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魚の嗅覚と味覚

 嗅覚味覚は、いずれも化学物質(化学信号)を検知することで感じる感覚です。人間の場合、嗅覚は空気中に含まれる化学物質から感じられ、味覚は唾液に溶け出した化学物質から感じられます。これに対して魚の嗅覚と味覚は、いずれも環境水に溶け出した化学物質から感じられます。そのため、嗅覚と味覚の違いが不明確に感じられることもあります。しかし、嗅覚と味覚は異なる受容器受容細胞によって検知され、それぞれが脳の別の領域に送られることから、魚も嗅覚と味覚を別のものとして捉えていると考えられます。

魚の嗅覚

 嗅覚は次のような魚の様々な行動に関わる感覚です。

  • 餌の認識
  • 雌雄の認識
  • 生殖行動の誘発
  • 生息場所の認識
  • 母川回帰
  • 成群
 魚が離れた場所から撒き餌に集まったり、視力が悪いにもかかわらず夜釣りで釣れるのは敏感な嗅覚によるところが大きいと考えられます。魚の鼻はの背中側に1対存在します。魚の鼻は呼吸には使われず、嗅覚器官としてのみ機能します。

鼻腔(びこう)

 魚の鼻には鼻腔と呼ばれる穴があります。多くの魚が二対の鼻腔を持ち、前方の鼻腔を前鼻腔(ぜんびこう)、後方の鼻腔を後鼻腔(こうびこう)といい、前鼻腔から入った水が後鼻腔から流れ出る構造となっています。この間に鼻腔内で水中に含まれる化学物質が検出されます。

嗅房と嗅板

 鼻腔内には、嗅房(きゅうぼう)と呼ばれる器官があります。嗅房は嗅板(きゅうばん)の集合体で、それぞれの嗅板には、アミノ酸、性ホルモン、ヌクレオチド、胆汁酸などの匂い物質に応答する嗅細胞(きゅうさいぼう)が分布しています。

嗅細胞

 嗅細胞(きゅうさいぼう)は嗅板の表層から深部にかけて細長く伸びた形をしていて、表層側には小さな突起があります。この突起に嗅覚受容体(きゅうかくじゅようたい)と呼ばれる匂い物質と結合するタンパク質が分布しています。
 嗅板の深部側の嗅細胞の先端からは、軸索が伸びています。嗅覚受容体で受容した情報は、この軸索から脳に運ばれます。

嗅球

 嗅細胞軸索は集まって嗅神経」を構成し、嗅球(きゅうきゅう)と呼ばれる嗅覚の一次中枢に繋がり、嗅球内の僧房細胞シナプス(接合部位)を形成します。
 嗅球の大きさは魚種によりさまざまで、嗅覚に敏感な魚ほど大きな嗅球を持ちます。

嗅索

 僧房細胞嗅索(きゅうさく)と呼ばれる僧房細胞の集合体となって脳(終脳)へとつながります。

魚の味覚

 生物にとっての味覚とは、摂取しようとしている食物が摂取可能かどうかを判断するための重要な感覚です。
 陸上の脊椎動物は、食物を摂取する過程で口内の唾液に溶け込んだ化学物質(味覚の刺激物質)を口内の味蕾(みらい)と呼ばれる器官で検出します。
 これに対し、魚類の味蕾は口腔、鰓(えら)、口唇、触鬚(しょくしゅ)など体表にも分布し、食物を口内に取り込む前の段階で味覚を感じることができます。
 ナマズ目の魚は特に体表への味蕾の分布が多く、触鬚(しょくしゅ)や鰓(えら)に加えて胴体部にも味蕾が分布しています。このように体表に分布した味蕾を使うことで、嗅覚と同じように味覚を使った餌の探索行動が可能になります。
 魚の味覚器は、主に餌のエキス成分(特にアミノ酸)を検出しますが、成分ごとの検知能力はその魚がどんな餌を食べているかによって異なります。つまり、自分が捕食しようとする生物の発する味覚刺激物質に敏感に反応するように出来ています。
 餌から水中に溶け込んだアミノ酸は嗅覚によっても感じられますが、感度は味覚の方が優れています。

脚注

軸索

 軸索(じくさく)は神経細胞の細胞体で受け取った刺激や情報を、他の細胞に伝達する役割を持ちます。

嗅神経

 嗅神経(きゅうしんけい)は嗅細胞から信号を受け取り脳へ伝える役割を担います。

僧房細胞

 僧房細胞(そうぼうさいぼう)は嗅覚情報を脳の嗅皮質などへ伝達する役割を担います。

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