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魚の分類

 分類学ではすべての生物を階層的に分類します。その生物の分類を知ることは、その生物が、あらゆる生物の進化のどの系統に属するのか理解することにも繋がり大変に面白いです。ここでは、魚類を中心とした系統の生物の分類について解説していきます。

階層式分類

 当サイトでは生物の分類に一般的に用いられているリンネ式階層分類を使用します。この分類法では、生物を次のような階層を使って分類します。

 最も上位の「ドメイン」では「細菌」「古細菌」「真核生物」のレベルの分類、その下の「界」では「動物」「植物」「菌」などのレベルの分類、その下の「門」では「脊索動物」「脊椎動物」などのレベルの分類です。このように、下の階層に進むほど分類は詳細化され、一番下の「種」で個々の種が定義されます。

ドメイン

 ドメイン(domain)とは、分類学における生物の分類階級のなかで最上位に位置する階級です。すべての生物はこの階級に含まれ、細菌古細菌真核生物のいずれかに分類されます。

細菌

細菌

 細菌(バクテリア)は、細胞核を持たない原核生物で、大腸菌やシアノバクテリアなどが含まれます。

古細菌

古細菌

 古細菌(こさいきん)は、細菌と同じ原核生物です。かつては細菌より起源が古いと考えられていたため名前に「古」という文字が付いていていますが、現代ではその起源は細菌よりも新しく、真核生物の祖先に近い近い生物と考えられています。細菌とはDNAの構造、細胞膜の成分、高温高塩濃度への耐性などに違いが見られます。古細菌には、炭素と水素からメタンを生成するメタン菌や海底火山の熱水噴出孔などにも生息する高度好熱菌などが含まれます。

真核生物

真核生物

 真核生物(しんかくせいぶつ)は、細胞内に膜で囲まれた核を持つ生物です。動物、植物、菌類など、細菌古細菌を除くすべての生物が真核生物に含まれます。

界(かい)

分類学では階層的分類のドメインの下の「界(かい)」の階級で生物を動物界、植物界、菌界、原生生物界、モネラ界の五つに分類します。

動物界

動物
 動物界に分類される生物は、外部から栄養を得て有性生殖を行う多細胞生物などで、哺乳類、爬虫類、鳥類、両生類、魚類、貝類、昆虫など多くの生物が含まれます。

モネラ界

モレラ界
 モネラ界は原核生物界とも呼ばれ、大腸菌、乳酸菌、納豆菌、ブドウ球菌などの原生生物が含まれます。

門(もん)

 門(もん)は、生物の階層分類においての下、の上に位置する階級です。

脊索(せきさく)動物門

脊索動物
分類:動物界

 脊索(せきさく)は、進化の過程で脊椎(せきつい)ができる前の原始的な骨格のことです。
 脊索動物門には、脊椎を持つ動物と脊索を持つ動物が含まれ、頭索動物亜門(ナメクジウオなど)、尾索動物亜門(ホヤなど)、脊椎動物亜門(哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類)の三つの下位亜門から成ります。。

脊椎(せきつい)動物
亜門

脊椎動物

 脊椎動物は(せきついどうぶつ)脊柱(せきちゅう:背骨)を持つ動物です。分類学上すべての魚は脊椎動物亜門に属します。

綱(こう)

 綱(こう)は、生物の階層分類においての下、の上に位置する階級です。

円口(えんこう)上綱

円口類

~ 顎を持たない生物の口は円形 ~
 円口類脊椎動物亜門に属する生物の一群で、顎を持たず無顎類(むがくるい)とも呼ばれ、円形の口を持つ生物のグループです。ヤツメウナギやヌタウナギなどがこのグループに分類されます。

顎口(がっこう)上綱

初期の顎口類 初期の板皮類や軟骨魚・硬骨魚の共通祖先に近い形態
初期の顎口類 初期の板皮類や軟骨魚・硬骨魚の共通祖先に近い形態

~ 顎を獲得した生物 ~
 顎口類脊椎動物亜門に属する生物の一群で、進化の過程でを獲得した生物のグループです。

硬骨魚(こうこつぎょ)

~ 硬い骨を持つ生物 ~
 硬骨魚類顎口上綱に属する生物の一群で、骨格の大部分が、硬骨と呼ばれる硬い骨でできいます。ほとんどの魚が硬骨魚類に分類されます。硬骨魚類には、他にも肺を持つものがいたり、肺から派生した浮袋を持つものもいます。硬骨魚類は、サメなどが持つ楯鱗(じゅんりん)を持ちません。

軟骨魚(なんこつぎょ)

初期の軟骨魚類(デボン紀前後の原初的なサメ)の群れ
初期の軟骨魚類 デボン紀前後の原初的なサメ

~ 骨格が軟骨だけの生物 ~
 硬骨魚類顎口類に属する生物の一群で、サメ、エイ、ギンザメなど、全身の骨格が、軟骨でできいます。
 硬骨魚類は4億年前のデボン紀に出現した比較的原始的な脊椎動物であり、デボン紀に繁栄した魚類の一群と考えられています。
 かつて硬骨魚類は、進化の過程で硬骨を獲得できなかったと考えられた時期もありましたが、顎を持つ顎口類の祖先は硬骨を持っており、現在は、一度獲得した硬骨を退化させたと考えられています。

肉鰭(にくき)亜綱

肉鰭類 シーラカンスとハイギョ
肉鰭類 シーラカンスとハイギョ
~ 肉厚の鰭を持つ硬骨魚類 ~

 肉鰭類硬骨魚類に属する生物の一群で、肉質のを持ちます。現存する肉鰭類の魚は、シーラカンス肺魚の2グループのみです。サメの鰭も肉質ですが、サメは軟骨魚類にであり硬骨魚類にではありません。陸上の脊椎動物(四肢動物)は肉鰭類から進化したと考えられています。

条鰭(じょうき)亜綱

初期の条鰭類 背景は古生代〜中生代の淡水〜浅海環境(藻類やシダ的な植物、原始的な水
初期の条鰭類 古生代〜中生代に見られる原始的な条鰭魚
~ 細い筋で支えられた薄い鰭 ~

 肉質のを持つ肉鰭類とは対照的に条鰭類の鰭は薄く、放射状に伸びる細い鰭条(きじょう)で支えられています。このような構造を持つことで、鰭は軽量化と同時に形や面積をフレキシブルに変えることができるようになり、遊泳能力は向上したと考えられます。現存するほとんどの魚が条鰭類に分類されます。
 条鰭類は腕鰭類新鰭類からなります。腕鰭類はポリプテルス類とアミメウナギ類だけの少数で独自に進化したグループで、条鰭類のほとんどは新鰭類に分岐しています。

新鰭(しんき)

~ 鰭と骨格の軽量化と顎の発達 ~

新鰭類(しんきるい)は、ペルム紀後期に条鰭類から分岐した一群で、鱗や骨格の軽量化、顎の機能の発達などの進化を遂げた結果、俊敏な運動能力と効率的な摂餌能力を獲得ました。その進化戦略が大成功し白亜紀以降、最も繁栄を続けている魚類です。
 当サイトでは新鰭類を分類上の階級なしとしていますが、「亜目」とする分類もあります。

真骨(しんこつ)下綱

~ 顎を突き出すことのできる魚 ~
 真骨類は最も進化した魚類で現存する魚種のほとんどが真骨類に分類されます。
 最大の特徴は、前上顎骨(ぜんじょうがくこつ:顎の歯の生えた骨の上下のペアの上側の骨)が可動性であり、顎を突き出す事ができることです。この機能によって、食物を掴んで口に引き込む一連の動作が効率よく行えるようになります。尾鰭は上下対称で上葉と下葉はほぼ同じ形をしています。

腕鰭(わんき)下綱

~ 原始魚類の多くの特徴を持つ胸鰭の基部が肉質の魚 ~
腕鰭類条鰭類からの最も早く分岐し、独自の方向に進化した一群ではポリプテルス類アミメウナギ類がこのグループに分類されます。
 原始魚類の多くの特徴を持ち、胸鰭の基部が肉質で、体は細長く、背びれは多数の小離鰭(しょうりき:小さな鰭)が連なっています。このため、岐鰭類(ききるい)とも呼ばれています。鱗は原始的な魚類に多く見られるガノイン鱗、鰓呼吸と並行して空気呼吸を行うためのを持っています。

目(もく)

 目(もく)は、生物の階層分類においての下、の上に位置する階級です。

棘鰭(きょくき)上目

~ 鰭に硬い棘状の支持構造 ~

棘鰭上目は、条鰭亜綱の魚ですが、鰭を支える鰭条(きじょう)が硬い棘状(となっているつことが特徴です。この硬い棘状の鰭条は棘条(きょくじょう)といいます。現存する魚類の約半数はこの棘鰭上目に分類されます。

棘鰭上目の魚

● ボラ目
● トウゴロウイワシ目
● ダツ目
● カダヤシ目
● クジラウオ目
● キンメダイ目
● マトウダイ目
● トゲウオ目
● タウナギ目
● カサゴ目
● スズキ目
● カレイ目
フグ目

フグ目

~ 独特な進化と退化の未来形? ~

 フグ、カワハギ、マンボウなどが属するフグ目の魚は、現存する魚の中で最も特殊化した一群です。
 箱型のハコフグ、胴体の途中でストンと切り落としたような不自然な体型のマンボウなど、他のグループに比べると著しく形態は多様化しています。
 一般に魚は全身の横方向の蛇行運動(体の波動)によって推進力を得ていますが、フグ目のほとんどの種は体が硬直していて体を横方向に曲げることが困難で、蛇行運動から十分な推進力を得ることが出来ません。そこで推進力の多くを鰭の運動から得ています。そのため、俊敏な動きは出来ません。しかし正確な姿勢制御は得意としています。水中のフグを観察していると、小刻みに胸鰭を動かす姿を見ることが出来ます。
 ほとんどの種では、腹鰭以外の鰭は丸みを帯びています。
 俊敏な動きを不得意とするためか、硬い体を持つハコフグ、全身にトゲを持つハリセンボン、体を膨らませて威嚇するフグなど防御能力に長けた種も多くみられます。防御のためかフグ科のほとんどの種は内臓や血液に(フグ毒:テトロドトキシン)を持っています。
 フグ目の魚は歯ぎしりしたり浮き袋の振動によって音を発することができます。
 真骨類が獲得した「顎を突き出す能力」はフグ目では退化して、顎を突き出すことができないか、ごくわずかしか突き出せなくなっています。歯は融合して嘴(くちばし)状になっています。腹鰭には退化の傾向が見られ、カワハギのように1本の棘になっていたり、マンボウ科のように腹鰭を持たない種もいます。
 フグ目のこのような進化や退化は、この一群がどこに向かいつつあるのか非常に興味をそそられます。

フグ目の魚

 フグ目はほとんどが、モンガラカワハギ亜目とフグ亜目に分けられます。● ベニカワムキ亜目
モンガラカワハギ亜目
● フグ亜目

モンガラカワハギ亜目

~ フグ目のカワハギ一派 ~

 フグ目の中の、側扁した菱形の魚体のカワハギ一派がモンガラカワハギ亜目に分類されます。

モンガラカワハギ亜目の魚

● モンガラカワハギ科
● カワハギ科

科(か)

 科(か)は、生物の階層分類においての下、属の上に位置する階級です。

カワハギ科

~ 背鰭棘がモンガラカワハギ科との大きな相違点 ~

特徴

体型側扁した菱形
模様:多くの種は体に不規則な模様を持ちます。
:鰭は柔らかく、胸鰭は小さく、尾鰭は扇形です。
背鰭棘:背鰭に二本の棘(背鰭棘:せびれきょく)を持ちます。二本目の鰭棘は埋没しているか非常に小さく分かりづらいです。同じモンガラカワハギ亜目のモンガラカワハギ科の魚は三本の背鰭棘を持つため、これにより明確に識別することが出来ます。
:口は小さく(おちょぼ口)。吻部は尖っている。
:上顎の外側に6本、内側に4本。下顎の外側に4~6本の歯を持つ。
第二背鰭:産卵期が近づくと成熟した雄には第二背鰭びる細長いひも状のものが延びてきます。これは鰭の軟条が糸状に細く伸びたもので雌にアピールするものではないかと考えられています。

カワハギ科の魚(抜粋)

● ウスバハギ属
カワハギ属
● ウマヅラハギ属

属(ぞく)

 属(ぞく)は、生物の階層分類においての下、種属の上に位置する階級です。

カワハギ属

カワハギ

カワハギ属の魚

Stephanolepis auratus
カワハギ
● タイセイヨウカワハギ
Stephanolepis cirrhifer
Stephanolepis diaspros
Stephanolepis setifer

遊泳層による
分類

 魚はそれぞれの生態によって、遊泳層が異なり、その違いから次のように分類されます。

底生魚

 海、河川、湖沼の底部に生息する魚のことを底生魚(ていせいぎょ)、または底魚(そこうお、ていぎょ)といいます。淡水魚ではナマズ、カジカ、ハゼ、ヨシノボリ、ドンコなど、海水魚ではヒラメ、カレイ、シロギスマゴチなどの魚が底生魚に分類されます。

表層魚

 イワシ、サンマ、カマス、トビウオ、カツオなど水面近くをおもな生息場所とする魚を表層魚(ひょそうぎょ)といいます。表層魚の多くは、群れをなし、餌、産卵場所、適水温の海域を求めて回遊します。

浮魚(うきうお)

 浮魚(うきうお)は、表層魚と同じように水面付近を遊泳しますが、水面付近に生息していない魚も含まれます。たとえばアジは浮魚に分類されますが、時間帯などの条件によって遊泳層を変えるため、つねに水面付近に生息しているとは言えず、表層魚には分類されません。浮魚は浮遊魚(ふゆうぎょ)とも呼ばれます。

浅瀬魚と深海魚

 水面から太陽光が届くぐらいの浅瀬にいる魚を浅瀬魚(あさせうお)といいます。釣りや食材として馴染みのある魚のほとんどが浅瀬魚です。
 浅瀬魚に対して、水深200メートルより深い所に生息する魚を深海魚(しんかいぎょ)といいます。深海魚は高水圧に耐えるために、体は空気をほとんど含まない構造となっています。

生息環境による
分類

 魚は大きく淡水魚(たんすいぎょ)と海水魚(かいすいぎょ)に分けられます。なかには、チヌスズキボラなどのよに淡水と海水が入り交じる汽水を好む魚もいて、これらの魚を汽水魚(きすいぎょ)ということもあります。

根魚

 底生性魚の一部の、水中の岩礁、消波ブロック、海藻が生えている場所に定着して、あまり遠くまで移動しない魚を根魚(ねざかな)、またはロックフィッシュといいます。カサゴ、メバル、アイナメ、ソイ、ハタ類などが根魚と呼ばれています。淡水にもナマズ、フナ、イワナヤマメなど障害物の周りに定着する根魚的な性質の魚がいますが、一般的に淡水魚に対しては「根魚」とい言葉は用いられません。

回遊魚

 産卵場所や餌の豊富な場所を求めて広範囲に移動する魚を回遊魚(かいゆうぎょ)といいます。豊富な餌を求めての回遊を索餌回遊(さくじかいゆう)、産卵場所を求めての回遊を産卵回遊(さんらんかいゆう)といいます。
 たとえばサンマの回遊パターンは、春から夏にかけてプランクトンや小魚が豊富になる北太平洋の亜寒帯海域に移動します。秋から冬にかけては、親潮に沿って南下しながら日本近海などの海域で産卵し、再び北太平洋の広い海域に戻ります。
 サケの場合は、卵から孵化して1ヶ月ほど経つと豊富な餌を求めて海に下ります。その後はしばらく沿岸で生活し、10cmぐらいに成長すると沖合へと生活の場を移します。北太平洋のベーリング海などで4年ほど生活した後、産卵のために生まれ故郷の川に戻って来ます(母川回帰)。そして産卵を終えたサケは一生を終えます。

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