魚の大きさは全長、標準体長(体長)、尾叉長、体高、体幅などの寸法で表されます。釣り人がよく計測する寸法は全長。学術研究などの目的では鰭の損傷による誤差の少ない標準体長を用いたりします。魚の形状的な特徴を表わす寸法として、吻長(ふんちょう)なども計測されます。
全長
尾叉長
標準体長
体高
体幅
吻長
全長(ぜんちょう)とは、吻端(ふんたん:口の先端)から尾鰭の終端までの長さで、釣り人が良く用いる計測方法です。湾入形や二叉形などの二又に分かれた尾鰭(おびれ)を持つ魚の場合、基本的には尾鰭は自然に開いた状態で計測しますが、尾鰭を閉じた状態で計測する人もいます。
全長は分かりやすく簡便な魚の大きさの計測方法ですが、損傷などの鰭の状態によっては正しい大きさを測定できない場合があります。この問題を回避するために二又に分かれた尾鰭(おびれ)を持つ魚の場合、吻端(ふんたん:口の先端)から尾鰭が上葉(じょうよう)と下葉(かよう)に分かれる凹部までの長さ(尾叉長:びさちょう)を計測する方法もあります。
学術的研究などの目的では尾鰭(おびれ)の長さを含めない標準体長(ひょうじゅんたいちょう:単に体長ともいう)という寸法が多く用いられます。標準体長では、吻端(ふんたん:口の先端)から尾鰭の付け根までの長さと計測します。尾鰭の付け根は、脊椎(せきつい)の最後の脊椎骨(せきついこつ)のある所です。この脊椎骨の位置は、尾鰭を折り曲げてみれば、脊椎骨より後方は大きく曲がりますので特定することができます。
腹鰭(はらびれ)の付け根から背中までの最大距離を体高(たいこう)といいます。背鰭(せびれ)の大きさは体高には含めません。腹側の測定ポイントを腹鰭(はらびれ)の付け根とするのは、空腹時と満腹時の変化が少ないためです。
左右の胸鰭(むなびれ)間の距離を体幅(たいふく)といいます。
吻端(ふんたん:口の先端)から眼の前縁までの長さを吻長(ふんちょう)といいます。吻長は魚の形状を表わす寸法の一つで、これら収餌行動などの生態を推測する手がかりがつかめることもあります。
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