鹿屋港(古江港)
船間港
船間港は鹿屋港の南に位置する小規模な漁港で、外向きの護岸と岩礁帯がそのまま釣り場になるポイントだ。規模は小さいものの、外海側の潮が届く位置にあるため、条件が揃うとアオリイカが差してくることがある。潮位や風向き、回遊のタイミングが結果に直結するタイプのフィールドである。とくに、潮が動き始める瞬間や夕まずめの時間帯は、イカが外側の地形変化に沿って回る“通過のタイミング”が現れやすい。
船間町の砂浜
船間港の南およそ400mに位置する砂浜は、遠浅の地形が広がる小規模なサーフで、シロギス釣りのポイントとして知られる場所である。波打ち際から沖へ向けて緩やかな傾斜が続き、底質はほぼ砂で統一されているため、シロギスの回遊ルートが比較的読みやすい。
沖に並ぶ消波堤(離岸堤)は、波を弱めるだけでなく、潮の流れや砂の溜まり方に変化を作り、餌となるゴカイ類や小型甲殻類が集まりやすい地形を形成している。とくに堤と堤の間や潮が切り替わる場所は、シロギスが群れで入る“狙い目の筋”になりやすい。
水深は深くないため、遠投が必須になることが多いが、条件次第では波打ち際のごく浅い場所で釣れることもある。季節は初夏から秋にかけてが中心で、活性が高い日は短時間で数釣りが期待できる。
海岸線に大規模な施設や釣り人が密集するような要素はなく、静かな環境でキス釣りに集中できるのも、この砂浜の魅力だ。
荒平天神
鹿屋港から南へおよそ2km。海沿いの道路に沿って、小さな砂浜と岩礁帯が交互に並ぶ区間が続く。その中でも特徴的なのが、砂浜を挟んで向かい合うように位置する二つの地磯だ。北側が二ツ島、南側が荒平天神。周囲には小規模な砂浜や浅場が点在し、釣り場ごとに狙える魚が変わる“変化の多い海岸線”となっている。
二ツ島(ふたつじま)は道路沿いからすぐにアクセスできる小さな岩礁帯で、周囲には砂地と岩場が入り混じる。とくに鹿児島湾(錦江湾)の流れを受けやすい側では潮の変化が出やすく、回遊のタイミングでアオリイカが差してくることがある。また、砂浜側へ向けてキャストすれば遠浅の砂地が広がり、シロギスが狙える。
二ツ島と荒平天神のちょうど中間に位置する小さな砂浜で、遠浅の地形が続く。派手さはないものの、シロギス狙いには適した場所で、沖の離岸流や砂紋を探しながら釣るスタイルが向く。周囲は静かで、のんびりと釣りを楽しめるロケーションだ。
荒平天神(あらひらてんじん)は二ツ島から砂浜を挟んだ南側に位置する地磯で、海上に突き出た社殿と鳥居が印象的な景勝地。足元は岩礁帯、南側には砂利浜が広がり、狙う方向によって釣りものが変わる。砂利浜側ではシロギス、岩の張り出しや沈みブロック周辺ではチヌ、メジナ、アオリイカ、カサゴなどが狙える。観光地としても知られるため、休日は人の往来に注意が必要だ。
高須港
鹿児島県鹿屋市の高須海岸に位置する高須港は、長く続く砂浜帯の途中に造られた港で、その南側に自然岩礁帯が接する地形となっている。港周辺の底質は砂地が主体で、南へ進むにつれて岩が混じる形で徐々に変化していく。位置としては高須川河口の南側にあたり、河川の流入による濁りや底質変化が影響することがあるが、強い汽水環境ではなく、海域としては通常の錦江湾沿岸性の環境に分類される。こうした地形背景から釣れる魚種は幅広く、アオリイカ、アジ、シロギス、サヨリといった回遊系・砂地系の魚に加え、南側の岩礁帯寄りではチヌ、メジナ、カサゴ、ウスバハギなど、底質変化の恩恵を受ける岩礁性の魚も狙うことができるのが特徴である。






