあるため、河床や流れが変化しやすいのも特徴です。
禁漁区を越えて上流へ入ると、松川はいくつかの支流を合わせながら中央アルプスの奥へ延びていきます。松川ダムから約1.2km上流では、西側から南沢川が合流します。南沢川は流程約2kmの支流で、大平街道とおおむね並行するように流れています。ただし、街道と川の間には距離や高低差があり、場所によっては急斜面となっているため、大平街道から直接入渓するのは容易ではありません。一方、南沢川には川沿いに林道が延びており、大平街道よりも川との距離が近いため、入渓するなら林道側からの方が容易です。源流の先は分水嶺となり、その向こう側には阿智川水系の黒川が流れています。
南沢川との合流点から松川本流をさらに約2km遡ると、西俣川が合流します。西俣川(にしまたがわ)は約6kmの流程を持ち、安平路山方面へ向かって北へ延びる支流です。川沿いには林道が延びていますが、松川との合流点から約2km、「御影工業高校遭難之地」の石碑付近で林道は終わり、その先にも西俣川の流れは続いています。
西俣川は釣りの面でも見逃せない支流です。過去には40.5cmという大型イワナが釣られた記録があり、小さな支流という印象だけでは判断できないポテンシャルを持っています。林道終点より上流にもまだ長い流程が残されており、安平路山(あんぺいじやま)へ向かって延びるその奥は、松川水系でも特に気になるイワナのフィールドです。
一方、西俣川との合流点から松川本流を遡ると、流れはさらに北へ延び、松川堰堤の先から越田峠や念丈岳方面の源流域へ入っていきます。ここで林道は西俣川側へ分かれるため、本流沿いに道路はなくなり、その先は川通しで遡ることになります。ここからは釣りだけでなく遡行そのものの難易度が高くなり、釣り人の技量によって探れる範囲も大きく変わってきます。
飯田松川やその支流では、これまでにも尺を超えるイワナがたびたび記録されています。ただし、釣果記録の中には「飯田松川」あるいは「飯田松川支流」とだけ記され、具体的な場所までは分からないものもあります。それでも、西俣川では40cmを超える大型イワナが実際に確認され、古くから大型イワナを求めて松川源流へ入った釣行記録も残されています。松川の上流水系が良型イワナへの期待を持たせる場所であることは確かでしょう。
なかでも興味を引かれるのが、西俣川との合流点から道路を離れて続く松川本流の最上流域です。簡単に入れる場所の釣果だけで、この奥の魚影を判断することはできません。西俣川には40cmを超えるイワナの実績があり、その一方で、本流には道路もないまま念丈岳方面へ続く流れが残されています。そのさらに奥にどんなイワナが潜んでいるのか――過去の実績だけでなく、まだ探る余地そのものに魅力を感じさせるのが松川の最上流域です。
野底川
野底川(のそこがわ)は、中央アルプスの本高森山(ほんたかもりやま)周辺を源流域とし、飯田市上郷黒田を流れて松川へ合流する支流です。市街地を抜けて上流へ向かうと、河岸まで樹木が迫り、大石と落ち込みが連続する山地渓相へと変わっていきます。
川幅はそれほど広くなく、広い河原が開ける場所も少ないため、両岸の樹林に囲まれたやや狭い流れという印象です。河床には大小の石が多く、流れも速めで、瀬や落ち込みが次々と現れます。
山地渓相に入った野底川を上流へたどると、飯田市上郷黒田の「ポッポラの水」付近に渓流魚の放流場所があります。そこから約350m上流では西側から大島沢が合流し、さらに約350上流で、同じく西側から畑野沢が合流します。大島沢は地形図では水流が描かれていない小さな沢ですが、畑野沢はさらに西の山中へ流れを延ばす比較的大きな支流です。
放流場所はポッポラの水付近のほか、大島沢出会い付近、畑野沢出会い付近、さらに畑野沢出会いより上流の野底川本流にも設けられています。市街地から約3.5km上流まで入った山間部に放流場所が集まっていることから、この上流部が有望なエリアとなります。野底川本流には川に沿って林道も源流付近まで延びています。
野底川本流には幅員3m以上の道路が川に沿って源流付近まで続いています。また、大島沢と畑野沢にも沢沿いに幅員3m未満の道が延びています。
放流場所はポッポラの水付近のほか、大島沢出会い付近、畑野沢出会い付近、さらに畑野沢出会いより上流の野底川本流にも設けられています。市街地から約3.5km上流まで入った山間部にも放流場所が続き、野底川本流には川に沿って林道も源流付近まで延びています。かなり上流までアマゴを狙える水域となっているのが、この川の特徴です。
阿智川
阿智川(あちがわ)は、長野県下伊那郡阿智村を中心に流れ、飯田市南部で天竜川へ合流する河川です。中央アルプス南端から恵那山周辺にかけての山々から流れ出す多くの支流を集めながら東へ流れ、下伊那を代表する渓流釣り河川の一つとなっています。
阿智川水系の大きな魅力は、本流だけでなく支流の選択肢が非常に多いことです。清内路川、横川川、園原川、本谷川など、それぞれに異なる渓相を持つ川が集まり、水系全体が一つの大きな渓流釣り場を形づくっています。アマゴを中心にイワナも生息し、本流から山深い支流、さらにその源流部まで、場所を変えながら釣りを楽しめる水系です。
阿智川は上流部の河川名が少し複雑で、本流をさかのぼって阿智村から飯田市方面へ入ると、黒川と呼ばれる区間へと続いていきます。河川行政上はこの黒川を含めて阿智川として扱われるため、黒川は単純な支流というより、阿智川本流の上流部を構成する流れと考えると分かりやすいでしょう。
一方、阿智村西部では、恵那山や富士見台、南沢山などに囲まれた山地から横川川・園原川・本谷川などが流れ出し、園原周辺で次第に一つの流れへ集まっていきます。さらに清内路方面からは清内路川が加わるなど、阿智川は数多くの渓流を束ねながら天竜川へ向かいます。
下流の阿智川本流から上流の黒川、さらに各支流へとたどっていくと、同じ水系でありながら川の表情は大きく変わります。ここでは阿智川本流をはじめ、黒川、清内路川、横川川、本谷川について、それぞれの渓相と釣り場としての特徴を紹介します。
黒川
阿智川本流は、本谷川との合流点より上流では黒川(くろかわ)と呼ばれます。黒川の主な釣り場となるのは、下清内路で清内路川が合流する付近から上流です。基本的にはアマゴを狙う川ですが、飯田市大平周辺から上流はイワナの好釣り場として知られています。そのため、釣り人が単に「黒川」と呼ぶ場合、この大平周辺から上流のイワナ釣り場を指していることも少なくありません。
清内路川との合流点から約800m上流では、支流の小黒川が合流します。小黒川にもアマゴが放流されており、本流とともにアマゴを狙える支流です。さらに黒川を上流へたどると、大平街道沿いを西から流れてくる奥石沢が合流し、この沢も放流の行われる支流となっています。
黒川本流をさらにさかのぼり、飯田市大平より上流へ入ると、次第にイワナが主体の流れへと変わっていきます。この上流域では20cmを超える良型も十分に狙え、ヤマトイワナの特徴を持つ個体のほか、青みの強いニッコウイワナ系の特徴を持つ個体も見られます。同じ黒川の上流域で体色や斑紋の異なるイワナに出会えるのも、この川の興味深いところです。
黒川上流部へ直接向かうなら、大平街道(県道8号・飯田南木曽線)を利用するのが便利です。南木曽町側からも入れますが、距離が長いうえに曲がりくねった山道が続くため、黒川上流を目的とするなら飯田市側から向かう方がアクセスしやすいでしょう。
※阿智川本流は、行政上の区分などでは阿智村内を「阿智川」、飯田市側を「黒川」とする場合もあります。当サイトでは、下伊那漁協などで用いられている区分に従い、本谷川との合流点より上流を「黒川」として紹介しています。
清内路川
清内路川(せいないじがわ)は、阿智村清内路の谷あいを流れ、下流で黒川へ合流する支流です。川に沿うように国道256号が延び、清内路の山里を流れる比較的穏やかな渓流です。
川幅は広すぎず狭すぎず、平水時なら渡渉できる程度の水深の場所も多く、河床には大小の石が適度に転がっています。瀬の途中に小さな落ち込みや淵が次々と現れる穏やかな渓相で、険しいゴルジュや大滝を越えていくような川ではありません。入渓もしやすく、ポイントを一つずつ拾いながら気軽に釣り上がれるのが清内路川の魅力です。
狙いの中心はアマゴです。大場所で一発を狙うというより、石裏や瀬脇、小さな落ち込みなどを丁寧に探りながら、のんびりと釣り上がるのが似合います。上流部ではイワナが釣れることもあり、奥へ進むにつれてアマゴとは違った魚との出会いも期待できます。
清内路は、古くから伊那谷と木曽谷を結ぶ街道筋として人々が行き交った山里でもあります。江戸時代から受け継がれてきた「清内路の手づくり花火」でも知られ、現在も住民自身が火薬づくりから携わる独特の奉納花火が伝承されています。享保16年(1731年)にはすでに奉納花火の記録が残るなど、山あいの静かな集落の中に古い文化が息づいています。
清内路川に沿って走る国道256号も、この川へ向かう楽しみの一つです。清内路の山々を正面に眺めながら、山あいへ向かって伸びる道を走るのは爽快で、そのまま上流へ進んで清内路トンネルを抜ければ南木曽町。かつて人々が峠を越えて伊那谷と木曽谷を往来した土地を、現在は車で走り抜けることができます。渓流釣りだけでなく、清内路の山里の風景やドライブも一緒に楽しみたくなる川です。






阿智村・横川川の集落より下流。樹林に囲まれた自然豊かな渓流で、大小の石が点在する瀬が続く。
集落から上流には川に沿って林道が延び、さらに山中へと流れを追うことができます。上流でも水量が残っている区間ではアマゴが生息し、トウトク沢付近の源流域まで魚の姿を見ることがあります。かつてはこの源流部でイワナも釣れましたが、近年はほとんど姿を見なくなり、現在は源流近くまでアマゴが中心の川という印象です。
上流へ向かうほど川幅は狭くなりますが、林道終点付近では意外に頭上が開けた場所もあり、毛バリでも狙うことができます。大物を求めて険しい源流へ分け入るタイプの川というより、集落周辺から上流にかけて、小さなポイントを拾いながらアマゴを探して釣り上がるのが横川川らしい楽しみ方です。
コラム:古代東山道と園原の里 ― 神坂峠を越えた旅人たち
園原は、古代に都と東国を結んだ東山道の難所・神坂峠の東麓に位置する山里です。標高約1,595mの神坂峠は、かつて美濃国と信濃国を結ぶ重要な峠道でした。険しい山道を越えてきた旅人たちにとって、園原は峠の麓に広がる大切な土地だったことでしょう。
峠の頂上付近にある神坂峠遺跡からは、土器や石製模造品などが数多く出土しています。これらは旅人たちが道中の安全を願って峠の神に捧げたものと考えられており、遺跡は国の史跡に指定されています。園原には現在も神坂神社があり、境内の巨木や歌碑が、この土地の長い歴史を伝えています。
園原はまた、古典文学に登場する「帚木(ははきぎ)」の里としても知られています。遠くからは見えるのに、近づくと姿が見えなくなると伝えられた不思議な木で、『源氏物語』にもその名が登場します。園原は古くから歌枕として都の人々に知られ、数多くの文学作品にその名を残してきました。現在も園原には、昭和33年(1958年)の台風で折れた帚木の一部が残されています。
園原には神坂神社や帚木など、歴史と文学にゆかりのある場所が点在しています。東山道・園原ビジターセンター「はゝき木館」では、この土地の歴史や文化に関する展示も行われています。園原川への釣行の折には、少し足を延ばして、古代の旅人たちが越えた峠と園原の歴史を訪ねてみるのも面白いでしょう。
本谷川
本谷川(ほんたにがわ)は、天照大神の胞衣(えな)を納めたという伝説が残る恵那山周辺の山地を源流とし、園原を流れて阿智川に合流する渓流です。下流から上流へと渓相が大きく変化し、アマゴとイワナの両方を狙える川です。
下流部は白い石が目立つ明るい渓相で、瀬や落ち込みが連続します。特に天魚パークランド周辺は、アマゴとイワナを狙える代表的な釣り場です。頭上が開けた場所も多く、エサ釣りはもちろん、ルアーやフライ、テンカラなど、好みの釣法でポイントを探れます。
天魚パークランドの約500m上流で川は大きく向きを変え、北東方向から流れ下るようになります。ここからは両岸に樹林帯が迫り、下流の明るい流れとは対照的な、山深い渓相が続きます。川沿いに道は延びていますが、川との高低差が大きい場所も多く、入渓できる地点は限られます。魚は下流寄りではアマゴも混じりますが、上流へ進むにつれてイワナが主体となります。
この上流域の入渓拠点となるのが、広河原登山口駐車場付近です。比較的入渓しやすく、上流の堰堤までは落ち込みが連続する好渓相。20cmを超えるイワナも狙える区間です。両岸に樹林帯が迫る場所もありますが、川の上まで枝が覆いかぶさるほどではなく、エサ釣りに加えてルアーやフライ、テンカラも楽しめます。
堰堤を越えると、約300mにわたって小石が堆積した平坦な河原が続きます。流れの変化は乏しくなりますが、小型のイワナが釣れる区間です。その先は再び両岸に樹林帯が迫る渓相となり、約550mにわたって山間の流れが続きます。この区間は道路との高低差が大きいため、無理のない遡行を心がけたいところです。
樹林帯に囲まれた区間を抜けると、再び堰堤が現れます。その上流では河原が広がり、開けた渓相へと変化します。ここには西側から赤なぎ沢が合流し、合流点周辺とその下流はイワナの好ポイントとなっています。
山間部へ入ってからの道は幅が狭く、路面状態の悪い場所も少なくありません。谷側の路肩と斜面の境界が分かりにくい場所もあるため、通行には十分な注意が必要です。また、道路が川沿いを通っていても容易に入渓・脱渓できるとは限りません。上流を目指す場合は、事前に道路の通行状況を確認しておきましょう。
コラム:恵那山と天照大神の胞衣伝説
本谷川の源流域にそびえる恵那山(標高2,191m)は、長野県阿智村と岐阜県中津川市の境に位置する日本百名山の一つです。古くから信仰の対象とされ、その名前には天照大神の誕生にまつわる伝説が残されています。
伝説によれば、伊邪那岐(イザナギ)と伊邪那美(イザナミ)の夫婦神が神坂峠を越えて美濃の地に入った際、天照大神が誕生し、その胞衣(えな)を山に納めたといいます。「胞衣」とは、胎児を包む膜や胎盤のこと。この伝説から「胞衣山」と呼ばれ、やがて「恵那山」になったと伝えられています。
恵那山の南西側に位置する岐阜県中津川市阿木には、天照大神の胞衣を洗ったと伝わる「血洗池」の跡が残されています。また、同市神坂の「湯舟沢」には、天照大神の産湯にまつわる伝説が伝えられています。恵那山の山頂には恵那神社の奥宮が鎮座し、この山は古くから信仰の対象となってきました。
管轄漁協
天竜川水系では、長野県から愛知県・静岡県にかけて、河川や区間ごとに管轄する漁業協同組合が異なります。主な漁協とその管轄区域、対象となる渓流魚を紹介します。
| 地域 | 漁協 | 主な対象河川・区域 | 主な渓流魚 |
|---|---|---|---|
| 長野県 | 天竜川漁協 | 辰野町・伊那市など上伊那地方の天竜川本支流。横川川、三峰川など | アマゴ、イワナ、ニジマス |
| 長野県 | 下伊那漁協 | 飯田市・阿智村など下伊那地方の天竜川本支流。阿智川、飯田松川など | アマゴ、イワナ、ニジマス |
| 長野県 | 浪合地区 | 和知野川の阿智村浪合地区 | アマゴ、イワナ |
| 長野県 | 平谷村地区 | 平谷村内の平谷川とその支流 | アマゴなど |
| 長野県 | 遠山漁協 | 遠山川水系 | アマゴ、イワナ |
| 愛知県 | 大入川漁協 | 大入川上流とその支流 | アマゴ、ニジマス |
| 愛知県 | 振草川漁協 | 大千瀬川の愛知県側など | アマゴ |
| 静岡県 | 浦川非出資漁協 | 大千瀬川の静岡県側 | アマゴ |
| 静岡県 | 佐久間ダム非出資漁協 | 佐久間ダム周辺の天竜川本支流 | アマゴ、ニジマス |
| 静岡県 | 気田川漁協 | 気田川、熊切川、杉川など | アマゴ、ニジマス |
| 静岡県 | 阿多古川漁協 | 阿多古川、西阿多古川など | アマゴ、ニジマス |
| 静岡県 | 天竜川漁協 | 秋葉ダムより下流の天竜川本支流 | アマゴ、ニジマス |
※掲載した魚種は管轄区域内で確認されている主な渓流魚であり、すべての河川で釣れることを示すものではありません。また、漁業権の区域や遊漁規則は変更される場合があります。釣行前には各漁協の最新情報を確認してください。
釣果状況
2010年06月12日 小横川の状況
小横川の上流を探ってみました。川幅の狭い川なので、どこまで車を乗り入れられるのか多少の心配も感じましたが、民家は結構上流まで続き、川沿いにはしっかりとした車道が走っていました。
集落の始まる辺りから入渓。木が張り出して少し釣りにくい所もありましたが、集落までの間で数匹のアマゴが釣れました。魚影は決して少なくありません。






天竜川支流・小横川の丸山公園付近で釣れたアマゴ。変化に富んだ渓相が続く区間では魚影も見られ、この日は集落までの間で数匹のアマゴが釣れました。(2010年6月12日)
渓相はプールがあったり、細い急流があったり、瀬があったり変化に富んでいます。遡行の途中、対岸に猿の姿を見かけることもありました。他の釣り人の姿は見られなかったので、注目度の低い、あまり釣り人が入らない川なのかも知れません。
2010年06月06日 横川川(辰野)の状況
横川ダム下流の集落の終点付近にあるバスの転回スペース横の橋から入渓しました。橋より下流では魚の反応がありませんでしたが、上流ではやや小型のイワナ1尾とレギュラーサイズのヤマメ5尾が釣れました。






天竜川支流・横川川(辰野町)の横川ダム下流に広がる渓相。集落の終点付近にあるバスの転回スペース横から入渓し、上流ではイワナとヤマメが釣れました。(2010年6月6日)
2010年05月30日 小野川の状況
小野川の横川川合流地点から、1kmほど上流の浄水場横から上流を餌釣りで探ってみました。
しばらく続く瀬では、左岸に畑があるせいか、餌はブドウムシよりミミズの方が好反応。小型のアマゴが多く釣れました。
さらに上流の橋に近づくころには、川は少し深く、ゆったりとした流れになっていて、ここでは良型のアマゴが釣れました。
2010年05月22日 横川川(辰野)の状況
横川川(辰野町)の宮所の堰堤下流から入渓。ここから釣り下ってみました。 まず、国道153号線の橋の下流で、最初の良型のアマゴが釣れました。幸先の良いスタートです。






天竜川支流・横川川(辰野町)の宮所で釣れた良型のアマゴ。堰堤下流から釣り下ると、国道153号線の橋周辺や大小のプールで良型のアマゴが次々と姿を見せました。(2010年5月22日)
川を下るにしたがい、流れは早くなります。水深の浅い所も多くなりますが、丹念に探るとここでも良型のアマゴが釣れました。
国道の橋の下流50mほどの所で川は大きくカーブします。ここより下流は大小のプールが続きます。最初の大きなプールで2匹の良型アマゴが釣れました。
さらに下ると流れの早い落ち込みが連続し、県道187号線の橋に出会います。橋の下流はゴルジュ状の地形となっていて、大きなプールがあります。時間をかけて粘ってみましたが、残念ながらこの日はここでの釣果は得られませんでした。
2010年05月16日 横川川(辰野)の状況
横川川(辰野町)の宮所の堰堤の上流から鉄橋下までを探ってみました。流れの緩いところで10数匹のアマゴが釣れました。型は小型傾向ですが魚は多いようです。
2010年05月15日 横川川(辰野)の状況
横川ダム下流の集落のバスの方向転換場スペース横の橋から、横川川に入渓しました。
橋の下流は魚の付きそうな渓相(瀬)ですが、この日は無反応。
橋の上流右岸側には40~50cm程度の水深の緩い流れのプールがあって、ここで27cm程度の良型のアマゴが釣れました。






長野県辰野町を流れる天竜川支流・横川川の横川ダム下流で釣れた27cmの良型アマゴ。橋の上流にある流れの緩いプールを探ったところ、この日一番の良型が姿を見せました。(2010年5月15日)
さらに上流は大小の石の転がる瀬が続きます。瀬を丹念に探ると、型は小ぶりですがアマゴが結構釣れました。
その後、国道153号線に横川川が接する辺り(宮所)に移動。ここには少し大きな堰堤があり、堰堤下を探ってみました。初めて入渓するポイントであまり期待していなかったのですが、魚影は濃いです。アブラハヤに混ざって良型のアマゴが釣れました。
2009年09月30日 小黒川の状況
天竜川支流の小黒川を今シーズン最後の釣り場とすることにしました。大阿原湿原の駐車場に車を停めて、湿原からテイ沢沿いに登山道を下り小黒川に出ました。この間の所要時間は30分程度。そこからさらに30分ほど下流まで下った地点から釣り始めました。
型は小型しか出ませんでしたがイワナが好調でした(すべてリリースしました)。
10尾ほど釣れたところで納竿。満足のいく型は出ませんでしたが、今シーズンの締めくくりの釣りが、悲惨な結果とならずに良かったです。






天竜川水系・小黒川の上流部で釣れたイワナ。この日は小型中心ながらイワナの反応は良く、10尾ほどの釣果でシーズン最後の釣行を締めくくりました。(2009年9月30日)
2009年08月31日 藤沢川の状況
藤沢川中流域の、浅いチャラ瀬の護岸の際で良型のアマゴが釣れました。藤沢川は、近くの山室川や小黒川などに比べると、人工物も多く釣趣に欠けるところもありますが、魚は少なくない川です。






天竜川支流・藤沢川の中流域で釣れた良型のアマゴ。浅いチャラ瀬の護岸際を探ったところ、フライに良型がヒットしました。(2009年8月30日)
2009年09月05日 小黒川源流部の状況
大阿原湿原の駐車場に車を停めて、湿原を経由して小黒川に向かいました。湿原の草に付いた朝露で、すぐに足下はずぶ濡れ。ウェーダーを履いたまま移動した方が良かったみたいです。
以前、この湿原を散策していたとき、この沢(テイ沢)に魚影を見たことがありました。そこで、この沢も少し探っりながら小黒川へと下っていきました。しかし、魚の反応があったのは小黒川合流地点のすぐ上流のみでした。
その後、テイ沢合流地点から少し下って小黒川に入りました。林道側がコンクリートで補強されていたりしますが、川はほとんど自然の渓相を保っています。
ほぼ第一投目で、さっそく小型のイワナが釣れました。その後も調子よくイワナが釣れ続けました。さらに上流には牧場があって、小黒川の最源流部はその牧場の中に続いています。以前は牧場内でも釣れたらしいのですが、今は金網で囲われ、牧場に入ることはできません。






天竜川支流・小黒川の上流部でフライにヒットしたイワナ。自然の渓相が残る区間では、入渓してすぐにイワナが釣れ、その後も魚の反応が続きました。(2009年9月5日)
2003年09月13日 塩川の状況
上流部の高橋という名前の橋の下流からに入渓しました。高橋のすぐ上流で小型のイワナが釣れました。さらに上流に行くと川底に ブロックが入るようになり、20~30m間隔で堰堤が入るようになります。堰堤によって魚の往来は妨げられますが、それでもときどき良型の魚影を見ることがあり、この日もウェットフライで25cmクラスのイワナが釣れました。この川は雨天時にも濁りにくいようです。






塩川上流部でウェットフライにヒットした25cmクラスのイワナ。堰堤が連続する区間は、良型の魚影を期待できるポイントです。
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参考文献
1.天竜川漁業協同組合「天竜川・三峰川の漁場情報」
遊漁券販売サービス「FISHPASS」に掲載された天竜川漁業協同組合の漁場紹介。2024年12月25日更新。天竜川水系におけるヤマトイワナの生息状況と、天竜差しの存在を裏付ける中心的な資料です。
● 三峰川、横川川、太田切川、中田切川、与田切川など、天竜川上流域の主要支流
● 各支流の上流部にイワナが生息し、一部の源流域では絶滅危惧とされるヤマトイワナが確認されていること
● 中流部にはアマゴが生息し、一部の小河川では在来のアマゴも確認されていること
● 「天竜差し」と呼ばれる大型魚を対象とした本流釣り
● 天竜川・三峰川の漁場情報(FISHPASS)
本資料は、天竜川水系の一部源流域にヤマトイワナが生息することを確認する根拠となります。ただし、個々の河川に生息するイワナの遺伝的な在来性まで証明する資料ではありません。
2.つり人編集部(2025)「ノベザオ一本で挑む本流の遡上トラウト【長野・天竜川】」
『つり人オンライン』2025年6月15日公開。天竜川本流における大型アマゴなどの釣行記録と、天竜差しの特徴を紹介した記事です。
● 天竜川本流で成長した大型アマゴが支流へ遡上すること
● 支流への産卵遡上と「天竜差し」という呼称
● 本流やダム湖で成長した大型魚の釣り場と釣期
● 天竜川本流における大型アマゴ、イワナ、ニジマスの釣り
● 記事全文(つり人オンライン)
天竜差しの生態や釣期を考える際の参考資料です。なお、釣行記録に基づく記事であり、個体の移動経路や越冬場所を追跡した学術研究ではありません。
3.吉村政治(2025)「天竜川の尺上アマゴ(長野県天竜川)」
がまかつ公式サイト『釣行レポート』2025年7月10日公開。2025年6月20日に長野県伊那谷の天竜川で行われた釣行の記録です。
● 天竜川本流で全長34cmと37cmのアマゴを釣獲
● 本流やダム湖で成長した大型アマゴと天竜差しの関係
● 初夏の天竜川本流における大型アマゴの釣果
● 天竜川の尺上アマゴ(がまかつ)
天竜川本流に大型アマゴが生息し、初夏に釣獲されていることを示す実釣記録です。ただし、釣獲された個体の過去の移動経路は確認されていません。
4.伊那谷ねっと(2016)「天竜川で大きなアマゴを 本流に初めて放流」
2016年11月25日公開。天竜川漁業協同組合が実施した、本流へのアマゴの試験放流を報じた地域ニュースです。
● 天竜川漁協による本流へのアマゴの試験放流
● 放流魚の追跡を目的とした脂ビレの切除
● 天竜川漁協が伝える、かつて海から遡上していた大型アマゴと「天竜差し」の歴史
● 記事全文(伊那谷ねっと)
天竜差しという呼称の歴史と、天竜川本流におけるアマゴの放流事業を確認する資料です。かつて海から遡上した大型アマゴについては漁協の説明を報じたものであり、現在の天竜差しが海から遡上していることを示すものではありません。
5.天竜川本流における大型アマゴの釣獲記録(2019)
個人釣行ブログに掲載された、天竜川本流での全長40.5cm、体重870gのアマゴの釣獲記録です。
● 天竜川本流で全長40.5cmの大型アマゴを釣獲
● 釣獲者によれば、漁協で記録を確認
● 釣獲記録(個人ブログ)
本文の「全長40cmを超える個体」という記述を補足する実釣記録です。ただし、個人による報告であり、漁協が公表した公式記録を直接確認したものではありません。また、この個体が支流へ遡上したことを証明する資料ではありません。
6.文化庁「大鹿村の中央構造線(北川露頭・安康露頭)」
『国指定文化財等データベース』。北川露頭と安康露頭が国の天然記念物に指定された地質学的な価値を説明する、中心的な資料です。
● 中央構造線が西南日本の内帯と外帯を分ける重要な地質境界であること
● 大鹿村の北川露頭・安康露頭では、中央構造線を境に異なる地質帯の岩石が接していること
● 鹿塩マイロナイトの形成と中央構造線の初期の断層活動との関係
● 国指定文化財等データベース(文化庁)
7.大鹿村中央構造線博物館「北川露頭標本」
北川露頭の地質構造と中央構造線の活動史を詳しく解説した資料です。鹿塩川と中央構造線の位置関係、断層を挟んで接する岩石の違いを確認できます。
● 鹿塩川が蛇行して中央構造線を横切るため、川沿いの崖に断層の断面が現れていること
● 中央構造線を境に、領家変成帯の花崗岩と三波川変成帯の結晶片岩が接していること
● 地下深部で形成されたマイロナイトと、その後の断層活動で形成された破砕岩の違い
● 北川露頭から採取した実物標本を博物館で展示していること
● 北川露頭標本の詳細解説(大鹿村中央構造線博物館)
なお、現在の北川露頭では、風化や崩落した岩石によって地質境界の一部が覆われています。断層の構造を詳しく観察するには、博物館に展示されている実物標本も参考になります。
8.大鹿村中央構造線博物館「原田豊吉と『鹿塩片麻岩(マイロナイト)』」
鹿塩マイロナイトの研究史と形成過程を解説した資料です。「鹿塩」という地名が地質学上の名称に用いられるようになった経緯も紹介されています。
● 原田豊吉による「鹿塩片麻岩」の命名
● 杉健一による1935年の研究と、断層運動によって形成されたマイロナイトという解釈
● 地下深部の高温環境で、鉱物が再結晶しながらゆっくりと変形するマイロナイトの形成過程
● 鹿塩マイロナイトと中央構造線の初期の活動との関係
● 原田豊吉と鹿塩片麻岩(大鹿村中央構造線博物館)
マイロナイトは特定の鉱物組成を持つ岩石名ではなく、地下深部で強い変形を受けて形成された断層岩の一種です。鹿塩マイロナイトは、大鹿村周辺で見られる代表的なマイロナイトを指します。
9.大鹿村中央構造線博物館「北川露頭(大鹿村)」
鹿塩川沿いにある北川露頭の位置や地質的特徴を紹介した現地観察案内です。
● 北川露頭は長野県下伊那郡大鹿村鹿塩北川に位置すること
● 国道152号の分杭峠から南へ約3kmの地点にあり、鹿塩川の北東岸に露出していること
● 中央構造線がほぼ南北方向の谷に沿って延びていること
● 北川露頭(大鹿村中央構造線博物館)
10.文化庁「神坂峠遺跡」
『文化遺産オンライン』。神坂峠遺跡の歴史的価値と発掘調査の成果を解説した、国の史跡指定に関する資料です。コラムに記載した神坂峠の標高、古代東山道との関係、峠で行われた祭祀を裏付ける中心的な資料です。
● 神坂峠は標高1,595mに位置し、古くは信濃坂とも呼ばれ、美濃国と信濃国を結ぶ古東山道の要所だったこと
● 1951年の発掘調査に続き、1967年・1968年にも阿智村が調査を実施したこと
● 石製模造品や土器など、祭祀関係の遺物が1,300点余り出土したこと
● 出土品は、旅人が峠越えの安全を願って神に捧げたものと考えられていること
● 1981年9月4日に国の史跡に指定されたこと
● 神坂峠遺跡(文化遺産オンライン)
出土品には、剣形・鏡形・馬形などの石製模造品のほか、須恵器や緑釉陶器などがあります。古墳時代から古代・中世にかけて、神坂峠が峠神祭祀の場として利用されていたことを示す重要な遺跡です。
11.東山道・園原ビジターセンター はゝき木館(2026)「園原とは」
2026年6月5日公開。古代東山道と園原の歴史、古典文学との関係、地域に残る史跡などを紹介した公式資料です。
● 園原は長野県阿智村の西端、岐阜県との県境に位置する集落であること
● 古代・中世には東山道が通り、その難所である神坂峠の麓に位置していたこと
● 『源氏物語』『枕草子』『万葉集』『今昔物語』などに園原が登場すること
● 神坂神社、帚木、駒つなぎの桜、月見堂など、歴史や文学にゆかりのある場所が残ること
● 園原とは(はゝき木館)
園原が古代の交通の要衝であるとともに、都人にも知られた文学ゆかりの土地であったことを裏付ける資料です。
12.阿智村(2021)「美しく輝く未来へ ― 春草の『ははき木』原本を探しています」
阿智村公式ウェブサイト、2021年9月16日更新。園原に残る帚木の現状と、日本画家・菱田春草が描いた帚木の絵について紹介した村長室の記事です。
● 園原の帚木が『源氏物語』にも登場すること
● 現在の帚木は滝見台の少し上にあり、1958年の台風によって折れた姿のまま残されていること
● 菱田春草が1901年に『伊那名勝誌』の挿絵として帚木を描いたとされること
● 春草が描いた帚木の絵の複製が、はゝき木館にあること
● 美しく輝く未来へ(阿智村公式サイト)
本文の「昭和33年(1958年)の台風で折れた帚木の一部が残されている」という記述を裏付ける資料です。帚木は、園原が古くから文学の舞台として知られてきたことを伝える史跡でもあります。
13.阿智村全村博物館協会「東山道・園原ビジターセンター はゝき木館」
阿智村全村博物館協会が公開する施設紹介。園原の歴史・文化を紹介するビジターセンターの展示内容と、周辺の史跡を確認するための資料です。
● はゝき木館は、古代東山道と園原の歴史・文化を紹介する資料館兼案内所であること
● 常設展示のほか、企画展や地域を巡るツアーなどを実施していること
● 神坂神社、帚木、月見堂など、園原の史跡や歌碑を巡る際の案内拠点となっていること
● 東山道・園原ビジターセンター はゝき木館(阿智村全村博物館協会)
● はゝき木館公式サイト
園原川への釣行と合わせて、神坂神社や帚木などの歴史的な見どころを訪れる際の参考資料です。
14.阿智村(2024)「阿智セブンサミット」
阿智村公式ウェブサイト、2024年11月1日更新。恵那山の標高や所在地、登山ルートなどを紹介した公式資料です。
● 恵那山の標高は2,191mであること
● 恵那山は長野県阿智村と岐阜県中津川市の県境に位置すること
● 日本百名山の一つであり、阿智村を代表する山であること
● 長野県側の広河原登山口や岐阜県側の神坂峠登山口から登山できること
● 阿智セブンサミット(阿智村公式サイト)
本文の「恵那山は標高2,191mで、阿智村と中津川市の境に位置する日本百名山」という記述を裏付ける資料です。
15.恵那神社「由緒・由来」
恵那神社公式ウェブサイト。天照大神の誕生にまつわる恵那山の胞衣伝説と、神社の由緒を紹介する資料です。本コラムの伝説に関する中心的な参考資料です。
● 伊邪那岐・伊邪那美の夫婦神が神坂峠を越えて美濃の地に入り、天照大神を産んだという伝承
● 天照大神の胞衣を山に納めたことから「胞衣山」と呼ばれ、やがて「恵那山」になったという山名の由来
● 天照大神の産湯に使われたと伝わる湯舟沢と、胞衣を洗ったと伝わる血洗池・血洗神社
● 恵那山山頂に奥宮、山麓に前宮が鎮座していること
● 由緒・由来(恵那神社公式サイト)
これらは恵那山周辺に伝わる神話・伝説であり、天照大神の誕生や胞衣の埋納が歴史的事実として確認されたものではありません。
16.中津川市「地域の由来・歴史」
中津川市公式ウェブサイト、阿木地域の歴史解説。江戸時代の地誌『巌邑府誌』などをもとに、血洗池と天照大神の胞衣伝説を紹介した資料です。
● 阿木地域に残る血洗池と天照大神の胞衣伝説
● 『巌邑府誌』には、天照大神の胞衣を山に納めたことが恵那山の名の由来であり、池で産穢を洗ったことから血洗池と呼ばれたという俗説が記録されていること
● 17世紀中頃から18世紀中頃にかけて、阿木地域で天照大神信仰が広まったと考えられること
● 地域の由来・歴史(中津川市公式サイト)
恵那山の胞衣伝説が、遅くとも江戸時代には地域の伝承として記録されていたことを確認できる資料です。『巌邑府誌』は伝説を民間の俗説として紹介しており、神話の内容を歴史的事実として記録したものではありません。
17.岐阜県神社庁「恵那神社詳細」
岐阜県神社庁公式ウェブサイト。恵那神社の祭神、由緒、胞衣伝説、関連する史跡や文化財を紹介した資料です。
● 恵那神社の祭神は伊邪那岐大神と伊邪那美大神であること
● 天照大神の胞衣を恵那山に納めたという伝承
● 血洗池・血洗神社・腰掛岩・湯舟沢など、天照大神の誕生伝説に関連する地名や史跡
● 木曽義仲による戦勝祈願や太刀の奉納など、恵那神社に伝わる歴史
● 恵那神社詳細(岐阜県神社庁)
恵那神社が古くから信仰を集めてきたことや、恵那山周辺に天照大神の誕生に関する伝承が数多く残されていることを確認するための資料です。