アジの生態と釣り方完全ガイド
基本の生態から仕掛け・エサ・時期・数釣りのコツまで解説

防波堤や海釣り公園から手軽に狙えて、釣りの楽しさも食味も抜群な「アジ」。ファミリーフィッシングの定番であり、ベテランをも虜にする海釣りの大人気ターゲットです。しかし、いざアジを狙ってみると「周りは爆釣しているのに自分だけ釣れない……」「釣れたけれど、これっていつも食べるアジと何か違う?」と疑問に思うことはありませんか?実は、私たちが普段「アジ」と呼んでいる魚には、抜群の脂乗りを誇る「マアジ」と、日中によく釣れるスマートな「マルアジ(アオアジ)」が混ざっています。アジ釣りの釣果を伸ばす最大の近道は、彼らの「生態や習性」を正しく知り、見分けることです。

本記事では、マアジとアオアジの基本プロフィールや釣り場での確実な見分け方をはじめ、釣果を大きく左右する「時間帯・天候・釣りダナ(泳層)」の選び方、サビキカゴから広がる「撒き餌」の同調テクニックを徹底解説!さらに、手軽なアジ子(豆アジ)の数釣りから、引きを楽しめる中アジ・大アジの攻略法、有望な釣り場情報までを完全網羅しました。水中での激しい食い気にスイッチを入れるコツを学び、アジ釣りを完全攻略しましょう!

※このページでは、特に魚種を区別する必要がない場合、マアジとマルアジ(アオアジ)を総称して「アジ」と表記します。魚種によって生態や特徴が異なる場合は、「マアジ」「マルアジ」と個別に表記します。

取材・編集:wiredFish編集部

海中でサビキカゴから広がるピンク色のアミエビ(撒き餌)に、猛烈な勢いで群がるアジ(マアジ)の大群の水中映像(イラスト)
海中でサビキカゴから広がるピンク色のアミエビ(撒き餌)に、猛烈な勢いで群がるアジ(マアジ)の大群の水中映像(イラスト)
海中でサビキカゴから広がるピンク色のアミエビ(撒き餌)に、猛烈な勢いで群がるアジ(マアジ)の大群の水中映像(イラスト)
海中でサビキカゴから広がるピンク色のアミエビ(撒き餌)に、猛烈な勢いで群がるアジ(マアジ)の大群の水中映像(イラスト)
海中でサビキカゴから広がるピンク色のアミエビ(撒き餌)に、猛烈な勢いで群がるアジ(マアジ)の大群の水中映像(イラスト)
海中でサビキカゴから広がるピンク色のアミエビ(撒き餌)に、猛烈な勢いで群がるアジ(マアジ)の大群の水中映像(イラスト)

撒き餌(アミエビ)の煙幕に興奮して群がるアジ。アジの「群生する習性」と「高い捕食活性」がよく分かる海中の決定的瞬間。

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マアジの基本プロフィール

別名・別表記 真鯵、真鰺、アヅ、ジンタ(小型)、ゼンゴ、ジンダ、Trachurus japonicus(学名)、Japanese jack mackerel(英名)
分類 アジ目 - アジ科 - マアジ属
分布 日本各地の沿岸から沖合に広く分布。国外では朝鮮半島、東シナ海から東南アジア沿岸にも分布する。
生息環境 沿岸の浅場から沖合まで幅広く生息し、防波堤周辺、湾内、岩礁帯などにも群れで回遊してくる。沖合では水深数十~200mを超える海域にも分布する。
食性 肉食性。動物プランクトン、アミ類・オキアミ類、小型の魚類などを捕食する。成長に伴って魚類など比較的大きな餌も利用する。
特徴・行動

私たちが普段「アジ」と呼ぶ代表的な魚で、沿岸の釣りではサビキ釣りやアジングなどの人気ターゲットです。食用魚としても重要で、刺身、塩焼き、フライ、干物など幅広い料理に利用されます。

体は細長い紡錘形で、体側の側線に沿って「ぜいご(稜鱗)」と呼ばれる硬い鱗が並ぶのが大きな特徴です。群れを作って行動し、餌を求めて沿岸から沖合まで広く移動します。

マアジには、生息場所や回遊性、体型・体色などに違いがみられるタイプがあり、一般に「キアジ(黄アジ)」と「クロアジ(黒アジ)」と呼ばれることがあります。キアジは沿岸や瀬周りなどへの定着性が比較的高く、体高があり、体色に黄色味が出やすい傾向があります。一方、クロアジは沖合を広く回遊する傾向があり、キアジに比べて細身で、背側が黒っぽく見えるのが特徴です。ただし、これらは別種や亜種ではなく、同じマアジにみられる生態・形態の違いです。

マルアジ(アオアジ)の基本プロフィール

別名・別表記 丸鯵、アオアジ(青鯵)、Decapterus maruadsi(学名)
分類 アジ目 - アジ科 - ムロアジ属(※マアジとは属が異なる)
分布 日本各地の沿岸に分布し、青森県から九州南岸、瀬戸内海、東シナ海などで見られる。マアジと比べて暖かい海域でよく見られる。
生息環境 沿岸の内湾から沖合まで生息し、主に中層から底層を群れで遊泳する。回遊性があり、防波堤周辺や潮通しのよい場所にも接岸する。
食性 肉食性。カイアシ類などの動物プランクトン、アミ類・オキアミ類、小型の魚類などを捕食する。
特徴・行動

マアジによく似たアジ科の魚で、沿岸ではマアジの群れに混じって釣れることもあります。「アオアジ」という地方名でもよく知られています。

マアジよりも体の断面が丸みを帯び、細長い体型をしています。特に分かりやすい識別点が、尾びれの付け根近くにある「小離鰭(しょうりき)」と呼ばれる独立した小さなヒレです。背びれ側と尻びれ側にそれぞれ1つあり、マアジにはこの小離鰭がありません。

背側が青緑色を帯びることから「アオアジ」と呼ばれることがあります。マアジと同じように群れで回遊し、接岸時には防波堤などからサビキ釣りやルアー釣りで狙うことができます。食用にもされ、刺身のほか、塩焼き、フライ、干物などさまざまな料理に利用されます。

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釣りに役立つアジの生態と体の特徴

マアジとマルアジ(アオアジ)の違い

このページで扱うマアジとマルアジ(アオアジ)は、どちらもアジ科の魚ですが、分類上は異なる属に属し、体型やゼイゴの付き方、分布などにも違いがあります。釣り場では同じ「アジ」として扱われることも多いため、主な違いをまとめると次のようになります。

比較項目 マアジ マルアジ(アオアジ)
分類 アジ科マアジ属
Trachurus japonicus
アジ科ムロアジ属
Decapterus maruadsi
体型 比較的体高があり、左右に扁平な体型 マアジより細長く、体の断面は丸みを帯びる
ゼイゴ 側線に沿って前方から尾柄付近まで発達する 主に側線後方の直線部に発達する
小離鰭 ない 背鰭と臀鰭の後方にそれぞれ1個ある
分布 日本周辺に広く分布する 暖かい海域に多く、東シナ海では九州周辺や南西部の大陸棚・沿岸域などに多く分布する
季節的な移動 地域や海域によって季節的な分布や移動のパターンが異なる 地域によって季節回遊が確認されており、紀伊水道周辺では産卵・索餌・越冬に伴う移動が報告されている
主な食べ物 動物プランクトンや小型甲殻類、小魚など。成長に伴って利用する餌の種類や大きさが変化する 小型甲殻類、エビ類、魚類などさまざまな生物を食べ、成長に伴って食性も変化する
岸釣りでの特徴 日本各地の漁港や堤防などから広く狙われる代表的なアジ 暖かい海域を中心に狙われ、マアジと同じ釣り場で混じって釣れることもある

※上表は両種の主な違いを分かりやすく整理したものです。分布や季節的な移動、食性などには地域・成長段階・季節による違いがあります。

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マアジとマルアジ(アオアジ)の見分け方

マアジとマルアジ(アオアジ)はよく似ていますが、体型やゼイゴ、小離鰭などを確認すると見分けることができます。体色は個体差や鮮度、光の当たり方によって見え方が変わるため、ゼイゴの付き方と小離鰭の有無を中心に確認するのが分かりやすい方法です。

見分ける部分 マアジ マルアジ(アオアジ)
体型 比較的体高があり、左右に扁平 マアジより細長く、体高が低い。体の断面はマアジより丸みを帯びる
ゼイゴ 側線の曲線部から後方の直走部まで広く発達する 側線前方の曲線部にはなく、後方の直走部に発達する
小離鰭 ない 第二背鰭と臀鰭の後方に、それぞれ1個ある

特に分かりやすい識別点が小離鰭です。マルアジには第二背鰭と臀鰭の後方にそれぞれ独立した小さな鰭がありますが、マアジにはありません。また、ゼイゴの付き方にも違いがあり、マアジでは側線の曲線部から直走部まで広く発達するのに対し、マルアジでは後方の直走部に発達します。

※体色は個体差や鮮度、光の当たり方などによって見え方が変わるため、色だけで判断せず、ゼイゴや小離鰭、体型など複数の特徴を確認すると見分けやすくなります。

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コラム:マアジとマルアジは、なぜこんなに似ている?

マアジとマルアジ(アオアジ)は、釣り人でも一瞬迷うほどよく似ています。ところが分類を見ると、マアジはマアジ属(Trachurus、マルアジはムロアジ属(Decapterus。同じアジ科ではあるものの、属の段階ですでに別のグループです。

では、別々の進化をしてきた魚が、同じような姿へ近づいた「収斂進化」なのでしょうか。実際には、それだけで説明するのは適切ではありません。マアジ属とムロアジ属はアジ科の中でも近縁なグループで、現在のよく似た姿の多くは、両者の共通祖先から受け継いだ基本的な体のつくりを残していると考える方が自然です。

つまり、「まったく違う姿の魚が別々に進化して、偶然そっくりになった」というより、もともと近縁で似ていた祖先から枝分かれし、似た基本形を残しながら、それぞれ独自の特徴を発達させてきたと考えると分かりやすいでしょう。

その違いは、よく観察すると現在の体にも残っています。マルアジが属するムロアジ属には第二背鰭と臀鰭の後方に小離鰭がありますが、マアジ属にはありません。また、マアジ属では側線の曲線部にもゼイゴ(稜鱗)が発達するのに対し、ムロアジ属ではゼイゴは主に後方の直走部に発達します。

外見はそっくりでも、細部にはそれぞれの進化の歴史が刻まれています。マアジとマルアジを見分けるポイントは、単なる魚種判別の目印ではなく、二つの系統がたどってきた進化の違いを見る手掛かりでもあるのです。

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アジの視覚と目の特徴

アジの視力はどのくらい?

マアジでは、網膜の錐体細胞の密度などから視力を推定した研究があり、視力は約0.15とされています。人間の一般的な視力検査とまったく同じ方法で測定した値ではありませんが、数値の感覚としては、人間の視力で使われる「0.1」「0.5」「1.0」と同じように、細かなものを見分ける能力を表したものです。

ほかの魚と比べると、マハタ約0.24、マダイ約0.16、クロダイ約0.14、ブリ約0.11などの値が報告されており、マアジの約0.15は、沿岸性の魚として特別に視力が高いわけでも、極端に低いわけでもありません

ただし、この値は網膜の構造から推定された視力であり、実際の海で餌や仕掛けをどこまで見分けられるかは、水の透明度や明るさ、対象物の大きさ、背景とのコントラストなどによって変化します。

一方、マルアジ(アオアジ)については、今回確認した範囲では同様の方法で視力を数値として示した研究は確認できませんでした。そのため、マアジの約0.15という値をそのままマルアジに当てはめることはできません。

明るさに合わせて変化する網膜

魚の目は、明るい場所でも暗い場所でも常に同じ状態で働いているわけではありません。多くの魚類では、周囲の明るさが変化すると、網膜にある錐体や桿体、色素細胞の位置関係が変化する「網膜運動反応(retinomotor response)」が起こります。マアジでも、この反応が実際に確認されています。

明るい環境では、主に錐体を使った視覚が働きます。一方、暗い環境では、錐体よりも光に対する感度が高い桿体を使って、弱い光を捉える視覚へと変化します。魚類では、周囲が暗くなるにつれて細かなものを見分ける能力が低下することも確認されています。つまり魚の目は、明るい場所では細部を見分けやすく、暗い場所では細部を見分ける能力は低下するものの、弱い光を捉えられるように視覚を調整しています

アジには何色がよく見えるのか

釣りでは「アジには赤が見えやすい」「黄色や緑がよく見える」といった説明を目にすることがあります。マアジでは、光の波長によって網膜の感度が異なることが確認されており、暗い環境に順応した網膜では、青緑付近(約500nm前後)の光に比較的高い感度を示し、赤に近い長波長側では感度が低下する傾向が報告されています。

また、中国沿岸でマアジとマルアジ(アオアジ)を対象に行われた集魚灯の試験では、白色(緑寄り)のLEDは青紫色LEDよりも漁獲量が多く、マルアジでは有意な差、マアジではさらに明瞭な差が確認されています。

*ただし、波長に対する網膜の感度や集魚灯による漁獲量の違いは、物体の「色」をどのように識別しているかを直接調べたものではありません。そのため、「アジには青緑や緑が最もよく見える」「赤が最も見えにくい」とまでは断定できません。さらに、水中では波長によって光の届きやすさも異なるため、ルアーやサビキの色の見え方は、水深や透明度、周囲の明るさによっても変化します。

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アジ特有の「ゼイゴ」とその特徴

アジの体側には、一般に「ゼイゴ」や「ゼンゴ」と呼ばれる硬い鱗があります。正式には稜鱗(りょうりん)と呼ばれ、通常の鱗とは形が異なる硬い板状の鱗が側線に沿って並んでいます。

マアジでは、稜鱗が鰓蓋(えらぶた)の後ろから尾柄まで側線に沿って連続して並ぶのが特徴です。一方、よく似たマルアジ(アオアジ)では、稜鱗が側線後方の直線部にあります。そのため、ゼイゴの付き方は、マアジとマルアジを見分ける重要な手掛かりになります。

マアジのゼイゴは成長の早い段階から形成されます。飼育による発育研究では、体長約19mmの稚魚ですでに小さな稜鱗が確認され、26.5mmを超える個体では体の鱗とともによく発達していることがわかっています。

*ゼイゴが「水の抵抗を減らすため」などと説明されることもありますが、具体的にどのような機能を持つのかについては、学術的にはまだ完全に解明はされていないようです。

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群れで行動する習性

アジは、単独よりも群れをつくって行動することが多い魚です。魚が群れをつくることには、捕食者から身を守ったり、餌に関する情報を得たりするなど、さまざまな利点があると考えられています。

京都大学舞鶴水産実験所で行われたマアジ稚魚の研究では、群れの中で餌場に関する情報が共有・伝達されることが示されています。また、体長20mmと40mmの稚魚を比較した研究では、40mmの個体で群れ行動がよく発達しており、他の個体の行動を観察した個体は、餌場をより効率よく学習しました。群れで行動することは、単にまとまって泳ぐだけでなく、餌を探す行動にも役立っていると考えられます。

ただし、アジの群れはいつも同じ場所に留まっているわけではなく、群れの位置や泳ぐ水深も変化します。そのため、同じ釣り場でも短時間に続けて釣れたり、それまで釣れていた場所で急に反応がなくなったりすることがあります。

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アジが泳ぐタナは一定ではない

アジ釣りでは「底を狙う」「中層を狙う」といった表現がよく使われますが、アジが泳ぐ水深(タナ)はいつも同じとは限りません。少なくともマアジでは、季節や時間帯などによって利用する水深が大きく変化することが、電子タグや超音波発信機を使った行動調査から分かっています。

水産研究・教育機構が東京湾のマアジに電子タグを装着して行った研究では、2022年11月に90尾を放流し、その後再捕獲されてデータを取得できた9尾の行動を解析しています。各個体の平均遊泳水深は24~109mと大きく異なり、最も深く潜った1尾では水深348mが記録されました。また、秋から冬に深く、春から夏に浅くなる季節的な変化に加え、昼間は深く、夜間は浅くなる日周的な鉛直移動も確認されています。

佐渡島沖で行われた別の研究では、水深45mに設置された人工魚礁周辺で全長30cmのマアジを追跡したところ、日中は人工魚礁や天然礁の天端から高さ10m程度に留まり、夜間には礁を離れて水深5~10mの表層を遊泳する行動が確認されています。早朝には再び礁へ移動し、日中は礁周辺に集まるという明確な日周行動を示しました。

これらの研究からも、少なくともマアジでは、泳ぐ水深は一定ではなく、季節や昼夜などによって大きく変化することが分かります。

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昼と夜で変わる行動と泳層

アジの居場所を考えるうえでは、水深だけでなく昼と夜による行動の変化にも注目する必要があります。少なくともマアジでは、昼夜に合わせて泳ぐ水深だけでなく、居場所そのものを変える日周行動が確認されています。

佐渡島沖の人工魚礁で全長30cmのマアジを追跡した研究では、日中は人工魚礁や天然礁の天端から高さ10m程度に留まり、夜間になると礁から離れ、水深5~10mほどの表層を遊泳しました。その後、早朝には再び礁へ移動し、日中は礁周辺に集まるという明確な日周行動が確認されています。

東京湾で電子タグを使ってマアジを長期間追跡した研究でも、夜間は浅い水深、昼間はより深い水深を利用する日周的な鉛直移動が確認されています。佐渡島と東京湾という異なる海域で、異なる調査方法によって昼夜に伴う遊泳水深の変化が確認されていることは、アジの居場所を考えるうえで興味深い結果です。

ただし、これらの結果から「アジは昼間なら必ず底、夜なら必ず表層にいる」と考えることはできません。佐渡島の調査は特定の人工魚礁周辺で行われたもので、東京湾の研究も含め、いずれもマアジを対象とした研究です。海域や季節などによって行動が異なる可能性があり、マルアジ(アオアジ)が同じ日周行動を示すと断定することもできません。

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アジは何を食べているのか

アジは動物プランクトンや小型の甲殻類、小魚など、さまざまな生き物を捕食します。ただし、いつも同じものを食べているわけではなく、成長段階やその海域にいる餌生物によって食べるものは変化します。

小さなマアジでは、動物プランクトンが重要な餌となることがあります。九州南東海域で採集された体長10.7~51.6mmのマアジ稚魚123個体を調べた研究では、胃と腸から確認された餌生物の個体数の97.8%をカイアシ類が占めていました。また、稚魚が成長するにつれて、より大きな餌を選んで食べるようになることも確認されています。

成長したマアジも、小型甲殻類から魚類、イカ類までさまざまな生き物を捕食します。東シナ海の研究では、プランクトン性甲殻類と小型魚類が主要な餌となっており、成長に伴って食べるものの構成が変化することも確認されています。別の研究では、魚体が大きくなるにつれて魚類の餌としての重要性が高まる傾向も報告されています。

マルアジ(アオアジ)も、魚類、エビ類、カニ類、小型甲殻類、頭足類、多毛類など、さまざまな生き物を捕食します。マルアジでも成長に伴う食性の変化が確認されており、大きくなるにつれて、より高い栄養段階の餌を利用する傾向が報告されています。

このように、アジの食性は魚の大きさや、その場所にいる餌生物によって変化します

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エサが集まる場所とアジの居場所

アジが食べる動物プランクトンや小型甲殻類、小魚などは、海の中に均一に分布しているわけではありません。海水の動きや地形、栄養塩の供給などによって餌生物の分布には偏りが生じるため、アジの居場所も餌生物の分布と関係しています

プランクトンの分布と海洋環境

植物プランクトンが増殖するためには、光だけでなく窒素やリンなどの栄養塩が必要です。栄養塩が供給されやすい海域では植物プランクトンが増え、それを利用する動物プランクトンなどの生物も多くなることがあります。

その一例が湧昇(ゆうしょう)です。鹿児島湾口では、深い場所の海水が海面近くへ上がる湧昇が冬から春に頻繁に発生します。湧昇によって深層の栄養塩が表層へ供給されると、植物プランクトンの増殖につながり、さらに動物プランクトンなどの餌生物にも影響します。

鹿児島湾口と大隅海峡でマアジ仔魚の分布を調べた研究では、鹿児島湾口で植物プランクトン量の指標となるクロロフィルa濃度と、マアジ仔魚の餌となる生物の密度が高く、マアジ仔魚の密度も一貫して高いことが確認されています。この研究からも、少なくともマアジの仔魚期には、餌生物の豊富さが分布と関係していることが示されています

また、プランクトンの分布は、そこでどれだけ増殖するかだけで決まるわけではありません。異なる性質の水塊が接するフロントや、海水が収束する場所では、流れによって一部の動物プランクトンなどが局所的に集積することがあります。このように、海水の流れそのものが餌生物の分布を変化させることもあります。

小魚の分布と沿岸環境

成長したアジは、動物プランクトンや小型甲殻類だけでなく、小魚も捕食します。小魚も海中に均一に分布しているわけではなく、成長段階や魚種によって特定の環境に多く集まることがあります。

北西九州の漁港を調査した研究では、漁港内のスロープ(船揚場)で多くの魚類の稚魚や未成魚が確認され、こうした浅い場所が未成魚の育成場として機能する可能性が示されています。ただし、これはすべての漁港や魚種に共通するものではなく、海域や周辺環境によって小魚の分布は異なります。

このように、アジの餌となる生物の分布は、栄養塩の供給、プランクトンの増殖、潮流による集積、沿岸の地形や環境など、さまざまな要因によって変化します。餌生物の分布は、アジの分布や行動を考えるうえでも重要な要因の一つです。

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水温と季節による居場所の変化

アジの居場所は一年を通して一定ではなく、季節の進行とともに分布する海域や泳ぐ水深が変化します。マアジ、マルアジ(アオアジ)のどちらでも、季節によって分布する場所が変化することが確認されており、水温はこうした変化と関係する重要な環境要因の一つです。マアジには、冬に深い場所へ移動して春になると浅い場所へ戻ったり、水温の季節変化に伴って分布域を南北に移動したりすることを示した研究事例があります。

ただし、アジの居場所が水温だけで決まるわけではありません。餌生物の分布や海流、塩分、水深なども関係しており、魚の大きさや成長段階によっても、いる場所や泳ぐ水深、水温帯が異なることがあります。そのため、同じ水温でも海域や季節によってアジの分布は異なります。

また、水温と分布の関係はマアジとマルアジ(アオアジ)では異なります。マアジでは、東シナ海の0歳魚が高密度に分布する海域がおおむね底層水温15℃以上だったことが確認されています。一方、マルアジでも水温の季節変化に伴って分布する場所が変化しますが、多く分布する水温帯は海域や季節によって異なります。

釣り情報では「アジの適水温は○~○℃」と紹介されることもありますが、すべてのアジや海域に当てはまる一つの水温帯があるわけではありません。水温は「何℃なら釣れる」という絶対的な基準ではなく、季節とともにアジの居場所がどう変化しているかを考えるための手掛かりとして見る方が実態に合っています。

さらに、すべてのマアジが同じように移動するわけではありません。マアジには、沿岸の一定の海域にとどまる傾向が強い「居付き型」と、より広い範囲を移動する「回遊型」が知られています。こうした違いは、古くから「黄アジ」「黒アジ」などと呼び分けられてきましたが、体色だけから個体の移動履歴や行動を判断できるわけではありません。

そのため、季節が変わればすべてのマアジが一斉に別の海域へ移動するわけではありません。ある海域にとどまる個体群がいる一方で、季節や海洋環境の変化に伴って広く移動する個体群もいます。「季節によってアジの居場所は変わる」という基本的な傾向を押さえながら、地域によっては長期間同じ海域にいるマアジもいると考えるのがよいでしょう。

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光に対するアジの反応

マアジとマルアジ(アオアジ)は、人工光に対して反応することが確認されています。集魚灯を使った試験では、光の種類によって漁獲量が変化することも報告されており、アジ自身が光に反応することには一定の研究上の根拠があります

ただし、実際の海でアジが人工光の周辺に集まる現象を、アジ自身の光への反応だけで説明することはできません。夜間の光には動物プランクトンや小魚などの生物も集まるため、光によって変化する餌生物の分布が、アジの分布に影響している可能性も考えられます。

そのため、人工光の周辺にアジが集まる現象には、アジ自身の光に対する反応だけでなく、餌生物の分布など複数の要因が関係していると考える必要があります。

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アジが釣れるポイントの選び方

アジは群れで行動し、潮の流れやエサの分布、水温、時間帯などによって居場所や泳ぐタナを変えます。そのため、アジ釣りでは単に有名な釣り場を選ぶだけでなく、そのときアジの群れがどこにいるのかを考えてポイントを探すことが重要です。ここでは、これまで紹介したアジの生態をもとに、実際の釣り場でどのような場所を狙えばよいのかを解説します。

潮が動き、エサが集まる場所を探す

アジの居場所を探すときは、潮の流れとエサとなる生物の分布に注目します。前述したように、動物プランクトンや小型甲殻類、小魚などの餌生物は海中に均一に分布しているわけではありません。一部の動物プランクトンなどは海水の流れによって運ばれ、海水が収束する場所などに集積することがあります。そのため、釣り場ではまず、潮がどの方向へ流れているのか、どこで流れに変化が生じているのかを確認します。

漁港では、港口や堤防の先端、堤防の角など、周囲より潮が通りやすい場所が候補になります。また、潮目ができている場所や、流れの速さ・方向が変わっている場所も確認します。ただし、こうした場所に必ず餌生物やアジが集まるわけではありません。

「港口だから釣れる」「潮目があるから釣れる」と地形や見た目だけで判断するのではなく、その日に実際に潮が動いているか、餌となる生物がいるかを見ることが大切です。水面に小魚の群れが見えたり、小魚が何かに追われて逃げる様子が見られたりする場所は、捕食魚が周辺にいる可能性を考える手掛かりになります。

目に見える小魚がいない場合でも、アジは動物プランクトンや小型甲殻類などを食べていることがあるため、「小魚が見えない=アジがいない」とは限りません。潮の流れや水面の変化、小魚などのベイトの有無を観察しながら、その日に餌が集まっている場所を探すことがポイント選びの手掛かりになります。

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水深とタナを変えながら群れを探す

アジの群れは、いつも同じ水深を泳いでいるわけではありません。前述したように、少なくともマアジでは、昼夜や季節によって泳ぐ水深が変化することが確認されています。そのため、ポイントを選ぶときは一つの水深だけに狙いを絞らず、浅いタナから深いタナまで探れる場所を候補にします。

漁港では、港口や船道など周囲より水深のある場所や、浅場から深場へ水深が変化する場所も候補になります。ただし、こうした場所にアジが必ず集まるわけではなく、「深い場所ほど釣れる」「カケアガリなら釣れる」と決めつけることはできません。重要なのは、その日にアジの群れが泳いでいるタナを探すことです。

釣り始めは一つのタナに決めつけず、表層・中層・底付近と仕掛けを通す水深を変えながら反応を探します。サビキ釣りでは仕掛けを入れる深さを変え、アジングではルアーを沈める時間を変えることで、異なるタナを探ることができます。アタリがあったり1匹釣れたりしたら、その周辺にほかの個体もいる可能性があるため、まず同じタナをもう一度狙います

それまで釣れていたタナで反応がなくなった場合も、すぐにそのポイントからアジがいなくなったとは限りません。群れが移動したり、泳ぐ水深が変わったりしている可能性もあるため、まずは上下のタナを探り直します。それでも反応がなければ投入する方向や距離も変え、縦方向と横方向の両方から群れの位置を探し直すとよいでしょう。

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夜は常夜灯周辺を探す

夜のアジ釣りでは、常夜灯周辺は代表的な一級ポイントです。漁港の常夜灯によって海面や水中が照らされている場所ではアジが釣れることが多く、夜釣りではまず確認しておきたい場所の一つです。

人工光とアジの関係には研究上の裏付けもあります。マアジとマルアジ(アオアジ)を対象とした集魚灯の試験では、光の種類によって漁獲量に違いが生じることが確認されています。また、マアジを対象とした研究では、水中灯によって集まった餌生物を捕食することも確認されています。人工光そのものへの反応に加えて、光の周辺に集まる餌生物も、アジが集まる要因の一つになっている可能性があります

一つの常夜灯で反応がなければ、別の常夜灯へ移動して群れを探すのも有効です。

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アジ釣りで狙いやすい季節と時間帯

アジは一年を通して狙える地域もありますが、季節によって釣れやすさや釣れるサイズ、群れが現れる場所は変化します。地域や海域による違いはあるものの、沿岸のアジ釣りには季節ごとにある程度共通した傾向があり、そのパターンを知っておくことは釣行時期を決める手掛かりになります。また、一日の中でも昼と夜で群れの居場所や泳ぐタナが変化することがあります。ここでは、季節によるアジの釣れ方の変化と、時間帯による行動の違いをもとに、アジを狙いやすい季節と時間帯について解説します。

アジが狙いやすい季節

アジは地域によっては一年を通して狙えますが、岸から釣りやすい時期にはある程度の季節的な傾向があります。一般的には春から秋にかけて釣果を期待しやすく、特に夏から秋は岸から数釣りを楽しみやすい時期です。一方、冬は岸から釣れるアジが少なくなる地域もあります。

ただし、このページで扱うマアジとマルアジ(アオアジ)では、分布や季節的な移動が同じではありません。マアジでは、黒潮沿岸域の研究で、春に小型の若魚が広い範囲で現れる一方、海域によっては秋にも新たな若魚が現れることが確認されています。春に現れる若魚には南部東シナ海で生まれた個体が多く含まれると考えられていますが、沿岸の産卵場で生まれた個体も加わるため、地域によってアジが増える時期や釣れるサイズは異なります。

マルアジでは、少なくとも紀伊水道周辺で明瞭な季節回遊が確認されています。2歳以上の成魚は春に産卵のため北上し、夏から初秋には索餌する海域へ移動し、晩秋には越冬する海域へ南下します。このように、マアジとマルアジでは季節的な分布の変化が異なるため、以下の春・夏・秋・冬の説明は、両種に共通する厳密な生活史ではなく、日本の沿岸で行われるアジ釣りのおおまかな季節傾向として考えてください。

春:沿岸で釣果が増え始める時期

春になると、沿岸でアジの釣果が増え始める地域があります。地域によっては比較的大型のアジを岸から狙えることもあります。また、マアジでは黒潮沿岸域の多くの海域で春に若魚が現れることが確認されています。

夏:豆アジ・小アジを狙いやすい時期

夏は、漁港や堤防などで豆アジや小アジの群れを狙いやすくなる地域が多く、サビキ釣りなどで数釣りを楽しみやすい時期です。マアジでは、黒潮沿岸域で春に現れた若魚が成長し、夏にかけて魚体が大きくなっていくことも確認されています。ただし、沿岸に現れる時期やサイズは地域によって異なります。

秋:数とサイズの両方を期待しやすい時期

秋は、夏よりも大きなアジを岸から狙える地域が多く、群れが沿岸に入れば数釣りも期待できます。そのため、一年の中でも数とサイズの両方を期待しやすい時期です。マアジでは、海域によって秋に新たな若魚が現れることも確認されています。

冬:地域や釣り場による差が大きくなる時期

冬になると、岸からアジを釣りにくくなる地域があります。一方で、冬でも岸から狙える地域や釣り場があります。そのため、冬は「アジが釣れない季節」というより、地域や釣り場による差が大きくなる時期と考えるのがよいでしょう。

まとめ: このように、岸からのアジ釣りでは春から秋を中心に狙いやすく、特に夏から秋は数釣りを期待しやすいという大まかな季節パターンがあります。ただし、マアジとマルアジの違いに加え、地域、海流、水温、餌の分布などによって釣れる時期やサイズは変化します。大まかな季節パターンを目安にしながら、その地域でいつ、どのサイズのアジが釣れているのかを確認することが重要です。

産卵期前後の「乗っ込み」は大型アジを狙えるチャンス

アジ釣りでは、産卵期前後に大型のアジを狙える時期を「乗っ込み」と呼ぶことがあります。産卵を控えた大型のアジが沿岸で釣れるようになることから、サイズを狙う釣り人にとって期待の大きい時期です。

*アジの産卵期や産卵に伴う移動は地域によって異なり、マアジとマルアジ(アオアジ)でも同じではありません。

  • マアジ(東シナ海から九州西方海域の例)

    ● 大型・中型魚:尾叉長26cm以上の大型・中型魚は11~6月に産卵
    ● 小型魚:1~5月に産卵

    参考文献:依田真里・大下誠二・檜山義明(2004)「漁獲統計と生物測定によるマアジ産卵場の推定」(東シナ海から九州西方海域を対象とした研究)『水産海洋研究』68巻1号, pp.20–26

  • マルアジ(紀伊水道周辺の例)

    紀伊水道周辺では、2歳以上の成魚は春になると紀伊水道外域から紀伊水道や播磨灘方面へ北上し、産卵後は夏から初秋にかけて索餌する海域へ移動します。同海域では4~8月が産卵期とされ、生殖腺重量指数は春から上昇して6月ごろに高くなることが報告されています。

    参考文献:武田保幸(2002)「紀伊水道周辺海域におけるマルアジの回遊」『水産海洋研究』66巻1号, pp.26–33

また、釣りの世界では、産卵を控えたアジは産卵に必要なエネルギーを蓄えるために活発にエサを食べるようになり、いわゆる「荒食い」をするともいわれています。こうした時期に大型のアジを狙えることも、「乗っ込み」が釣り人から期待される理由の一つです。

このように、「乗っ込み」の時期は単純に全国共通の春と考えるのではなく、その地域でどのアジが、いつ産卵期を迎えるのかを見ることが重要です。地域によっては産卵期前後に大型のアジを岸から狙えるため、数釣りとは違った「大型狙いのシーズン」として注目する価値があります。

地域別のアジ釣りシーズンの目安

地域 狙いやすい時期の目安 特徴
九州南部
南西日本
春~秋中心
場所によって冬も
暖かい海域では釣期が比較的長い。マアジに加えてマルアジ(アオアジ)も重要で、冬でも岸から狙える地域・釣り場がある。
九州北部~
中国・四国
春~晩秋中心 春から沿岸で狙えるようになり、夏~秋は小型から中型のアジを数釣りしやすい。日本海側・瀬戸内海側・太平洋側で時期に差がある。
近畿~東海 春~秋中心 夏~秋が岸釣りの中心になりやすい。紀伊半島周辺などではマルアジも狙える。
関東 春~秋中心
場所によって冬も
東京湾などではマアジが冬も生息するが、季節によって群れの居場所や泳ぐ水深が大きく変化する。
東北・北海道 主に夏~秋 南日本より岸から狙える時期が限られる傾向があり、特に北海道では地域や年による差も大きい。

※釣期は地域や年によって異なります。上表は岸からのアジ釣りについて、おおまかな季節傾向を示したものです。

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アジが狙いやすい時間帯

アジは昼夜を問わず釣れる魚ですが、一日の中でも釣れやすさは一定ではありません。一般に日の出前後の朝マズメと、日没前後の夕マズメはアジを狙いやすい代表的な時間帯として知られています。また、夜は常夜灯のある漁港などが有力なポイントとなり、条件によっては夜間を通して釣れ続くこともあります。

朝マズメ:日の出前後は有力な時間帯

夜が明け始めるころから日の出後しばらくまでの朝マズメは、アジ釣りで特に期待される時間帯の一つです。短時間にまとまった釣果が出ることもあり、実釣では古くから重要な時間帯として知られています。

マアジを対象とした佐渡島のバイオテレメトリー調査では、夜間に人工魚礁を離れて水深5~10mほどの浅い層を泳いでいた個体が、早朝になると再び魚礁へ戻る行動が確認されています。東京湾の研究でも、マアジは夜間に浅く、昼間に深くなる日周的な水深変化を示しました。こうした研究から、少なくともマアジでは、昼夜の移り変わりにともなって群れの居場所や泳ぐ水深が変化することが分かっています。

*ただし、こうした行動変化が朝マズメの釣れやすさを直接説明するものではありません。

日中:群れのいる場所とタナを探す

日中でもアジを釣ることはできます。マアジでは、夜間より昼間の方が深い水深を泳ぐ行動が確認されています。そのため、表層だけに狙いを絞らず、中層や底付近も含めて群れのいるタナを探ることが重要です。漁港内に群れが入っている場合には、日中でもサビキ釣りなどで数釣りできることがあります。

夕マズメ:日没前後も狙いやすい

夕方から日没前後にかけての夕マズメも、アジ釣りでは代表的な時間帯です。マアジでは昼と夜で泳ぐ水深や行動範囲が変化することが研究で確認されていますが、夕マズメに特に釣れやすくなる仕組みまで明らかになっているわけではありません。それでも実釣では、朝マズメと並んでアジを狙う有力な時間帯として知られています。

夜:常夜灯周辺も有力なポイント

日没後もアジは狙うことができます。特に漁港の常夜灯周辺は夜のアジ釣りを代表する一級ポイントです。人工光とアジの関係については、マアジとマルアジ(アオアジ)を対象とした集魚灯の試験で、光の種類によって漁獲量に違いが生じることが確認されています。また、マアジでは水中灯によって集まった餌生物を捕食することも確認されています。

ただし、一日のどの時間帯が最も釣れるかは、季節や潮、釣り場、群れの位置などによって変わります。朝夕のマズメを有力な時間帯として考えながら、日中は群れのいるタナを探し、夜は常夜灯周辺も候補にするというのが、時間帯を考えたアジ釣りの基本です。

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アジを岸から狙う主な釣り方

岸からアジを狙う方法には、サビキ釣りをはじめ、ウキサビキ釣り(遠投サビキ釣り)、カゴ釣り、ウキ釣り、アジング、メタルジグなどがあります。同じアジを狙う釣りでも、得意とするポイントや狙える距離、釣りやすいサイズなどが異なります。まずは、それぞれの特徴を比較してみましょう。

釣り方 狙いやすいサイズ 有効なポイント・シーン 主なメリット
サビキ釣り 小型~中型中心 漁港・堤防の足元。アジの群れが岸近くまで入っているとき 初心者でも始めやすく、群れがいれば短時間で数釣りを狙える
ウキサビキ釣り
(遠投サビキ釣り)
小型~中型
良型も狙える
足元まで群れが入らないとき。沖の深場や潮目などを狙いたいとき サビキ釣りの数釣り性能を生かしながら、沖の群れを狙える。ウキでタナを調整できる
カゴ釣り 中型~大型 沖の潮目・深場・回遊ルートなど。岸近くまで寄らない良型を狙うとき 遠投でき、撒き餌と付け餌を組み合わせて沖の良型を狙いやすい
ウキ釣り 小型~大型 漁港・堤防など。狙うタナを決めて、オキアミなどの付け餌を自然に漂わせたいとき 狙うタナを調整しやすく、付け餌を使って1尾ずつ狙える
アジング 小型~中型中心
良型も狙える
漁港・堤防・常夜灯周辺・潮の流れが変化する場所など。特に夜釣り 撒き餌や生エサを使わず手軽に楽しめ、ルアーを操作してアジを探して釣る面白さがある
メタルジグ 中型~大型中心 沖を回遊するアジを狙うとき。潮通しのよい堤防・磯・深場など 遠投性能が高く、表層から底まで広い範囲をテンポよく探れる

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サビキ釣り

サビキ釣りは、アミエビなどの撒き餌でアジの群れを寄せ、複数の疑似餌針が付いたサビキ仕掛けで釣る方法です。漁港や堤防から手軽に楽しめる代表的なアジ釣りで、特に豆アジや小アジが岸近くまで回遊する時期には数釣りを狙いやすく、初心者にも始めやすい釣り方です。

サビキ釣りの仕掛け

サビキ仕掛けには、1本の幹糸から複数の枝針が出ており、それぞれの針に魚皮やスキン、フラッシャーなどが付いています。これらを撒き餌の中に紛れ込ませ、アジに餌と思わせて食わせるのが基本です。

サビキ針には、ピンクや白などのスキンを巻いたもの、サバ皮などの魚皮を使ったもの、フラッシャーや反射素材を組み合わせたものなど、さまざまな種類があります。ピンク系のスキンはアミエビなどを模した定番のサビキで、魚皮やフラッシャーを使ったタイプは、水中での動きや反射によってアジにアピールします。

どのタイプがよく釣れるかは、その日の水の濁りや明るさ、アジが食べている餌などによって変わることがあります。朝夕のマズメ時や曇天、濁りがある状況では、発光素材や反射素材などアピール力のあるサビキが使われることもあります。反応が悪い場合は、スキンの色や魚皮、フラッシャーなどの種類を変えて試してみるのも一つの方法です。

撒き餌を入れるカゴを仕掛けに取り付ける場合は、サビキ仕掛けの上側にカゴを付ける上カゴ式と、仕掛けの下側にカゴを付ける下カゴ式があります。使用する仕掛けや釣り場に合わせて使い分けます。

針の大きさやサビキの種類は、狙うアジのサイズに合わせることが重要です。豆アジなどの小型魚を狙う場合は小さな針を使い、魚が大きくなるにつれて針や仕掛けもサイズを上げていきます。

アジ用サビキ仕掛けの図解。ロッド(万能竿・磯竿)、中型スピニングリール、道糸ナイロン3号、発泡シモリ、市販サビキ仕掛け、オモリ付きプラカゴまたはナス型オモリの接続構成
アジ用サビキ仕掛けの図解。ロッド(万能竿・磯竿)、中型スピニングリール、道糸ナイロン3号、発泡シモリ、市販サビキ仕掛け、オモリ付きプラカゴまたはナス型オモリの接続構成

【アジのサビキ釣り基本仕掛け図】カゴやオモリの重さは、使用する竿の錘負荷や、釣り場の水深、潮の速さに合わせて8〜15号の間で調整してください。撒き餌を柄杓で巻く場合は、プラカゴの代わりにナス型オモリ(8~15号程度)を取り付けてもOK。

サビキ針のサイズと狙うアジの大きさ

サビキ釣りでは、狙うアジの大きさに合わせて針のサイズを選びます。小さなアジに大きすぎる針を使うと口に入りにくくなるため、豆アジには小さな針を使用し、アジが大きくなるにつれて針のサイズも上げていくのが基本です。

アジの大きさ 針サイズの目安 使い方の目安
極小の豆アジ 0.5~2号程度 ごく小さなアジを狙う場合。豆アジ専用の極小針を使う。
豆アジ~小アジ 2~4号程度 夏場などに岸近くへ回遊する小型のアジを狙う場合。
小アジ~中型 4~6号程度 堤防のサビキ釣りで幅広く使いやすいサイズ。
中型~良型 6~8号程度 成長したアジを狙う場合。魚の大きさに合わせてハリスや幹糸の太さも確認する。
良型~大型 8~10号程度 大型のアジを狙う場合。太めのハリスを使用した仕掛けも選択肢になる。

※サビキ針には小アジ針、袖針、アジ針などさまざまな形状があり、同じ号数でも針の種類やメーカーによって実際の大きさや軸の太さが異なります。また、魚の活性や使用するサビキによって適したサイズも変わるため、市販仕掛けではパッケージに記載された対象魚や針の種類も確認してください。

カゴと柄杓による撒き餌の使い分け

サビキ釣りでは、仕掛けにカゴを取り付けて撒き餌を沈める方法のほか、カゴを使わず、柄杓でアミエビなどを直接撒く方法もあります。それぞれに得意な状況があるため、水深や潮の流れ、アジのいるタナに合わせて使い分けます。

カゴを使う方法の大きなメリットは、狙うタナの近くまで撒き餌を運べることです。水深がある場所やアジが中層から底付近にいる場合でも、仕掛けと一緒にカゴを沈めてから撒き餌を出すことができます。そのため、深いタナでサビキ針と撒き餌を合わせやすくなります。

一方、柄杓で撒く方法は、撒き餌の量やタイミング、投入する場所を仕掛けとは別に調整できます。また、カゴがないため仕掛けが軽くシンプルになり、足元の表層から比較的浅いタナにアジの群れがいる場合には、手返しよく釣ることができます。少量の撒き餌を繰り返し投入し、群れを足元に留めながら釣ることもできます。

ただし、水深がある場所や潮の流れが速い場所では、表層から撒いた撒き餌が沈む途中で流され、サビキ仕掛けと同じ場所・タナに合わせにくくなります。浅いタナを足元で狙う場合は柄杓、深いタナまで撒き餌を届けたい場合はカゴというのが、使い分けの一つの目安です。

サビキ釣りの基本的な釣り方

プラカゴを使う場合は、カゴにアミエビなどの撒き餌を入れ、仕掛けを狙うタナまで沈めます。仕掛けが狙いのタナに届いたら、ロッドをシャクって仕掛けを引き上げ、その後ゆっくりと元のタナへ戻します。この操作によってカゴから撒き餌が放出され、沈みながら広がる撒き餌の中にサビキ仕掛けを入れることで、アジにサビキ針を食わせます。

仕掛けを引き上げる幅は、サビキ仕掛けの長さを一つの目安にすると分かりやすくなります。カゴから放出された撒き餌の中へ仕掛け全体を戻すことで、複数のサビキ針を撒き餌の広がる範囲に入れやすくなります。ただし、潮が速い場合は撒き餌が横へ流されるため、流れる方向も見ながら仕掛けの位置を調整します。

撒き餌を出した後は、必要以上に仕掛けを動かさず、しばらくそのタナでアタリを待ちます。魚信がなければ、再びロッドをシャクってカゴから撒き餌を出し、同じ操作を繰り返します。何度か繰り返してカゴの撒き餌が少なくなったら仕掛けを回収し、撒き餌を補充して再び投入します。

※撒き餌がなくなるまでの回数は、カゴの大きさや形状、網目、詰める撒き餌の量や状態、シャクリ方などによって変わります。15号前後のプラカゴでは2~3回程度の操作で撒き餌を使い切る場合もありますが、回数はあくまで目安として考えてください。

下カゴ式サビキ仕掛けの釣り方図解。仕掛けの長さ分だけ上に引き上げ(①)、その後、狙いダナまで一気に落としてカゴから撒き餌を拡散させる(②)という海中でのコマセ同調アクションの解説。
下カゴ式サビキ仕掛けの釣り方図解。仕掛けの長さ分だけ上に引き上げ(①)、その後、狙いダナまで一気に落としてカゴから撒き餌を拡散させる(②)という海中でのコマセ同調アクションの解説。

下カゴ式サビキでの撒き餌(コマセ)の拡散方法】仕掛けを一度大きく持ち上げてから、狙いのタナへ急降下させることで、カゴの中のエサが一気に飛び出して針の周りに綺麗な煙幕を作ります。

柄杓で撒き餌をする場合は、アミエビなどを少量ずつ撒き、その中へサビキ仕掛けを入れます。撒き餌が沈む位置や潮に流される方向を見ながら、撒き餌とサビキ針が同じ場所・タナに入るようにすることがポイントです。

アジが掛かっても、基本的には大きく合わせる必要はありません。竿先や手元に伝わるアタリを確認しながら巻き上げます。ただし、豆アジや小アジの大きな群れが入っているときは、1尾掛かるたびにすぐ仕掛けを回収するのではなく、少し待ってほかの針にも食わせる「追い食い」を狙うと、複数のアジを一度に釣ることができます。

追い食いを狙う場合は、最初のアジが掛かったタナを大きく外さないように仕掛けを保ちます。群れの活性が高ければ、ほかの針にも次々とアジが掛かることがあります。複数の針に掛けることができれば、1尾ずつ回収するよりも手返しよく数を伸ばすことができます

*長く待ちすぎると掛かったアジが暴れて仕掛けが絡んだり、魚が外れたりすることがあります。すべての針に掛かるまで待つ必要はなく、数尾掛かったところで取り込むなど、群れの大きさやアジの活性に合わせて判断します。

アジのいるタナを探す

サビキ釣りで特に重要なのが、そのときアジの群れが泳いでいるタナを見つけることです。アジは常に同じ水深にいるわけではなく、時間帯や潮の流れ、餌の分布などによって泳ぐ水深を変えます。

堤防や漁港のサビキ釣りでは、底層から中層付近が狙いとなることが多いため、釣り場に着いたらまず底付近から探ってみるのが一つの方法です。仕掛けを海底まで沈め、着底したら少し巻き上げて、底から50cm~1mほど上を狙います。リールによって巻き取り量は異なりますが、一般的なスピニングリールならハンドル1回転前後が一つの目安になります。

底付近で反応がなければ、仕掛けを少しずつ上げながら中層まで探っていきます。反対に、アジが表層まで浮いている場合もあるため、水面近くに群れが見えるときや、底から中層まで探って反応がないときは、表層も確認してみましょう。底から上へ順番に探ることで、そのときアジがいるタナを絞り込むことができます

アジが釣れたら、そのとき仕掛けを入れていたタナを覚えておくことが重要です。同じ群れがその水深に留まっている間は、同じタナへ仕掛けを入れることで連続して釣れる可能性があります。反応がなくなった場合は、群れが移動したり泳ぐ水深が変わったりした可能性もあるため、再び底付近から中層、必要に応じて表層まで探り直します。

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ウキサビキ釣りと遠投サビキ釣り

ウキサビキ釣り遠投サビキ釣りは、どちらもサビキ仕掛けにウキを組み合わせ、足元より沖にいるアジを狙う釣り方です。ウキ止めの位置を調整することで狙うタナを設定でき、足元のサビキ釣りでは仕掛けが届かない場所まで探ることができます。

基本的な仕組みは通常のサビキ釣りと同じで、アミエビなどの撒き餌をカゴから放出し、その周囲に複数のサビキ針を漂わせてアジに食わせます。ただし、近い沖を手軽なタックルで狙う場合と、遠投用のタックルを使って沖の深場まで狙う場合では、適した竿や道糸、ウキ、カゴなどが異なります。

当サイトにおける「ウキサビキ」と「遠投サビキ」の定義

ネットや釣具店では「飛ばしサビキ」「投げサビキ」などさまざまな名称が使われており、それぞれの呼び方に明確な境界があるわけではありません。当サイトでは読者の皆様が迷わないよう、仕掛けの手軽さと狙う距離を基準として、「ウキサビキ」と「遠投サビキ」の2つに分けて解説します。

釣り方 狙う距離の目安 主なタックル 主なターゲット 特徴・メリット
ウキサビキ
ちょい投げ・中近距離狙い
10~20m程度を中心とした比較的近い沖 万能竿やコンパクトロッドなど、通常のサビキ釣りにも使えるタックル 豆アジ・
小アジ~中アジ
通常のサビキタックルにウキ仕掛けを追加して、足元より少し沖まで狙う方法です。足元では反応がないときに、少し沖の潮目や港内の深い場所、堤防基礎の先などまで狙う範囲を広げることができます。
遠投サビキ
遠距離・深場狙い
30m以上の沖 3号前後の遠投磯竿など、遠投に対応した竿とリール、比較的太い道糸 中アジ~大アジ 比較的重いウキやカゴを使って仕掛けを遠投し、岸近くからでは届かない沖の深場や回遊ルートまで探る方法です。沖を回遊する良型アジを狙う場合にも有効です。

※「ウキサビキ」「遠投サビキ」という名称や距離による区分には、釣り業界で統一された明確な定義があるわけではありません。ここで示した距離は、当サイトで両者を分かりやすく区別するための目安です。実際に狙える距離は、使用するタックルや仕掛け、釣り場の状況などによって変わります。

ウキサビキ釣り

ウキサビキは、足元で使う通常のサビキタックルを利用しながら、ウキを追加して少し沖まで狙う方法です。万能竿やコンパクトロッドなどでも楽しむことができ、専用の遠投タックルを用意しなくても始めやすいのが特徴です。

足元ではアジが釣れないものの、少し沖に群れがいる場合や、潮目、港内の深い場所、堤防基礎の先などを狙いたい場合に有効です。遠くへ飛ばすことよりも、足元のサビキ釣りでは届かなかった範囲まで仕掛けを送り、ウキでタナを設定して探ることを目的とします。

アジのウキサビキ(ちょい投げサビキ)仕掛けの図解。万能竿や磯竿などの通常タックルをベースに、ウキ止め糸、シモリ玉、サビキウキ、からまん棒を追加し、市販サビキとオモリ付きプラカゴを繋いだ構成
アジのウキサビキ(ちょい投げサビキ)仕掛けの図解。万能竿や磯竿などの通常タックルをベースに、ウキ止め糸、シモリ玉、サビキウキ、からまん棒を追加し、市販サビキとオモリ付きプラカゴを繋いだ構成

【ウキサビキ仕掛け図】足元狙いの通常タックルにウキ一式を加えた仕掛け。竿先では届かない少し先の潮目など、比較的近い沖のポイントを手軽に狙う際に非常に有効です。
ロッド:ウキやカゴ、撒き餌を加えると仕掛け全体が重くなります。使用するカゴやオモリの重さが、竿の錘負荷の範囲内に収まっていることを確認してください。
ウキ:プラカゴと中に入れる撒き餌の重さに対応した浮力のものを選びます。

遠投サビキ釣り

遠投サビキは、3号前後の遠投磯竿などを使用し、ウキとサビキ仕掛け、撒き餌カゴを沖へ遠投してアジを狙う方法です。ウキサビキよりも重い仕掛けを扱うため、竿の錘負荷や道糸の強度を確認し、使用するウキやカゴに適したタックルを組み合わせます。

岸近くからでは届かない沖の深場や、沖側を回遊するアジの群れまで狙えるのが大きな特徴です。特に、良型のアジの群れが沖を回遊している場合には、遠投によってその群れを直接狙えることがあります。中アジから大アジを狙って、より広い範囲を探りたい場合に適した釣り方です。

ウキ下を調整してアジのタナを探す

ウキサビキ、遠投サビキのどちらでも重要なのが、アジの群れがいるタナを見つけることです。ウキ止めの位置を調整してウキ下を変え、底付近から中層を中心に探ります。アジが釣れたら、そのときのウキ下を基準にして同じタナを繰り返し狙います。

水深が分からない場合は、ウキ下を調整しながら底付近の水深を確認します。仕掛けが海底に着いたままになるとウキが倒れたり、正しく立たなかったりするため、その状態を目安にウキ下を少し短くします。底付近の位置が分かったら、そこからウキ下を少しずつ短くして、より浅いタナへ変えながら反応を探ります。

一方、表層付近にアジの群れが見えている場合は、最初から浅いタナ(ウキ下を短くした状態)を狙うこともできます。狙う距離だけでなく、ウキ下も変えながら群れを探すことが重要です。

基本的な釣り方

カゴにアミエビなどの撒き餌を入れ、仕掛けを狙う場所へ投入します。仕掛けが設定したタナまで沈んでウキが安定したら、竿を軽くあおってカゴから撒き餌を出します。撒き餌とサビキ針が同じ場所・タナに入るようにすることがポイントです。

撒き餌を出した後は、ウキの動きを見ながらアタリを待ちます。アジが掛かると、ウキが沈んだり、横へ走ったり、細かく動いたりします。アタリがあったら糸フケを取り、竿をゆっくり引いて針掛かりさせてから巻き上げます。強く大きく合わせる必要はありません。

豆アジや小アジの群れを狙うウキサビキでは、足元のサビキ釣りと同じように、1尾掛かったあと少し待って追い食いを狙うこともできます。ただし、待ちすぎると仕掛けが絡んだり魚が外れたりするため、数尾掛かったところで回収するなど状況に合わせて判断します。

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3. カゴ釣り

カゴ釣りは、カゴに入れたアミエビやオキアミなどの撒き餌と、針に付けた付け餌を組み合わせてアジを狙う釣り方です。サビキ釣りが複数の疑似餌針を撒き餌の中に紛れ込ませて食わせるのに対し、カゴ釣りではオキアミなどの付け餌を使い、カゴから放出された撒き餌と付け餌を同調させて食わせるのが基本です。

比較的軽い仕掛けを使う方法もありますが、岸からアジを狙う場合には、遠投用のタックルを使って沖の深場や潮目などを狙う遠投カゴ釣りが代表的です。ここでは、アジ狙いの遠投カゴ釣りを中心に解説します。

遠投カゴ釣りのタックルと仕掛け

遠投カゴ釣りでは、遠投に対応した磯竿とスピニングリールを使い、遠投ウキ、天秤、遠投カゴ、ゴムクッション、ハリス、針を組み合わせます。使用するカゴの重さや釣り場の水深、潮の速さなどによって適した組み合わせは変わりますが、アジ狙いでは次のようなタックルが一つの目安になります。

パーツ 目安 選び方・役割
ロッド 遠投磯竿3号前後 遠投カゴを投げられる遠投タイプを使用します。使用するカゴやオモリの号数が、竿の錘負荷に適合していることを確認します。
リール 中型スピニングリール
4000番前後
遠投に必要な量の道糸を巻けるものを使用します。番手表記や糸巻量はメーカーによって異なるため、4000番は目安として考えます。
道糸 ナイロン3~4号程度 遠投時の負荷や狙うアジの大きさに合わせて選びます。重い仕掛けを強く遠投する場合は、より太い道糸や力糸を使用することもあります。
ウキ 羽根付き遠投ウキ・中通しウキ
8~12号程度
カゴ、オモリ、撒き餌などの重さとのバランスに合った浮力を選びます。夜釣りでは、発光体を装着できるタイプや電気ウキを使用するとアタリを確認しやすくなります。
天秤 小型天秤・カゴ釣り用天秤 道糸側に遠投カゴを取り付け、反対側にゴムクッション、ハリス、針を接続します。
カゴ オモリ付き遠投カゴ
8~12号程度
アミエビやオキアミなどの撒き餌を入れます。遠投しやすく、狙ったタナで撒き餌を放出できるタイプを使用します。
ゴムクッション 太さ1.5~2mm程度
長さ20~30cm程度
天秤とハリスの間に接続します。ハリス2号程度なら1.5mm、ハリス3号程度なら2mmが一つの目安です。ハリスの絡みを抑えるとともに、魚が掛かったときの急激な負荷を緩和します。
ハリス 2~3号程度
2~3m程度
狙うアジの大きさや潮の速さ、仕掛けのなじみ方などに合わせて太さと長さを調整します。
グレ針5~8号程度
チヌ針1~3号程度
オキアミなどの付け餌の大きさや、狙うアジのサイズに合わせて選びます。

※上記はアジを狙う遠投カゴ釣りの一例です。使用するカゴの重さや釣り場の水深、潮の速さ、狙うアジの大きさなどによって適したタックルや仕掛けは変わります。

【仕掛けの接続順】

道糸には、ウキ止め → シモリ玉 → 遠投ウキ → からまん棒の順に取り付け、その下に天秤を接続します。天秤の道糸側には撒き餌を入れる遠投カゴを取り付け、反対側にはゴムクッション → ハリス → 針の順に接続します。

ウキ止めの位置を動かすことでウキ下を調整できるため、沖の深場でも狙うタナを設定できます。ウキは、カゴやオモリ、撒き餌などの重さとのバランスに合った浮力のものを選びます。また、使用するカゴやオモリの号数が、竿の錘負荷に適合していることを確認します。

アジ狙いの遠投カゴ釣り仕掛けの図解。遠投磯竿3号、スピニングリール4000番前後、道糸ナイロン3号に、上からウキ止め糸、シモリ玉、ウキスイベル, 羽根付き遠投ウキ 10号、からまん棒、スナップスイベル, 遠投天秤天秤(オモリ付き遠投カゴ10号を接続)、ゴムクッション、ハリス2号3m、グレ針6号、付け餌オキアミの順で接続された構成
アジ狙いの遠投カゴ釣り仕掛けの図解。遠投磯竿3号、スピニングリール4000番前後、道糸ナイロン3号に、上からウキ止め糸、シモリ玉、ウキスイベル, 羽根付き遠投ウキ 10号、からまん棒、スナップスイベル, 遠投天秤天秤(オモリ付き遠投カゴ10号を接続)、ゴムクッション、ハリス2号3m、グレ針6号、付け餌オキアミの順で接続された構成

【遠投カゴ仕掛け図】沖合の深場に潜む中アジ・大アジをダイレクトに狙う「遠投カゴ釣り」の基本仕掛け。天秤を介して長いハリスを同調させるため、サビキ仕掛けを警戒する大型のアジにも違和感なく付け餌を食わせることができます。

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コラム:アジ釣りなのに、なぜグレ針やチヌ針を使う?

アジを狙う遠投カゴ釣りの仕掛けでは、「アジ針」ではなくグレ針やチヌ針が使われることがあります。アジを釣るのに、なぜ別の魚の名前が付いた針を使うのでしょうか。

遠投カゴ釣りでは、付け餌を付けた状態で仕掛けを遠くまで投げます。キャスト時の衝撃でオキアミがずれたり外れたりすることがあるため、遠投時の餌持ちを重視したグレ針やチヌ針も適しています。実際に、遠投時のオキアミのずれを防ぐことを目的としたグレ針やチヌ針も市販されています。

また、中型から大型のアジを狙う場合には、魚の大きさや使用するハリスに合わせて、十分な軸径と強度を持つ針を選ぶ必要があります。グレ針やチヌ針にはさまざまな大きさや強度の製品があるため、こうした条件に合わせて選ぶことができます。

つまり、グレ針やチヌ針を使うのは「グレやチヌも釣れるから」という単純な理由ではありません。オキアミを付けやすく、遠投しても餌を保持しやすい針を選べ、狙うアジの大きさに応じた強度も確保できるという、遠投カゴ釣りの条件に適した製品が多いためです。

もちろん、アジ針が使えないわけではありません。アジ針を採用したカゴ釣り仕掛けもあります。針に付いた魚種名だけで判断するのではなく、付け餌や釣り方、狙う魚のサイズに適した針を選ぶことが大切です。

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撒き餌と付け餌

遠投カゴ釣りでは、カゴに入れる撒き餌と、針に付ける付け餌の両方を使用します。アジ狙いでは、撒き餌にはアミエビやオキアミなどを使い、付け餌にはオキアミや刺しアミなどを使用するのが一般的です。

【撒き餌】

撒き餌は、カゴから海中へ放出してアジを仕掛けの周囲へ寄せ、付け餌を食べやすい状況をつくるために使用します。アミエビやオキアミを使用するほか、必要に応じて配合餌を混ぜることもあります。

使用するカゴの構造に合わせて、狙ったタナで撒き餌が適度に放出されるように量や詰め方を調整します。仕掛けを回収したときに撒き餌が大量に残っている場合や、狙ったタナへ到達する前にほとんど出てしまう場合は、撒き餌の量や詰め方、カゴの放出量などを調整します。

【付け餌】

付け餌には、オキアミや刺しアミなどを使用します。オキアミを使う場合は、針から外れにくく、できるだけ自然な形になるように取り付けます。オキアミは身が柔らかいため、遠投するときには投入時に針から外れないよう丁寧に取り付けることも重要です。

【撒き餌と付け餌を同調させる】

カゴ釣りで重要なのが、カゴから放出された撒き餌と付け餌を同調させることです。仕掛けが設定したタナまで入ったら、カゴから撒き餌を放出し、付け餌がその流れになじむようにします。

潮が流れている場合、カゴから出た撒き餌は潮下へ流れていきます。付け餌も同じ範囲を流れるようにすることで、撒き餌に寄ってきたアジに付け餌を食わせやすくなります。潮の速さや方向に合わせて、投入する位置や仕掛けを流す範囲を調整します。

ウキ下を調整してアジのタナを探す

遠投カゴ釣りでも、アジの群れがいるタナを見つけることが重要です。ウキ止めの位置を動かしてウキ下を調整し、底付近から中層を中心に探ります。アジが釣れたら、そのときのウキ下を基準として同じタナを繰り返し狙います。

反応がない場合や、それまで釣れていたアジが釣れなくなった場合は、ウキ下を少しずつ変えて別のタナを探ります。アジの群れが上層にいる場合には、ウキ下を短くして浅いタナを狙います。

夜釣りで使う仕掛け

夜に遠投カゴ釣りを行う場合は、暗い場所でもウキの位置やアタリを確認できるよう、発光体を装着できる遠投ウキや電気ウキを使用します。

針には通常のものを使用できますが、グローやケイムラなどのアピールカラーを採用した針を試したり、針のチモト付近に小型の蛍光玉を取り付けたりする方法もあります。こうした発光・蛍光パーツは必須ではなく、アジの反応を見ながら使い分けます。

カゴ釣りの基本的な釣り方

カゴに撒き餌を入れ、針に付け餌を付けて沖の狙う場所へ仕掛けを投入します。仕掛けが設定したタナまで沈んでウキが安定したら、竿をあおってカゴから撒き餌を出し、付け餌を撒き餌の流れになじませます。

その後はウキの動きを見ながらアタリを待ちます。アジが掛かるとウキが沈んだり、横へ移動したりするため、アタリを確認してから竿を立てて針掛かりさせます。反応がなければ仕掛けを回収して撒き餌と付け餌を確認し、再び投入します。

同じ場所やタナだけを狙い続けるのではなく、アジの反応に合わせて投入する位置、ウキ下、仕掛けを流す範囲を調整しながら群れを探ります。沖を回遊する中アジや大アジを狙えることが、遠投カゴ釣りの大きな特徴です。

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4. ウキ釣り

ウキ釣りは、ウキを使ってアジのいるタナに付け餌を送り込み、ウキに現れるアタリを見ながら狙う釣り方です。足元にアジが回遊している場合は延べ竿を使ったシンプルな仕掛けで楽しめるほか、リール竿を使えば少し沖や深いタナまで探ることができます。

付け餌にはオキアミや刺しアミなどを使い、アミエビなどの撒き餌を少量ずつ撒いてアジを寄せながら狙います。ウキ下を変えることで狙うタナを調整できるため、アジの群れがいる水深を探りながら釣れるのも特徴です。

ウキ釣りのタックルと仕掛け

アジのウキ釣りには、延べ竿を使って足元を狙う仕掛けと、リール竿に棒ウキや円錐ウキなどを組み合わせて広い範囲を探る仕掛けがあります。ここでは、それぞれの代表的なタックルと仕掛けを紹介します。

【延べ竿を使った仕掛け】

アジが漁港や堤防の足元まで回遊している場合は、延べ竿に唐辛子ウキなどの小型のウキを組み合わせたシンプルな仕掛けで狙えます。リールを使わないため仕掛けが簡単で、手軽に楽しめるのが特徴です。

パーツ 目安 選び方・役割
ロッド 延べ竿
3.6~5.4m程度
足場の高さや狙う範囲に合わせて長さを選びます。足元を中心に狙う場合は、扱いやすい長さの竿を使用します。
道糸 ナイロン1.5~2号程度 狙うアジの大きさに合わせて選びます。仕掛け全体の長さは、竿の長さや取り込みやすさも考えて調整します。
ウキ 唐辛子ウキなどの小型ウキ 使用するガン玉を支えられる浮力のものを選びます。小型のウキはアジの細かなアタリも確認しやすくなります。
ガン玉 B~2B程度 道糸に取り付け、ウキの浮力に合わせて仕掛け全体のバランスを調整します。
スイベル 小型 道糸とハリスを接続し、仕掛けのヨレを抑えます。
ハリス フロロカーボン
1~1.5号程度
狙うアジの大きさや釣り場の状況に合わせて太さを調整します。
ジンタン 小型 ハリスに取り付け、付け餌の沈下を調整します。潮の流れや付け餌の沈み方に合わせて、重さや取り付け位置を調整します。
アジ針5~8号程度
金袖針4~8号程度
狙うアジの大きさと付け餌の大きさに合わせて選びます。小型のアジには小さめの針を使用します。
付け餌 アミエビ・刺しアミ・オキアミSなど 狙うアジの大きさや針のサイズに合わせて選びます。
  • 仕掛けの接続順:延べ竿 → 道糸 → 唐辛子ウキなどの小型ウキ → ガン玉 → 小型スイベル → ハリス → ジンタン → 針 → 付け餌
アジ用の延べ竿を使ったウキ釣り仕掛けの図解。延べ竿3.6〜5.4m程度、道糸ナイロン3号に、唐辛子ウキ(ウキゴム固定)、ガン玉B〜2B、スイベル、ハリス(フロロカーボン1〜1.5号 1.5m程度)、沈下調整用のジンタンサイズガン玉、金袖針4〜8号が接続され、付け餌にオキアミ、撒き餌にアミエビやオキアミを使用する構成
アジ用の延べ竿を使ったウキ釣り仕掛けの図解。延べ竿3.6〜5.4m程度、道糸ナイロン3号に、唐辛子ウキ(ウキゴム固定)、ガン玉B〜2B、スイベル、ハリス(フロロカーボン1〜1.5号 1.5m程度)、沈下調整用のジンタンサイズガン玉、金袖針4〜8号が接続され、付け餌にオキアミ、撒き餌にアミエビやオキアミを使用する構成

【延べ竿を使ったウキ釣り仕掛け図】リールを使わず、手軽にダイレクトな引きを味わえる「延べ竿のウキ釣り(ウキフカセ釣り)」の基本仕掛け。感度の良い唐辛子ウキと、ハリスに打った小さなガン玉(ジンタン)の調整により、撒き餌と同調させながらアジの繊細なアタリを的確に捉えることができます。

【リール竿を使った仕掛け】

少し沖を狙う場合や深いタナまで探りたい場合は、リール竿に棒ウキや円錐ウキなどを組み合わせた仕掛けを使用します。ウキ止めを使った遊動仕掛けにすると、ウキ止めの位置を動かすことで狙うタナを広い範囲で調整できます。

パーツ 目安 選び方・役割
ロッド 万能竿・磯竿など
3~5m程度
使用するウキ仕掛けを扱いやすく、狙う範囲や釣り場の足場に適した長さのものを選びます。
リール 小~中型スピニングリール
2500番前後
使用する道糸を十分に巻けるものを選びます。番手表記や糸巻量はメーカーによって異なるため、2500番は目安として考えます。
道糸 ナイロン2号前後 ウキ仕掛けを扱いやすく、狙うアジの大きさにも対応できる太さを選びます。
ウキ止め ウキ止め糸など 遊動仕掛けでウキ下を設定するために使用します。位置を動かすことで狙うタナを変更できます。
シモリ玉 道糸と仕掛けに適合するサイズ ウキ止めがウキやウキスイベルなどの穴を抜けないようにするために使用します。
ウキ 棒ウキ・円錐ウキなど 使用するガン玉などに対応した浮力のものを選びます。夜釣りでは電気ウキや発光体を装着できるウキも使用できます。
からまん棒・ウキクッションなど 使用する仕掛けに合わせて選択 ウキと下側の接続部が直接ぶつかるのを防ぎ、仕掛けの絡みを軽減します。
ガン玉 ウキの浮力に合わせて調整 道糸のスイベルの付近に取り付け、ウキの浮力と仕掛けのバランスを調整します。
スイベル 小型 道糸とハリスを接続し、仕掛けのヨレを抑えます。
ハリス フロロカーボン1~2号程度
1~2m程度
狙うアジの大きさや潮の流れなどに合わせて、太さと長さを調整します。
ジンタン 小型 ハリスに取り付け、付け餌の沈下速度や仕掛けのなじみ方を調整します。潮の流れなどに合わせて、重さや取り付ける位置を調整します。
金袖針4~8号程度
グレ針5~8号程度
チヌ針1~3号程度
狙うアジの大きさと付け餌の大きさに合わせて選びます。小型のアジには小さめ、中~大型のアジには大きめの針を目安にします。
付け餌 オキアミ・刺しアミなど 狙うアジの大きさや、その日の反応に合わせて使い分けます。
  • 仕掛けの接続順:道糸 → ウキ止め → シモリ玉 → 棒ウキ・円錐ウキなど → からまん棒など → サルカン → ハリス → ガン玉 → 針 → 付け餌

※ここで紹介した竿や道糸、ハリス、針などの種類や号数は仕掛けの一例です。狙うアジの大きさや釣り場の水深、潮の流れ、使用するウキなどに合わせて調整してください。

リール竿を使用したアジのウキ釣り仕掛けの図解。磯竿1号、スピニングリール(小〜中型)、道糸ナイロン2号に、ウキ止め糸、シモリ玉、円錐ウキB、ウキクッション、浮力調整用ガン玉B〜2B、スイベル、ハリス、付け餌の沈下調整用ジンタンサイズガン玉、金袖針4〜8号が順に接続された遊動ウキ仕掛けの構成
リール竿を使用したアジのウキ釣り仕掛けの図解。磯竿1号、スピニングリール(小〜中型)、道糸ナイロン2号に、ウキ止め糸、シモリ玉、円錐ウキB、ウキクッション、浮力調整用ガン玉B〜2B、スイベル、ハリス、付け餌の沈下調整用ジンタンサイズガン玉、金袖針4〜8号が順に接続された遊動ウキ仕掛けの構成

【リール竿を使ったウキ釣り仕掛け図】遊動ウキ構造のため、延べ竿では届かない深さのタナ(泳層)もスムーズに探ることができ、リールを活かして広範囲を効率よく攻めることが可能です。

付け餌と撒き餌

付け餌には、アミエビや生のオキアミのSサイズなどを使用します。狙うアジの大きさや針のサイズに合わせて、針に付けやすい大きさのものを選びます。

撒き餌はアミエビが基本です。足元を狙う場合は、アミエビを少量ずつ撒き、その中へ付け餌を入れてアジを狙います。潮が流れている場合は、撒き餌が流れていく方向を見ながら、付け餌が同じ範囲を流れるように仕掛けを入れます。

少し沖を狙う場合は、アミエビに市販の配合エサを混ぜるとまとまりが出て、柄杓で狙った場所へ投入しやすくなります。配合エサの代わりや補助としてパン粉を混ぜ、水分やまとまりを調整する方法もあります。

沖を狙う場合は、仕掛けを投入する位置だけでなく、潮の流れる方向や速さも考えて撒き餌を投入する位置を調整します。撒き餌と付け餌が狙うタナで同調するようにすることが重要です。

ウキ下を調整してアジのタナを探す

ウキ釣りでは、アジが泳いでいるタナを見つけることが重要です。アジのいるタナが分からない場合は、ウキ下を少しずつ変えながら反応のあるタナを探ります。浅いタナから深くしていくか、深いタナから浅くしていくかは、釣り場の状況に合わせて判断します。

タナを決めるヒントになるのが時間帯です。日中は比較的深い層にいることが多いため、深めのタナを意識して探ります。一方、夜間は浅い層まで上がっていることがあり、特に常夜灯周辺では上層にアジが集まっている場合があります。アジが泳いでいるのが見える場合や、撒き餌に反応して浮いてきている場合は、そのタナを狙います。

アジが釣れたら、そのときのタナを基準にして同じ水深を狙います。反応がなくなったら再びウキ下を調整し、群れの位置を探します。延べ竿を使う場合も考え方は同じで、ウキから針までの長さを変えることで狙うタナを調整します。

ウキ釣りの基本的な釣り方

まずアミエビなどの撒き餌を撒き、アジを仕掛けの周囲へ寄せます。付け餌を付けた仕掛けを投入し、潮が流れている場合は、撒き餌が流れていく方向を見ながら、その流れの中へ付け餌が入るように仕掛けを流します。

仕掛けを投入したらウキの動きを見ながらアタリを待ちます。ウキが沈む、横へ移動する、浮き上がるなど、それまでとは異なる動きが現れたらアタリの可能性があります。

アジの反応が続く間は、釣れたタナや仕掛けを流す範囲を基準にして繰り返し狙います。反応がなくなった場合は、ウキ下や投入位置、仕掛けを流す範囲などを変え、群れの位置を探します。

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5. アジング

アジングは、ジグヘッドに小型のワームを組み合わせたルアーを中心に、アジを狙う釣り方です。軽量な仕掛けを使って表層から海底付近まで探ることができ、港内や堤防、漁港の出入口、常夜灯周辺など、岸からアジが回遊してくる場所で楽しめます。

サビキ釣りやウキ釣りのように撒き餌を使ってアジを寄せるのではなく、その場にいるアジを探し、ルアーをアジのいるタナへ送り込むのが基本です。そのため、ポイントだけでなく、アジが泳いでいる水深や潮の流れを探りながら釣ることが重要になります。

アジングのタックルと仕掛け

基本となるのは、アジング専用の軽量ロッドと小型スピニングリールを組み合わせたタックルです。軽いジグヘッドを扱いやすいように細いラインを使用し、ジグヘッド単体で狙う「ジグ単」では5~7ft程度のロッドが使いやすくなります。

パーツ 目安 選び方・役割
ロッド アジングロッド
5~7ft程度(ジグ単)
軽量なジグヘッドを扱いやすいロッドを使用します。近距離を中心に狙う場合は短め、飛距離や広い範囲を探りたい場合は長めのロッドが扱いやすくなります。
リール スピニングリール
1000~2000番程度
細いラインを扱いやすい小型スピニングリールを使用します。
メインライン エステル 0.2~0.4号程度
PE 0.2~0.4号程度
フロロカーボン 0.5~1号程度
軽量なジグヘッドを使うジグ単ではエステルラインがよく使われます。PEラインは遠投する仕掛けにも適し、フロロカーボンをメインラインとして使用する方法もあります。
リーダー フロロカーボン
0.8~1.5号程度
エステルラインやPEラインをメインラインに使用する場合に接続します。フロロカーボンをメインラインとして使用する場合は、リーダーを使用せずジグヘッドへ直接結ぶ方法もあります。
ジグヘッド 0.5~2g程度(ジグ単) 水深や潮の速さ、風の強さに合わせて重さを選びます。軽くするとゆっくり沈めやすく、重くすると深いタナまで送り込みやすくなります。
ワーム 1.5~3inch程度 アジング用の小型ソフトルアーを使用します。アジの大きさや反応、食べているエサなどに合わせてサイズや形状を変えます。

※メインラインとリーダーはスイベルなどを使わず、ノットで直接結束します。エステルラインではトリプルエイトノットなどが使われます。PEラインでは結束強度を確保しやすいFGノットなどが使われますが、アジングで使用する細いPEラインでは、トリプルエイトノットや電車結びなど、比較的簡単な結び方で接続する方法もあります。FGノットが難しい場合は、まず簡単なノットから始めることもできます。

※タックルの数値は一般的な目安です。狙うアジの大きさや釣り場、水深、潮の速さ、使用するルアーによって適した組み合わせは変わります。

アジングのジグ単仕掛け図|エステルライン・フロロリーダー・1gジグヘッドの基本構成
アジングのジグ単仕掛け図|エステルライン・フロロリーダー・1gジグヘッドの基本構成

【アジング仕掛け図】アジングの基本となるジグ単の仕掛け例。エステルライン0.3号にフロロカーボンリーダー0.6号を接続し、1gのジグヘッドと2inchワームを組み合わせています。

メインラインとリーダーの組み合わせ

アジングでは、メインラインの素材や太さ、狙うアジの大きさ、釣り場の状況に合わせてリーダーを選びます。以下は代表的な組み合わせの目安です。

メインライン リーダーの目安 主な用途 ポイント
エステル 0.2号 フロロ 0.5~0.6号程度 軽量ジグヘッド 細いラインを生かして軽量なジグヘッドを扱う場合の組み合わせです。
エステル 0.3号 フロロ 0.6~0.8号程度 一般的なジグ単 軽量ジグヘッドの操作性と強度のバランスを取りやすく、ジグ単の基準にしやすい組み合わせです。
エステル 0.4号 フロロ 0.8~1号程度 大型アジ・障害物のある場所 強度に余裕を持たせたい場合に選択しやすい組み合わせです。
PE 0.2~0.3号 フロロ 0.6~1号程度 ジグ単・軽量リグ 細くても強度があり、アジングで使用される代表的な範囲です。リーダーは魚の大きさや障害物の有無などに合わせて調整します。
PE 0.3~0.4号 フロロ 0.8~1.5号程度 フロート・キャロなど 遠投する仕掛けや重めのリグ、大型のアジを狙う場合などに使用します。
フロロ 0.5~1号程度 なし(直結も可能) ジグ単 フロロカーボンをメインラインとして使用し、リーダーを使わずジグヘッドへ直接結ぶ方法もあります。

※ラインとリーダーの号数は目安です。同じ号数でも製品によって直径や強度が異なります。狙うアジの大きさや障害物の有無、使用する仕掛けなどに合わせて調整してください。

基本はジグヘッド+ワーム

アジングで基本となる仕掛けが、ジグヘッドにワームを取り付けたジグ単(ジグヘッドリグ)です。仕掛けがシンプルで、港内や堤防など幅広い場所で使用できます。

ジグヘッドの重さは一定ではなく、釣り場の状況に合わせて選びます。浅い場所やゆっくり沈めたい場合は軽くし、風が強い場合や潮が速い場合、深いタナを探る場合は重くします。アジのいるタナまで仕掛けを送り込み、そのタナを探りやすい重さを選ぶことが重要です。

沈める時間を変えてアジのタナを探す

アジングでは、ルアーを投げたあとに沈める時間を変えることで、探るタナを調整できます。着水後すぐに動かせば表層を探ることができ、沈める時間を長くするほど、より深いタナを探ることができます。

アジのいるタナが分からない場合は、着水してからルアーを動かし始めるまでの時間を数え、沈める時間を段階的に変えながら反応を探ります。例えば5秒、10秒、15秒というようにカウントを変えることで、同じ場所でも異なる水深を探ることができます。

アタリが出た場合は、着水してから何秒沈めたところで反応したかを覚えておき、その沈下時間を基準にして同じタナを繰り返し狙います。反応がなくなったら再びカウントを変え、群れの位置を探します。

海底付近を探る場合は、ジグヘッドを着底させてから少し持ち上げ、その周辺を探ります。ただし、岩礁や海藻、沈み物が多い場所では根掛かりしやすいため、海底へ着けたまま長く引かないようにします。

潮の流れや変化を探す

アジングでは水深だけでなく、潮の流れを探ることもポイントになります。潮の速さや方向は場所によって一様ではなく、流れが速くなる場所や緩む場所、異なる流れが接する場所などができます。

ルアーを沈めていると、ラインの張り方やジグヘッドの沈み方が変わる場所があります。こうした変化を確認しながら、潮の流れやヨレなどを探ります。アジから反応があった場所や流れが見つかったら、その周辺を繰り返し狙います。

アジングの基本的な動かし方

基本的な動かし方には、ワームを一定のタナでゆっくり泳がせるただ巻きや、ロッドを小さく動かしてルアーを持ち上げ、その後に沈めるリフト&フォールなどがあります。

ただ巻きでは、アジのいるタナからルアーが大きく外れないように一定の速度で巻きます。リフト&フォールでは、ロッドを操作してジグヘッドを持ち上げたあと、ラインを張りすぎず緩めすぎない状態で沈めながらアタリを待ちます。

フォール中にアタリが出ることもあるため、ルアーを沈めている間もラインの張りや変化を確認します。ラインが急に緩む、横へ動く、手元に小さな振動が伝わるなど、それまでとは異なる変化があればアタリの可能性があります。

夜は常夜灯周辺も有力なポイント

夜間は、漁港や堤防の常夜灯周辺も代表的なポイントになります。特に灯りが届く範囲や、その周囲にできる明暗の境目などを探ります。

常夜灯周辺でもアジが必ず表層にいるとは限りません。表層で反応がなければ、沈める時間を変えながら中層や底付近まで探ります。

沖や深場を狙う仕掛け

ジグヘッド単体では届かない沖や深い場所を狙う場合は、キャロライナリグやフロートリグなども使用されます。ジグヘッドとは別に重量を持たせることで飛距離を伸ばし、沖を回遊するアジや深いタナを探ることができます。

フロートリグは浮力を持つフロートなどを使って軽いジグヘッドやワームを沖まで届ける仕掛けで、沖の表層から中層を広く探る場合などに使用されます。一方、キャロライナリグはシンカーを利用して飛距離を出しながら、より深いタナを探る場合にも適しています。

まずは構造がシンプルなジグヘッド単体から始め、釣り場の水深や潮の速さ、必要な飛距離に応じて、これらの仕掛けを使い分けるとよいでしょう。

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6. メタルジグ

メタルジグとは、金属で作られたルアーです。アジを狙う場合は小型のメタルジグを使用し、岸からキャストして、ただ巻きやリフト&フォールなどでアジを誘います。

ジグヘッドとワームを使ったジグ単よりも重量のあるルアーを使用できるため、遠投して沖を回遊するアジを狙ったり、深いタナまで沈めて広く探ったりできるのが特徴です。港の外向きや堤防の先端、潮通しのよい場所など、飛距離が必要な釣り場でも使いやすい方法です。

ジグの重さは一定ではなく、釣り場の水深や潮の速さ、必要な飛距離などに合わせて選びます。

メタルジグのタックルと仕掛け

岸から小型メタルジグを使う場合は、アジングロッドやライトゲームロッドなどを使用します。使用できるルアー重量はロッドによって異なるため、メタルジグの重量がロッドの対応範囲に収まっていることを確認します。

パーツ 目安 選び方・役割
ロッド アジングロッド・ライトゲームロッド
6~8ft程度
使用するメタルジグの重量に対応したロッドを選びます。飛距離を必要とする場所では、やや長めのロッドも使いやすくなります。
リール スピニングリール
2000~2500番程度
ロッドや使用するラインとのバランスを考えて、小型のスピニングリールを使用します。
メインライン PE 0.2~0.6号程度 細くても強度があり、小型メタルジグをキャストしやすいPEラインがよく使われます。
リーダー フロロカーボン
1~2号程度
PEラインの先にノットで接続します。狙うアジの大きさや障害物の有無、使用するジグの重量などに合わせて太さを選びます。
メタルジグ 2~10g程度を中心に使用 水深や潮の速さ、必要な飛距離に合わせて重量を選びます。1g台の小型ジグや、遠投・深場を狙うために10gを超えるジグを使用する場合もあります。
フック 小型アシストフックなど メタルジグの大きさに合ったフックを使用します。製品によっては最初からアシストフックが装着されています。

※PEラインとリーダーの接続には、FGノットやトリプルエイトノットなどを使用します。結束強度や結び目の小ささを重視する場合はFGノット、釣り場で素早く結び直したい場合はトリプルエイトノットというように使い分けることができます。

※タックルやメタルジグの重量は目安です。ロッドには使用できるルアー重量が設定されているため、使用するメタルジグが対応範囲に収まっていることを確認してください。

アジをメタルジグで狙う仕掛け図|PEライン・フロロリーダー・5gメタルジグの基本構成
アジをメタルジグで狙う仕掛け図|PEライン・フロロリーダー・5gメタルジグの基本構成

【アジング用メタルジグ仕掛け図】PEライン0.3号にフロロカーボンリーダー1号を接続し、小型スナップを介して5gのメタルジグを取り付けています。

なぜメタルジグにはアシストフックを使うの?

アシストフックは、短いアシストラインを介してメタルジグに取り付けるフックです。フックをジグ本体に直接固定するのではなく、柔軟なラインを介して取り付けるため、フックがジグ本体とはある程度独立して動けるのが特徴です。

この自由度によって、魚がルアーに食いついたときにフックが動きやすくなります。アジング用の製品にも、自由度の高いアシストフックによって、アジが吸い込んだときにフックが口の中へ入りやすくなるよう設計されたものがあります。

また、アシストラインの長さやフックの大きさ、取り付ける位置によってフックの動き方は変わります。長すぎるとジグや反対側のフックに絡むこともあるため、使用するメタルジグに合ったサイズのアシストフックを選ぶことが大切です。

※アシストフックの数や取り付け位置はメタルジグによって異なります。フロントだけに装着するものや、前後に装着するものなどがあります。

水深や潮の流れに合わせてジグの重さを選ぶ

メタルジグは、重くするほど深いタナまで速く沈めやすく、飛距離も出しやすくなります。一方、軽いジグは沈下速度を抑えやすく、浅い場所やゆっくりフォールさせたい場合に使いやすくなります。

重要なのは単純に重いジグを使うことではなく、狙っているタナや着底を把握できる範囲で、水深や潮の速さに合った重さを選ぶことです。潮が速くてジグが流される場合や着底が分かりにくい場合は重くし、浅場や潮が緩い場合は軽くするなどして調整します。

着底とカウントでアジのタナを探す

メタルジグでも、アジが泳いでいるタナを見つけることが重要です。海底付近を探る場合は、キャストしたジグを沈めて着底を確認してから動かし始めます。中層や上層を探る場合は、着水してから沈める時間を数え、動かし始めるタイミングを変えることで探る水深を調整します。

あるカウントでアタリが出た場合は、次のキャストでも同じ程度まで沈めてから動かし始めます。反応がなくなった場合はカウントを変え、異なるタナを探ります。

ただ巻きとリフト&フォールで狙う

基本的な使い方は、一定の速度でジグを泳がせるただ巻きと、ロッドを操作してジグを持ち上げてから沈めるリフト&フォールです。まずはアジのいるタナまでジグを沈め、ただ巻きやリフト&フォールを使って反応を探ります。

メタルジグはフォール中にもアジが食いつくことがあります。リフトしたあとにジグを沈める時間を作り、フォール中もラインの張りや動きに注意します。ラインが急に緩む、横へ動く、手元に振動が伝わるなど、それまでとは異なる変化があればアタリの可能性があります。

飛距離を生かして沖まで探る

メタルジグは飛距離を出しやすいため、岸際だけでなく、ジグ単では届きにくい沖の潮目や流れの変化も広く探ることができます。キャストする方向や沈める時間を変えながら広い範囲を探り、アジから反応があった場所やタナが見つかったら、その周辺を繰り返し狙います。

フックと根掛かりに注意する

アジ用の小型メタルジグには、小型のアシストフックを装着した製品があります。フックの数や取り付け位置は製品によって異なるため、使用するジグに合ったフックを選びます。

海底付近を探る場合は、岩礁や海藻、沈み物などへの根掛かりにも注意が必要です。着底を確認したらジグを海底に長く放置せず、リフトして海底から離してから誘い始めます。

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おわりに|アジの生態と釣りをもっと深く知るために

このページでは、マアジとマルアジ(アオアジ)を中心に、アジの生態や体の特徴、季節や時間帯による行動の変化、そして岸からアジを狙うさまざまな釣り方について紹介してきました。

アジの生態については、できる限り学術論文や公的機関の資料などを確認し、明確な根拠を確認できた情報については、このページの最後に参考文献として掲載しています。一方、釣りの世界には、長年の経験から釣り人の間で広く知られているものの、学術的な研究によって十分に検証されていない情報も数多くあります。そのような情報については、「釣り人の間では経験的に知られている」といった形で、できるだけ両者を区別して紹介しています。

今回は「今日の釣果をすぐに伸ばせる実践的な知識」を最優先にまとめたため、マアジとマルアジの生態的な違いの妙や、各釣法のさらに一歩踏み込んだ秘訣までは、とてもこの1ページでは書ききれませんでした。そこで当サイトでは、みなさんのアジ釣りがさらに楽しく、そして劇的に釣果がアップするような、以下のような「一歩踏み込んだ深掘り攻略記事」を順次公開・アップデートしていく予定です。

● アジの感覚器官や回遊パターンを徹底解剖する「深掘り生態編」
● マアジとマルアジ(アオアジ)の生態の違いの詳細と見分け方「見分けの極意編」
● 船サビキ・コマセ釣り(ビシ釣り)・胴突き釣り・バチコンアジングなど「船釣り編」

各詳細記事が完成し次第、本ページの「各釣り方のセクション」へ詳細リンクを追記していきます。アオリイカ釣りのバイブルとしていつでも見返せるよう、ぜひこのページをブックマーク(お気に入り登録)して今後の更新をお待ちください!

研究によって明らかになっているアジの生態と、実際の釣り場で積み重ねられてきた釣り人の経験。その両方を照らし合わせながら、これからもアジという魚と、その釣りの面白さを掘り下げていきたいと思います。

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みなさんの「アジ釣果&釣り場情報」を大募集!

アジ釣りには、研究資料だけでは分からない「実際の釣り場だからこそ分かること」がたくさんあります。当サイトでは、そんなリアルな情報を釣り人のみなさんと共有していくため、アジの釣果写真や釣行記、釣り場情報、実際に効果のあった釣り方などの投稿を募集しています。

📸 募集している投稿内容

  • アジの釣果写真&釣行記: 豆アジの数釣りから尺アジ・大型アジまで、釣れた場所や時間帯、釣り方、その日の状況などをぜひ教えてください。
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お送りいただいた写真や情報は、内容を確認したうえで、当サイトの関連記事や今後制作する特集ページなどで紹介させていただく場合があります。学術資料だけでは見えてこないアジの姿を、実際に海へ通う釣り人のみなさんの記録とともに残していければと考えています。アジ釣りで印象に残った経験や、地域ならではの情報をお持ちの方は、ぜひお気軽にお寄せください。

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参考文献

1.Takahashi, K., Masuda, R. & Yamashita, Y.(2012)「School for learning: Sharing and transmission of feeding information in jack mackerel Trachurus japonicus juveniles」

『Fisheries Science』78巻2号、269–276ページ。京都大学舞鶴水産実験所で行われた、マアジ稚魚の群れと採餌に関する研究です。

● 単独個体と群れで行動する個体の学習過程を比較
● 群れの中で餌場に関する情報が共有されることを示唆
● 他個体の採餌行動を観察することで、餌場に関する情報が伝わることを確認
● 群れ行動がマアジの採餌を効率化する可能性を示した研究
● [論文情報(CiNii Research)](https://cir.nii.ac.jp/crid/1361137046434854528)

2.Takahashi, K., Masuda, R. & Yamashita, Y.(2014)「Development of observational learning during school formation in jack mackerel Trachurus japonicus juveniles」

『Behavioural Processes』103巻、52–57ページ。マアジ稚魚の成長に伴う群れ行動と観察学習の発達を調べた研究です。

● 体長20mmと40mmのマアジ稚魚の群れ行動を比較
● 20mmの個体では群れ行動と観察学習がまだ未発達
● 40mmの個体では明瞭な群れ行動と観察学習を確認
● 他個体を観察した40mmの個体は、観察しなかった個体より効率よく餌場を学習
● [論文情報(CiNii Research)](https://cir.nii.ac.jp/crid/1361699996217211904)

3.Kinoshita, J., Fujinami, Y., Imoto, J. & Yasuda, T.(2026)「Vertical Habitat Use by Japanese Jack Mackerel Trachurus japonicus Inferred From a Biologging Study in Tokyo Bay」

『Fisheries Oceanography』35巻4号、518–531ページ。東京湾のマアジに電子タグを装着し、長期間にわたる遊泳水深の変化を調べた研究です。

● 2022年11月に東京湾で90尾のマアジに電子タグを装着して放流
● 東京湾内で再捕獲され、データを取得できた9尾を解析
● 各個体の平均遊泳水深は24~109m
● 最大遊泳水深は348m(1個体で記録された最大値)
● 冬には深い水深を利用し、春には浅い水深へ戻る季節変化を確認
● 昼間は深く、夜間は浅くなる日周的な鉛直移動を確認
● [論文(Wiley Online Library)](https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/fog.70035)

この研究はマアジ(Trachurus japonicus)を対象としたもので、マルアジ(アオアジ)の遊泳水深を直接調べた研究ではありません。また、水深348mは調査したマアジ全体の一般的な遊泳水深ではなく、1個体で記録された最大値です。

4.伊藤靖・三浦浩・中村憲司・吉田司(2009)「日本海佐渡島羽茂地先の人工魚礁における超音波バイオテレメトリーを用いたマアジの行動様式」

『日本水産学会誌』75巻6号、1019–1026ページ。佐渡島沖の人工魚礁周辺で、超音波発信機を使ってマアジの日周行動を追跡した研究です。

● 2008年6~7月に全長30cmのマアジを1尾ずつ7回追跡
● 調査した人工魚礁の設置水深は45m
● 日中は人工魚礁や天然礁の天端から高さ10m程度に留まる行動を確認
● 夜間は礁を離れ、水深5~10mの表層を遊泳
● 早朝には再び礁へ移動し、日中は礁周辺に集まる明確な日周行動を確認
● [論文(J-STAGE)](https://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan/75/6/75_6_1019/_article/-char/ja)

この研究もマアジ(Trachurus japonicus)を対象としたものです。特定の人工魚礁周辺で行われた追跡調査であるため、「すべての海域で夜になると水深5~10mまで浮上する」という意味ではありません。

5.Hirota, Y., Uehara, S. & Honda, H.(2004)「Ontogenetic changes of feeding selectivity in juvenile jack mackerel Trachurus japonicus collected off south-east Kyushu, Japan」

『Fisheries Science』70巻1号、100–107ページ。九州南東海域で採集されたマアジ稚魚について、成長に伴う餌の選択性の変化を調べた研究です。

● 2000年4月21日に九州南東海域で採集されたマアジ稚魚123個体を調査
● 調査個体の体長は10.7~51.6mm
● 胃と腸から確認された餌生物の個体数の97.8%がカイアシ類
● 成長するにつれて、より大きな餌を捕食する傾向を確認
● 体長10~35mmでは幅250~350μm、35mmを超える個体では幅500~1000μmの動物プランクトンを選択的に捕食
● [論文情報(CiNii Research)](https://cir.nii.ac.jp/crid/1390282679404721792)
● [論文PDF(J-STAGE)](https://www.jstage.jst.go.jp/article/fishsci1994/70/1/70_1_100/_pdf)

この研究は稚魚期のマアジを対象としたもので、成魚の食性を直接示すものではありません。また、97.8%という数値は餌生物を個体数で数えた場合の割合であり、重量や栄養的な寄与率を示したものではありません。

6.Jiang, R.-J., Jin, H.-W., Zhou, Y.-D., Xue, L.-J. & Guo, A.(2013)「Feeding habits of Trachurus japonicus in the East China Sea」

『Chinese Journal of Applied Ecology(応用生態学報)』24巻7号、2015–2024ページ。東シナ海のマアジについて、季節や成長に伴う食性の変化を調べた研究です。

● 尾叉長46~250mmのマアジ453個体の胃内容物を調査
● 124種類の餌生物を確認
● プランクトン性甲殻類と小型魚類が主要な餌生物
● 尾叉長約100mmを境に食物組成が大きく変化
● 摂餌強度にも魚体サイズや季節による違いを確認
● [論文情報(PubMed)](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24175535/)

この研究は東シナ海のマアジを対象としており、マアジが小型甲殻類だけでなく魚類なども捕食することや、成長に伴って食物組成が変化することを裏付ける資料です。

7.「Combined stomach contents and stable isotope analysis reveal feeding habits of Japanese jack mackerel (Trachurus japonicus) in the East China Sea」(2024)

『Regional Studies in Marine Science』74巻、103517。東シナ海のマアジについて、胃内容物分析と安定同位体分析を組み合わせて食性を調べた研究です。

● 胃内容物から魚類、エビ類、カニ類、頭足類、小型甲殻類などを確認
● 安定同位体分析では小型甲殻類の栄養的寄与が最も大きく、次いでエビ類
● 成長に伴う食性の変化を確認
● 魚体が大きくなるにつれて、魚類の餌としての平均的な寄与が増加
● [論文情報(ScienceDirect)](https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S2352485524001506)

胃内容物だけでなく安定同位体分析を併用しているため、「胃の中に多く残っていた餌」と「長期的に栄養源として寄与した餌」を区別して考えるうえで参考になる研究です。

8.Xu, W., Yang, R., Chen, G., Gao, C.-X., Ye, S. & Han, D.-Y.(2022)「Feeding ecology of Decapterus maruadsi in the southern coastal area of Zhejiang based on stomach contents and stable isotope analysis」

『Chinese Journal of Applied Ecology(応用生態学報)』33巻11号、3097–3104ページ。浙江省南部沿岸のマルアジについて、胃内容物と炭素・窒素安定同位体を用いて食性を調べた研究です。

● 胃内容物から魚類、エビ類、カニ類、頭足類、多毛類、小型甲殻類などを確認
● 安定同位体分析ではエビ類の栄養的寄与率が40~84%と最も高かった
● 魚体サイズと窒素安定同位体比(δ15N)との間に正の関係を確認
● 成長に伴って、より高い栄養段階の餌を利用する傾向を確認
● [論文情報(PubMed)](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36384844/)

この研究はマルアジ(Decapterus maruadsi)を直接対象としているため、このページでマアジとマルアジをまとめて「アジ」と扱う際に重要な参考文献です。ただし、中国・浙江省南部沿岸で行われた研究であり、日本沿岸のマルアジでも食物組成がまったく同じであることを示すものではありません。

9.Kume, G., Nakaya, K., Takeda, T., Ichinomiya, M., Komorita, T., Habano, A., Makino, F., Kodama, M. & Kobari, T.(2023)「Distribution and growth rates of Japanese jack mackerel Trachurus japonicus larvae relative to oceanographic conditions in the northern Satsunan area, southern Japan」

『Plankton and Benthos Research』18巻3号、148–159ページ。鹿児島湾口と大隅海峡で、海洋環境とマアジ仔魚の分布・成長との関係を調べた研究です。

● 鹿児島湾口では冬から春に湧昇が頻繁に発生
● 湧昇による栄養塩供給が植物プランクトンの増殖を促進
● 鹿児島湾口では大隅海峡よりクロロフィルa濃度と餌生物密度が高かった
● マアジ仔魚の密度も鹿児島湾口で一貫して高かった
● 鹿児島湾口がマアジ仔魚の重要な生育場となっていることを示した研究
● [論文(J-STAGE)](https://www.jstage.jst.go.jp/article/pbr/18/3/18_P180301/_article/-char/en)

この研究はマアジの仔魚を対象としたものであり、成魚やマルアジ(アオアジ)の分布を直接調べたものではありません。

10.乾隆帝・西田高志・鬼倉徳雄(2012)「漁港内にある緩傾斜帯『船揚場スロープ』における魚類の出現特性:自然海岸との比較・検討」

『応用生態工学』15巻1号、1–17ページ。福岡県日本海側の漁港にある船揚場スロープと周辺の自然海岸について、魚類群集を比較した研究です。

● 北西九州の約150kmの海岸線に設定された39地点で調査
● 漁港スロープでは70種、合計8,875個体の魚類を採集
● 漁港スロープでは未成魚の種数・個体数がともに豊富
● 未成魚の生息場として、一部の内湾的な自然海岸と同等の機能を持つ可能性を示唆
● [論文(J-STAGE)](https://www.jstage.jst.go.jp/article/ece/15/1/15_1/_article/-char/ja/)

この研究は漁港スロープにアジの餌となる小魚が必ず集まることを示したものではありません。漁港スロープがさまざまな魚類の未成魚の生息場となり得ることを示した研究として参考にしています。

11.上真一(1995)「沿岸フロントと動物プランクトン」

『沿岸海洋研究』33巻1号、39ページ~。沿岸域に形成されるフロントと動物プランクトンの分布・集積との関係についてまとめた論文です。

● 遊泳力の弱い動物プランクトンは海水の流れの影響を強く受ける
● 海面収束を伴うフロントでは、一部の動物プランクトンや魚類仔稚魚などが物理的に集積することを解説
● フロントでは植物プランクトンの現存量や生産が高くなる場合があることを紹介
● 豊後水道北部の潮汐フロントなど、日本沿岸の事例についても解説
● [論文(J-STAGE)](https://www.jstage.jst.go.jp/article/engankaiyo/33/1/33_39/_pdf/-char/ja)

12.岩槻幸雄・中田英昭(1995)「沿岸フロントと魚類卵稚仔」

『沿岸海洋研究』33巻1号、49–58ページ。沿岸域に形成されるフロント周辺における魚卵・仔稚魚と餌料プランクトンの分布について調べた研究です。

● 東京湾・紀伊水道の熱塩フロント、大阪湾~紀淡海峡の潮汐フロント周辺で調査
● フロント周辺における魚卵・仔稚魚と餌料プランクトンの分布を調査
● いずれのフロントでも、その近傍では沿岸性魚類の仔稚魚が多く採集された
● [論文情報(CiNii Research)](https://cir.nii.ac.jp/crid/1390283659850540672)

13.Sassa, C., Yamamoto, K., Tsukamoto, Y., Konishi, Y. & Tokimura, M.(2009)“Distribution and migration of age-0 jack mackerel (Trachurus japonicus) in the East China and Yellow Seas, based on seasonal bottom trawl surveys”

『Fisheries Oceanography』18巻4号、255–267ページ。東シナ海・黄海における0歳マアジの季節的な分布と移動を、季節別の底びき網調査から解析した研究です。

● 初夏から晩夏にかけて、東シナ海でマアジの分布中心が北へ移動
● 冬には底層水温の低下に伴って分布中心が南へ移動
● 高密度に分布する海域は、各季節を通しておおむね底層水温15℃を超える範囲に限られていた
● 底層の15℃等温線の季節変化と餌環境が、0歳魚の季節移動に関係する重要な要因と考察
● [論文情報(Wiley Online Library)](https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1365-2419.2009.00510.x)

14.Zhao, H., Feng, Y., Dong, C. & Li, Z.(2021)“Spatiotemporal distribution of Decapterus maruadsi in spring and autumn in response to environmental variation in the northern South China Sea”

『Regional Studies in Marine Science』45巻、101811。北部南シナ海におけるマルアジの春と秋の分布と、海洋環境との関係を解析した研究です。

● 春と秋でマルアジの分布域と分布中心が変化
● 春は主に表面水温24.4~26.8℃、秋は28.5~28.8℃の海域に分布
● 分布との関係が特に強かった環境要因は、春では水深と海面塩分、秋では海面塩分
● 水温だけでマルアジの分布を説明できるわけではないことを示す研究例
● [論文情報(ScienceDirect)](https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S2352485521002036)

15.Ma, W., Gao, C., Qin, S., Ma, J. & Zhao, J.(2022)“Do Two Different Approaches to the Season in Modeling Affect the Predicted Distribution of Fish? A Case Study for Decapterus maruadsi in the Offshore Waters of Southern Zhejiang, China”

『Fishes』7巻4号、153。中国・浙江省南部沖におけるマルアジの季節的な分布と環境条件との関係を解析した研究です。

● マルアジの分布には明瞭な季節変化が確認された
● 分布に適した水温帯は、春には22~23℃、夏には27~29℃と推定
● マルアジが多く分布する水温帯は、海域や季節によって異なることを指摘
● 「マルアジの適水温」を一つの固定した数値で表せないことを考えるうえで参考になる研究
● [論文情報(Fishes / MDPI)](https://www.mdpi.com/2410-3888/7/4/153)

16.Ishikawa, K., Watanabe, C., Kameda, T. et al.(2021)“Spatiotemporal variability in the occurrence of juvenile Japanese jack mackerel Trachurus japonicus along coastal areas of the Kuroshio Current”

『Fisheries Oceanography』30巻、569–583ページ。黒潮沿岸域におけるマアジ稚魚の出現時期や由来、個体群のつながりについて解析した研究です。

● 日本沿岸のマアジには、形態がわずかに異なる回遊型と居付き型が存在することを紹介
● 両方の型が同じ漁場に出現することがある
● 両型の違いは遺伝的に固定されたものではなく、表現型の違いとされる
● マアジは個体群全体が一斉に産卵回遊する魚ではなく、地域の産卵場と遠隔地の産卵場に由来する個体が沿岸域へ加入することを示している
● [論文情報(Wiley Online Library)](https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/fog.12538)

17.“Regional migration patterns of young-of-the-year Japanese jack mackerel (Trachurus japonicus) revealed by tissue stable isotope analysis in the Uwa Sea, Japan”(2025)

『Fisheries Research』290巻、107505。宇和海の0歳マアジについて、安定同位体分析などから地域ごとの移動パターンを調べた研究です。

● 宇和海の0歳マアジで地域によって異なる移動パターンを確認
● 北部のグループは沿岸域にとどまる傾向を示した
● 南部のグループはより広い範囲へ分散する傾向を示した
● 同じマアジでも、すべての個体が同じように移動するわけではないことを考えるうえで参考になる研究
● [論文情報(ScienceDirect)](https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0165783625002425)

18.依田真里・大下誠二・檜山義明(2004)「漁獲統計と生物測定によるマアジ産卵場の推定」

『水産海洋研究』68巻1号、20–26ページ。東シナ海と九州西岸におけるマアジの産卵時期と産卵場を、漁獲統計や生物測定から調べた研究です。

● 九州西岸では11月から翌年6月まで産卵親魚が出現
● 東シナ海中・南部では主に1月から6月に産卵親魚が出現
● 大・中型魚では11月~翌年6月、小型魚では1~5月に産卵する傾向を確認
● 産卵場の表面水温は15~20℃の範囲
● [論文情報(J-STAGE)](https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsfo/68/1/68_20/_article/-char/ja/)

19.Sassa, C., Konishi, Y. & Mori, K.(2006)“Distribution of jack mackerel (Trachurus japonicus) larvae and juveniles in the East China Sea, with special reference to the larval transport by the Kuroshio Current”

『Fisheries Oceanography』15巻6号、508–518ページ。東シナ海におけるマアジの仔魚・稚魚の分布と、黒潮による輸送について調べた研究です。

● 東シナ海南部では冬の終わりから春にかけて主要な産卵場が形成されることを確認
● 東シナ海南部では2月に小型仔魚が最も多く、3~4月に減少
● 東シナ海南部で生まれた卵・仔魚の多くが、黒潮やその分枝によって北東方向へ運ばれると推定
● 4月には九州西岸沖などで稚魚が多く確認された
● [論文情報(CiNii Research)](https://cir.nii.ac.jp/crid/1363107370015994624)

20.Kasai, A., Komatsu, K., Sassa, C. & Konishi, Y.(2008)“Transport and survival processes of eggs and larvae of jack mackerel Trachurus japonicus in the East China Sea”

『Fisheries Science』74巻1号、8–18ページ。東シナ海で生まれたマアジの卵・仔魚が海流によってどのように運ばれるのかを、数値モデルなどから解析した研究です。

● 東シナ海南部、台湾北方に主要な産卵場があることを前提に卵・仔魚の輸送過程を解析
● 台湾北方で生まれた卵・仔魚の多くが黒潮によって九州の太平洋側へ運ばれると推定
● 日本海側のマアジには、台湾北方由来と九州西岸由来の両方が含まれることを示した
● 産卵場所だけでなく、海流による卵・仔魚の輸送が、その後どの海域に若いマアジが現れるかに重要であることを示す研究
● [論文情報(Wiley Online Library)](https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/j.1444-2906.2007.01491.x)

21.Chen, Q., Xiong, Z., Tan, Z., Shi, W., Peng, J. & Li, Y.(2013)“Comparison between the catches (Trachurus japonicus and Decapterus maruadsi) around two LED lamps”

『South China Fisheries Science』9巻3号、80–84ページ。中国沿岸で、異なる色のLED水中集魚灯を使い、マアジとマルアジ(アオアジ)の集魚・漁獲効果を比較した研究です。

● マアジとマルアジの両方を対象に、白色(緑寄り)LEDと青紫色LEDによる集魚試験を実施
● マルアジでは、白色(緑寄り)LEDの方が青紫色LEDより有意に高い集魚・漁獲効果を示した
● マアジでも、白色(緑寄り)LEDの方が青紫色LEDより高い集魚・漁獲効果を示した
● マアジとマルアジのどちらも人工光に反応し、光の種類によって集まり方が変化することを示す研究
● [論文情報(South China Fisheries Science)](https://www.schinafish.cn/en/article/doi/10.3969/j.issn.2095-0780.2013.03.013)

22.吉原喜好・福田武文(1998)「水中灯に蝟集するマアジの餌選択性」

『水産増殖』46巻4号、591–592ページ。水中灯を設置した生簀でマアジの胃内容物を調べ、光の周辺に集まる餌生物とマアジの摂餌について調べた研究です。

● 餌生物を集めるための水中灯を設置した生簀にマアジを入れ、胃内容物の変化を調査
● マアジを生簀へ移してから3時間後と6時間後に胃内容物量のピークを確認
● 時間の経過とともに胃内容物中のシラスの出現が増加
● 水中灯のある環境でマアジが集まった餌生物を実際に捕食することを考えるうえで参考になる研究
● [論文情報(J-STAGE)](https://www.jstage.jst.go.jp/article/aquaculturesci1953/46/4/46_4_591/_article/-char/ja)

23. 田村 保(1957)「魚類の視覚に関する研究,特に分解力と遠近調節について」

『日本水産学会誌』22巻9号, 536–557. DOI: 10.2331/suisan.22.536

● 魚類の網膜構造から視力(分解能)を推定した古典的研究
● マアジの推定視力約0.15の根拠となる研究
● マアジを含む複数魚種の視覚能力を比較
● [論文情報(J-STAGE)](https://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan1932/22/9/22_9_536/_article/-char/ja/)

24. Arimoto, T., Watanabe, N. & Okamoto, N.(1988)“Retinomotor responses of jack mackerel Trachurus japonicus to light condition”

『Journal of the Tokyo University of Fisheries』75巻2号, 333–341.

● マアジの光条件に対する網膜運動反応を調べた研究
● 周囲の明るさに応じて網膜の状態が変化することを確認
● マアジの明暗順応を説明する根拠として使用
● [論文情報(AGRIS)](https://agris.fao.org/search/en/providers/122558/records/6471d32677fd37171a700c48)

25. Chen, Q., Xiong, Z., Tan, Z., Shi, W., Peng, J. & Li, Y.(2013)“Comparison between the catches (Trachurus japonicus and Decapterus maruadsi) around two LED lamps”

『South China Fisheries Science』9巻3号, 80–84. DOI: 10.3969/j.issn.2095-0780.2013.03.013

● 中国沿岸でマアジとマルアジ(アオアジ)を対象にLED集魚灯を比較した研究
● 白色(緑色寄り)LEDと青紫色LEDで漁獲量に違いがあることを確認
● マアジだけでなくマルアジも人工光に反応することを示す資料
● 光の種類による反応の違いを示すが、魚の色覚そのものを調べた研究ではない
● [論文情報(South China Fisheries Science)](https://www.schinafish.cn/en/article/doi/10.3969/j.issn.2095-0780.2013.03.013)

26. Caves, E. M. et al.(2023)“Measures and models of visual acuity in epipelagic and mesopelagic teleosts and elasmobranchs”

魚類および板鰓類の視力(空間分解能)に関する既往研究を整理したレビュー。

● 多数の魚種について視力の推定値と測定方法を整理
● マアジ(Trachurus japonicus)について、田村(1957)をもとに錐体密度から求めた視力0.15を掲載
● マアジの視力を他魚種と比較する際の参考資料
● 網膜構造から推定した視力と、行動実験で測定した視力を区別して考える必要性を示す
● [論文情報(PMC)](https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10465391/)

27. 落合 明・睦谷一馬・楳田 晋(1982)「マアジの卵発生と初期発育」

『魚類学雑誌』29巻1号, 86–92. DOI: 10.11369/jji1950.29.86

● 飼育したマアジ196個体を用いて、卵から稚魚までの形態発達を調べた研究
● 体長19mmの稚魚ですでに側線上に小さな稜鱗が確認された
● 体長26.5mmを超える個体では、稜鱗と体の鱗がよく発達していた
● [論文情報(J-STAGE)](https://www.jstage.jst.go.jp/article/jji1950/29/1/29_1_86/_article/-char/ja/)

28. Masuda, H., Amaoka, K., Araga, C., Uyeno, T. & Yoshino, T.(1984)『The Fishes of the Japanese Archipelago』

Tokai University Press, Tokyo.

● 日本産魚類の分類・形態をまとめた魚類図鑑
● マアジの形態的特徴を確認するための基礎資料
● マアジでは側線全体に稜鱗があり、69~73枚とされる

29. 臺灣魚類資料庫「Trachurus japonicus(マアジ)」

中央研究院生物多様性研究中心・魚類生態與演化研究室.

● マアジの側線上には全体に稜鱗があり、稜鱗が高く強いことを記載
● マアジのゼイゴの位置と形態を確認するための資料
● [臺灣魚類資料庫](https://fishdb.sinica.edu.tw/taxon/381555-fishdb)

30. 木所英昭・安木茂・志村健・加藤修(2005)

「日本海南西部におけるマアジの加入前の分布様式と対馬暖流の関係」『水産総合研究センター研究報告』第14号, pp.1–6.

● 2002年5月下旬~6月上旬に日本海南西部でマアジ若魚の分布を調査。
● 採集されたマアジの平均尾叉長は調査点ごとに28.3~54.2mmで、多くが対馬暖流の沿岸分枝流域で確認された。
● 東シナ海などで生まれたマアジ若魚が、対馬暖流を通じて日本海側へ来遊する過程を考えるうえで重要な研究。
● [論文情報(CiNii Research)](https://cir.nii.ac.jp/crid/1050001338688413440)
● [全文(水産研究・教育機構機関リポジトリ)](https://fra.repo.nii.ac.jp/records/2010817)

31. 安藤朗彦・石坂丞二・中田英昭(2011)

「玄界灘のマアジ漁場に及ぼす対馬暖流の影響」『水産海洋研究』75(3), pp.154–160.

● 2000~2005年の5月について、玄界灘のマアジ漁場と海面水温・対馬暖流の流れとの関係を解析。
● 対馬暖流が接岸する年には漁場が壱岐北東部に集中し、離岸する年には漁場が南北に分散する傾向を確認。
● 九州北部でのマアジの分布や漁場形成に、対馬暖流の位置が大きく関係することを示した研究。
● DOI:10.34423/jsfo.75.3_154
● [論文情報(J-STAGE)](https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsfo/75/3/75_154/_article/-char/ja/)

32. 依田真里・大下誠二・檜山義明(2004)

「漁獲統計と生物測定によるマアジ産卵場の推定」『水産海洋研究』68(1), pp.20–26.

● 東シナ海および九州西方海域のマアジについて、漁獲統計、生物測定、組織学的成熟判定、生殖腺重量指数(GSI)などから産卵期と産卵場を推定。
● 尾叉長26cm以上の大型・中型魚では11~6月、20~26cmの小型魚では1~5月が産卵期と推定された。
● 九州西方海域では11~6月、東シナ海中部・南部では主に1~6月に産卵親魚が確認された。
● DOI:10.34423/jsfo.68.1_20
● [論文情報(J-STAGE)](https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsfo/68/1/68_20/_article/-char/ja/)

33. 武田保幸(2002)

「紀伊水道周辺海域におけるマルアジの回遊」『水産海洋研究』66(1), pp.26–33.

● 紀伊水道周辺のマルアジについて、漁場の季節変化、標識放流魚の再捕、漁獲魚の体長などから季節回遊を解析。
● 季節回遊を、春の「産卵回遊」、夏~初秋の「索餌回遊」、晩秋の「越冬回遊」に分類。
● 2歳以上の成魚は春に紀伊水道外域中央部から紀伊水道・播磨灘方面へ北上して産卵することが示された。
● DOI:10.34423/jsfo.66.1_26
● [論文情報(CiNii Research)](https://cir.nii.ac.jp/crid/1390589054383970304)

34. 武田崇史・安江尚孝(2021)

「紀伊水道および紀伊水道外域におけるマルアジの脂肪含量の季節変動」『水産増殖』69(4), pp.265–273.

● 紀伊水道および紀伊水道外域で漁獲されたマルアジについて、魚体の栄養状態と産卵との関係を調査。
● 生殖腺体指数(GSI)から産卵期を4~8月と推定。
● 産卵期には腹腔内脂肪組織重量指数がほぼ0となり、産卵後には脂肪含量と腹腔内脂肪組織重量指数が増加することから、脂肪量の季節変動と産卵との関係が示された。
● DOI:10.11233/aquaculturesci.69.265
● [論文情報(J-STAGE)](https://www.jstage.jst.go.jp/article/aquaculturesci/69/4/69_265/_article/-char/ja/)

35. Jiang, R.-J., Jin, H.-W., Zhou, Y.-D., Xue, L.-J. & Guo, A.(2013)

“Feeding habits of Trachurus japonicus in the East China Sea.” Chinese Journal of Applied Ecology, 24(7), pp.2015–2024.

● 東シナ海で採集した尾叉長46~250mmのマアジ453個体について、胃内容物から食性と摂餌強度の季節変化・成長に伴う変化を調査。
● 摂餌強度には有意な季節変化が認められ、春に最も高く、冬に最も低かった。
● ただし、春に摂餌強度が高くなる原因を「産卵前の荒食い」や「産卵に備えたエネルギー蓄積」と結論づけた研究ではない。
● [論文情報(PubMed)](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24175535/)
● [論文情報(Chinese Journal of Applied Ecology)](https://www.cjae.net/EN/Y2013/V24/I7/2015)

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